「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

          求人と求職のミスマッチ

2009-02-10 05:50:29 | Weblog
大阪の摂津市でこの4月からの正規職員(事務職5人、技術職4人、看護師1人)を
募集したところ、全国から170倍の応募があったという。市では当初予定していな
かった二次試験まで実施する。若者がいかに公務員という安定した職種を志向して
いるのかー今の世相がわかる。

1月末発表になった昨年12月のわが国の失業率は4・4%と11月に比べて0・5%悪
化し、有効求人倍率も0・04ポイント悪くなり、0・72倍となった。有効求人倍率はここ
13か月のダウンである。この傾向はさらに続きそうである。

昨日、新聞の折込に珍しく「求人特集」が入ってきた。A4版のビラの両面にびっしり求
人広告が載っていた。後期高齢者には勤める意思もないし、企業側も採用しないと
思いながらもチェックしてみた。求人のほとんどが介護、ヘルパーといった福祉関係
の仕事。つぃでビルの清掃、駐車場の管理など。いずれも時給は1,000円前後で正規
雇用ではない。月給15万円という職もあったが、家族持ちでは東京での生活は苦しい。


バブル時代には3K職場(きつい、汚い、危険)が若者によって敬遠された。今はどうな
のだろうかー。誰でもが自分にあった職を選びたいし、楽な仕事をしたい。派遣社員が
増えた背景には、企業側の経営理由のほかに若者の、こんな甘えもあったのではない
のだろうかー。

先行きが読めない時代である。求人と求職とのミスマッチ、日本人の職に対する意識革
命も必要になってきた。

        オバマの英語 ブッシュの英語

2009-02-09 06:57:29 | Weblog
オバマ大統領の選挙中の演説・スピーチのCDつきカセットが40万部も売れてい
るという話だ。これを使って英会話のレッスンを売り物にした英語学校では入学
希望者が倍増したという。どこまで本当の話しかわからないが”解りやすい、格
調高い”などと人気になっている。僕も聴いてみたが、前任者のブッシュさんより
は聴きやすい。”change,Yes,We can"である。

僕が大学で英語を習った時代(昭和24年ー28年)は占領期間中で、町に米国兵
がウヨウヨしていた時代だ。従ってアメリカン・イングリシュが全盛で、NHKのラジ
オでは平川唯一先生の”come come English"が流れ、僕ら若者は進駐軍放送
のWVTR(FEN)に耳を傾けたものだ。

しかし、わが大学では徹底的にキングス・イングリシュで教育された。その筆頭は
ロンドン大学を出た日本人の音声学の大家の先生で、同僚の米国人教師の英語
まで"汚い”と口に出して批判した。そのためのだろうか、60年近くたった今でも僕
はアメリカン・イングリシュに弱い。とくに前大統領のブッシュの英語には閉口して
いた。南部なまりだからと、あきらめていたが、ネット情報によると、彼の英語はな
まりだけではなく”Bushisme"という言葉があるほど英語の誤用が多いのだという。

オバマの英語は教材になるほどだから、そんな批判は聞かない。それに僕だけの
推測かも知れないが、彼の実父が英語のネーテイブ・スピーカーではなかったこと
また彼自身も子供の時、インドネシアの学校で学んだこと、などが彼の英語に影響
しているのでは、ないだろうかー。やはり言語はコミュニケーションである。オバマ氏
の英語には彼の半生の体験からくるものがあるのではないか。その点、ブッシュ氏
の英語とは違うのだろう。




           引越し ”向う三軒両隣”

2009-02-08 06:53:45 | Weblog
経済がこんなに冷え込んでいるというのに,おカネはある所にはあるものだ。先週
わが家の近くに引越してきた方が、クッキーを持って挨拶にきた。その翌日,こんど
は裏の豪邸を壊し、家を新築する別の隣人が煎餅を持参して挨拶にきた。当分、騒
音に悩まされれそうだが、お互いさまで仕方がない。

昔、一戸建ての住宅が多かった東京では、普通引越しの場合、"向う三軒両隣”へ
蕎麦(そば)を配る慣習があった。僕の記憶の中にもある。ものの本によると"蕎麦
へ引っ越してきました。細く長くお付き合いを”という江戸のしゃれからきているもの
らしい。戦後すぐの時代(昭和22年7月ー28年4月)NHKのラジオドラマに「向う三軒
両隣」という番組があったが、この時代までは、この習慣が残っていた。

30年ほど前、僕らが北海道から移ってきて一時、アパートを借りて住んでいたが、そ
の隣に電電公社(当時)が職員住宅を建てた。わが家には、事前の挨拶がなく、それ
も休日まで騒音をたてる。さすがに僕は抗議したことがある。ちょっとした人間的な気
づかいなのだ。

引越しは煩わしいものだ。今年の年賀状の中に僕と同年齢の友人が引越ししていた。
高齢なると、よけいしんどいと思う。僕もわが人生の中で、数えてみたら家族ぐるみの
引越しが5回、僕の単身赴任によるものが3回あった。そのつど"向う三軒両隣”へ挨拶
してきたつもりだが、若い時はどうだったか?やはり人間関係には潤滑油が必要だ。



