今夕はクリスマス.イブ、と言ってもキリスト教徒でもないわが家ではクリスマスツリーを飾ってお祝いするわけでもない。長引くコロナ禍で隣近所の電飾も心なしか寂しい。老妻と二人だけのわが家では老妻の誕生日をかねてデコレーションケーキを奮発した。
デコレーションケーキというと、半世紀以上前の神武景気時代(昭和29年―32年)の若かりしころの独身時代のクリスマス.イブヲ思い出す。東京など大都会のサラリーマンは、キリスト教徒でもないのに、普段行きつけのクラブやキャバレーからパーテイ券を買い付けられた。たいがい、飲み代とお土産のデコレーションケーキと頭にかぶる三角帽子がセットになっていいた。
東京の街には街頭放送から賑やかにジングルベルの曲が流れ、その中を三角帽子をかぶったほろ酔いのサラリマンがデコレーションケーキを手にさげて家路についた。当時のクリスマス.イブの風物詩だった。まだ昭和の三種の神器もない貧しかったが、日本全体が活気のある時代であった。