「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

「社会保障」が議題にならない九党首討論会

2016-06-22 05:32:32 | 2012・1・1
参院選擧は今日22日公示され、7月10日の選挙日まで18日間の論戦が展開されるが、昨日それを前にして九政党党首の討論会がNHKテレビで放送された。2時間にわたる放送だったが、例によって変な平等主義からなのか、大政党も僅か三議席の小政党も同じ質疑の時間を割り振りふりしたせいか、焦点がボケ、間延びしてしまった。

参院選を前にマスコミが行った世論調査によると、国民が選挙で望む最重要政策課題は、医療年金などの社会保障であった。共同通信調査では全体の44%、読売34%、産経29%、毎日25%と、いずれも第一位であった。しかも産経調査では64%の人が、消費税率10%の再延期によって社会福祉の財源がどうなるかを懸念する声が寄せられていた。

にも拘らず、昨日の討論会では、アベノミクスをめぐる経済論争と安保憲法改正が多く、ほとんど社会保障に対する安倍総理への質問はなかった。国民が今、国に望んでいる最重要課題は社会保障政策である。アベノミクスの成否もこれにかかっている。消費税率の再延期で、当面アベノミクスは”安全”かも知れないが、国民が一番懸念している社会保障を維持する財源をどうするのかだ。野党第一党の民進党の岡田代表は、この一点に絞って質問して貰いたかった。

"年寄りはいつまで生きているのか”という麻生大臣の暴言も、社会保障政策の貧困の証明である。老人蔑視発言とも取れる大臣のいる政党には一票は投じたくないが、さりとて、あまりにも現実離れした野党連合の政党にも投じたくない。ハムレットの心境だが、結局、今、わが国に必要なのは長期安定政権のような気持ちになってくる。