           東京五輪と札幌五輪

2009-02-07 06:52:26 | Weblog
2016年の東京五輪招致を後押しするための国会決議が、民主党の曖昧な態度で
暗礁に乗り上げている。僕は1969年の東京、73年の札幌五輪をマスコミの現場に
いて経験している。時代が時代だったのかも知れないが、五輪をステップにした経
済効果と国民に活力を与えた影響は大きかった。今から7年先の五輪だ。果たして
僕はこの世にいるかどうか判らないが、21世紀の国家事業として沈滞している国の
活力を呼び戻すには絶好の機会と思うのだがー。このままではIOCの開催地選考に
も影響を与え、東京開催は流れてしまう。

東京五輪と札幌五輪開催前の活気に満ちた町の模様を今でも 想い出す。とくに札幌
は、トワエモアが歌った五輪賛歌「虹と雪のバラード」の歌詞のように"眠っている北
の町に新しい、美しい町ができる”活気であった。東京にもない地下街が誕生、市電
の線路が撤去されて地下鉄が走り、空港からのハイウエイも整備された。

開催中の札幌雪祭りをテレビの画面でみた。世界的な不況で今年は外国人観光客が
少ないという。心なしか例年に比べて賑やかでない。冬季五輪の時の札幌の人口は
100万人だったが、今は180万人に膨れ上がっている。が、この38年間に北海道経済
の要だった拓殖銀行は数年前に破産し、道内一のデパートも破綻している。そして札幌
のシンボルであった、レンガ色の旧五番舘デパート(札幌西武)も近く閉店する。「虹と雪
のバラード」が町中に流れていた時の札幌にはホームレスもいなかった。もちろん三波春
夫の「東京五輪音頭」の時の東京にもいなかった。


       生活保護者増と日本人の勤勉さ

2009-02-06 07:43:15 | Weblog
生活保護者が昨年11月の時点で全国で159万を越えた。これは前年同期に比べ
5万人近くの増加である。この傾向は”派遣ぎれ”が本格化して以降、さらに増え
ているという。それだけ経済が悪く生活が逼迫していることはよくわかる。

しかし、一方でこんな数字もある。読売新聞が日本人の「勤労観」について調査した
ところ、日本人の勤勉さが今後も続くか、という設問に対し”思わない”と回答した人
が61%、特に20歳代では66%もあったという。これと生活保護者の増加と直接関係
があるとは思いたくないが、老人の僕には少々気になる。

僕らの世代は戦前、日本は国土が狭い。資源も少ない。だから働かなければならな
いーと教えられ育った。手本は二宮金次郎であった。実際に都会でも田舎でも小さい
時から家の手伝いをしたものだ。戦後すぐの昭和20年代、わが国がまだ貧しかった
頃、都会では家で”内職”をする家庭が多かった。わが家でも夜、暗い電灯の下で老
父母と一緒に袋張りをした想い出がある。

詳しい事情はわからないが、暮の東京・日比谷の"年越し派遣村"の騒ぎのさい、数十
人が年が越せず、生活保護を申請して受理されたという。彼らは本当に病気であったり
高齢で働けないのだろうか。好い悪いは別として、戦前の日本人は国から生活保護を受
けるのを不名誉と感じていた。若い世代の中には生活保護は当然のことと思っている者
が出てきていなければよいが。僕の周囲には後期高齢者でもまだ、学校の夜勤をして保
護の世話になっていない。

           総理は詐欺師か泥棒か?

2009-02-05 06:56:51 | Weblog
昨日の衆院予算委で質問した前原誠司.副代表が麻生総理を”やるやる詐欺”と呼
ばわり、税金泥棒と決めつけた。みかねた衛藤委員長が発言の無礼について注意
していたが、野党第一党、副代表の言辞ではない。きちんとした証拠があるのなら別
だが、前原副代表には偽メール事件の時の"前科"がある。

僕の記憶には、平成18年2月の衆院予算委で、先日自殺した民主党永田寿康議員の
あの偽メール事件の発言をバックアップした時の民主党代表、前原氏の発言がある。
あの時も自信にみちみち、昨日と同じように過激な言葉使いをしていた。が、結局はメ
-ルはデッチあげと判り、自身も代表を辞任した。

他人を詐欺師だとか泥棒呼ばわりするのは名誉毀損である。マスコミでも刑が確定
するまでは「容疑者」の字をつける。前原議員はもちろん過激な修辞として使ったの
だろうが、論議(debate)のABCを知らない。欧米の大学では論議の講座があって政
治家を志す学生は単位をとらなければならないと、本で読んだことがある。論議とは、
お互いの論点がかみあわなければならない。冒頭から犯罪者扱いにされては議論に
ならない。

