「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

ノン.アルコールのカフェで開催した70年前の同期会

2017-11-07 05:52:07 | 2012・1・1
74年前(昭和18年)中学(旧制)に入学、戦中戦後の激動の時代を生きてきた仲間7人が昨日、自由が丘のカフェで集まり、昼食を共にしながら同期会を開催した。かっては夜の宴席で大勢集まって大騒ぎした集まりも、加齢と共に健康上の理由から食事制限、ノンアルコール者が増えてきた。そこで、今風のカフェを会場に選んだわけだが、それぞれが勝手に食事飲物が選べるし、会費も安くてすみ好評だったようだ。

カフェというと僕らにとっては、大正から戦前昭和の時代の”カフェ”である。あの林芙美子の作品「放浪記」に出てくる風俗喫茶店である。僕が少年時代、住んでいた五反田にも”中通り”という一角はカフェ街で、夜になると輝くネオンの下で、厚化粧の女給さんたちが客引きをしていた。親たちからは”中通り”には遊びに行くなといわれたものだ。

今のカフェは違う、パリやウィーンなどで見かけるカフェを模した店のようである。通りに面し、時には道に張り出したレストランである。僕も10数年前、老妻とパリを観光旅行をした際、ルーブル博物館近くのカフェで軽食を食べたことを想い出す。僕らが現役時代には、会社の会議室がわりの喫茶店はあったが、今風のカフェはなかった。

80歳半ばを過ぎた、かっての紅顔の美少年たちは、みな耳が遠くなり、会話に苦しみながらも昔話に花が咲き、あちこち痛み出してきたお互いの身体について話し合った。帰宅したら、会を企画した僕宛にメールで礼状が送られてきた。老いてますます盛んとまではとはゆないが、皆元気であり幸せだ。