「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

EUからの離脱 「英国病」の蔓延を懸念

2016-06-25 05:23:27 | 2012・1・1
国民投票による英国民のEUからの離脱決定は、世界経済に大きな影響を与えている。経済にうとい僕だが、昨日のロンドン為替市場でで1ポンドが130円台に下落したのを知り驚いた。半世紀以上前になるが1962年(昭和37年)秋、初めてロンドンンを訪れた時には、為替はまだ固定相場制で1ポンド1008円もした。当時に比べれば、80%近い下落である。

1960年代、すでに英国は”英国病”に罹っていた。急速な社会保障制度の実施や国営化政策の失敗から英国経済は失速していた。当時、まだロンドン市内には超高層なビルはなく、山高帽にステッキ姿もも散見出来た時代だったが、旅行者の目にも”英国病”は感じとられた。殖民地時代、七つの海に君臨した大英帝国の面影はなかった。

1992年12月 、観光でロンドンを訪れた時も”ポンド危機”の直後であった。9月にポンドが急暴落し、EMR(欧州為替相場メカニズム)から脱退、大混乱していていた時期であった。こうみてくると、英国は、慢性的に経済危機に見舞われている感じだ。1か月に終わった伊勢志摩Gセブンサミットの合意文書には、具体的に英国のEU離脱のケースにも触れ”不透明を増している世界経済に対しては、状況に応じて財政出動する”という一文があった。

グロ―バル化してきている経済である。”英国病”がかってのように、英国国内だけで済めばよいのだが。安倍総理が、消費税増税延期の理由に”世界経済の不透明さ”をあげたのは先見の明があった。