先の戦争の呼び方について今、日本人の大かたは「太平洋戦争」と呼んでいるようだ。今年はその開戦80年の節目の年とあって、テレビの特番などで「太平洋戦争」の露出度が高い。しかし、老生など銃後の青少年世代の中にはこれに抵抗を感じるものが多いのではないだろうか。
開戦のが勃発した昭和16年12月8日直後の亡父の日記を再読してみら「今対英米戦争布告を日支事変を含めて大東亜戦争と呼ぶ」と時の東条英樹内閣が閣議決定したことを記している。生まれた年に満州事変が始まり、小学校1年時に盧溝橋事件が勃発した老生世代は初めて戦争が「大東亜戦争」なことを知った。それまでは事変、宣戦布告なき「戦争」(広辞苑)であった。
「大東亜戦争」はわが国では閣議決定による正式な呼称である。一方,[ 太平洋戦争」という呼び方は米英連合側からのものである。我が国では戦時中使用されたことはない。地政だけいっても「大東亜戦争」は太平洋に限られていない。戦土はインド洋から豪州にまで拡がってゐる。
「大東亜戦争」中、戦地にもなったインドネシアでは戦争のことperanngというが、一般には、perang Asia raya(大東亜戦争)とはいわない.。オランダからの解放、独立に戦ったperang Merdeca,独立戦争のこという。歴史に忠実に「大東亜戦争」と呼ぼう。