「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

目黒川にマルタ(魚)が遡上してきた戦前昭和の頃

2016-06-06 05:54:04 | 2012・1・1
近年東京の桜の名所として知られるようになった目黒川舟入場公園で先日、川に住む生き物を調べる恒例の”生き物探検隊”のイベントが催されたが、今年は鮎が一匹しか見つからなかった。主催者によると、今年は春先に雨が少なく、そのため海から遡上する魚が少ないようだという。ただ、それだけの原因なのだろうかー。

戦前昭和の10年代の前半、僕はこの舟入公園より1.5キロ下流の谷山橋近くに住んでいたが、汐によっては東京湾からマルタ(魚)が大量に遡上してくることがあり、子供でも網ですくい上げた。当時、川はすでに生活用水で汚染されており、舟入公園と同じような船着場が各地にあり、東京湾へ汚わいを運ぶ拠点になっていた。

僕らの遊び場であった川の流域はすでに開発が進み町工場が多く見られたが、まだ”原っぱ”と呼ばれていた空地も残っていた。その原っぱには”殿様バッタ”から”くそバッタ”、カマキリ”から”トカゲ”などいろんな生き物が住んでいた。湿地には、名も知れない大きな”ガマカエル”も生息していた。

東京では平成元年以降、”殿様ガエル”は一匹も観測されていないそうである(産経抄)。20年ほど前八王子に住んでいた時、近くの「カエル寺」を訪れ、その鳴き声に驚いたことがあるが、このお寺からも、やがてカエルの姿は消えてしまうのだろうか。そういえば、10年前ほど前まで、わが家の庭に住みついていたガマ君も最近いなくなった。気象の変化なのか、あるいは生態圏の変化なのだろうか気になる。