前原副代表に限らず、国会中継をみていると質問が要をえておらず、いたずらに過激な
言辞に終止している議員が多い。それに無意味な野次が多すぎる。ある新人議員の
ブログに議席の前に座らされる新人は野次をとばすのが政治家として出世する道な
のだと書いてあった。テレビカメラは、こうした下劣な議員の顔をクローズアップして
国民の前にさらけ出す義務がある。





          節分 恵方巻 隠岐のイカ

2009-02-04 06:45:14 | Weblog
昨夕”鎮守の森”の節分の豆まきに行った。考えてみると、75有余年の人生で
豆まき行事に参加した想い出がない。戦争を挟んで10数年、今のように賑やか
に行われなかったような気がする。神社のお神楽殿の渡り廊下に年男年女が並
び、いっせいに豆をまく。約300人集まった群集がこれを拾う。残念ながら僕は一
袋も拾えなかった。この歳になって、転倒でもしたら物笑いだ。

75有余年、家での豆まきは続いている。ただ家と家との間隔が狭くなり、あまり大
きな声で"鬼は外”とは言えなくなったし、思い切り勢いよくはまけなくなった。どう
しても、ご近所に対して気を配る。柊(ひいらぎ)の枝にいわしの頭を刺して戸口に
置く習慣が地方によってあるそうだが、僕は見たことがない。代わって「節分」のラ
ベルが張ってあるいわしの龍田巻を買ってきた。

習慣といえば、ここ10数年、関西の恵方巻が首都圏で定着してきた。わが家でも腰
痛の老妻が、腰をいたわりながら手作りの恵方巻をこしらえた。伝統の行事ではない
が不思議なもので昔からあったような気になる。

夫婦二人で恵方巻と買ってきたいわしの龍田揚げで節分の夕食をと思っていたら、近
所に住む60年余の友人が、奥さんの故郷、隠岐から航空便で届いたという新鮮なイカ
を届けてくれた。友人の家は、今年の恵方、東北ではない。そんなことは関係ない。二
人は龍田揚げを冷蔵庫に納め直し、イカのお造りを堪能、僕の酒量も進んだ。

          ”生卵かけご飯”の見直し

2009-02-03 07:28:41 | Weblog
岡山県の山奥の町、美咲町に”生卵かけご飯”を中心とした定食店が出来て評判
のようだ。町ではこれを町おこしの起爆剤にして普及させようと計画中だという。町
のHPによると、美咲町は自然が豊かで昔ながらの田舎暮らしが出来、食の安全安
心を目指しているとある。この町なら”生卵かけご飯”もおいしそうだ。一度でかけて
食べてみたいものだ。

日本人なら一度は暖かいご飯に生卵と醤油をかけて食べたことがあるに違いない。
僕は約70か国の開発途上国の外国人と国内の研修旅行をしているが、生卵をご飯
にかけて食べた人を見たことがない。

戦後、ある時期から鶏卵は物価の”優等生”といわれ、比較的安価に入手できるが、戦
前は、高価なもので一般庶民が毎日食べられるものではなかった。鶏卵は紙箱の中に
籾殻を入れて壊れないようにして病気見舞いに使った。だから”生卵かけご飯”は子供に
とって大変なご馳走だった。

ブロイラーが市場に出回り、養鶏場が大規模化した頃だったと思うが、鶏卵のサルモネラ
菌が問題となった。その頃から生卵を食べるのが敬遠されるようになってきた。僕もその一
人だが、昔ながらの有機農法で栽培したお米を使い、自然の餌で飼育した鶏が産んだ卵
なら安全だ。ネット情報によると、美咲町だけでなく各地に自然食ブームを追い風に”生卵
かけご飯”店が誕生しているそうだ。景気が悪い時、安価な栄養食だ。







           ドバイの"冷え込み”

2009-02-02 06:09:42 | Weblog
1月下旬アラブ首長国連邦(UAE)の一つ、ラスアル・カイマの砂漠に10㎝ほ
どの積雪があったと、ドバイ在住の知人から知らせがあった。UAEは今、冬だ
が、気温が-2℃まで下がり雪をみるのは異常のことだ。が、知人のメールは
このことを知らせるのが本意ではなく、この"冷え込み”にもかかわらずドバイの
景気は、一部の日本のマスコミが伝えるほど冷え込んではいない、というのが
趣意のようだ。

知人によると、ドバイの経済は日本の一部マスコミが伝えるほど"崩壊寸前”で
もなく、ゴーストタウン化もしていない、という。銀行取付騒ぎも起こっていないし、
町中の建設工事も活発に行われているとのことだ。

僕は経済専門家ではないが、昨年11月訪問したさいのドバイの活力が、僅かの
期間にY紙が伝えるような状況になるとは、疑問に思っていた。あの記事をみた
読者は、やはりドバイも国際バブルに巻き込まれたのか、と思ったに違いない。
知人のメールによれば、総額賞金100万㌦のドバイマラソンも、総額賞金250万㌦の
欧州PGAゴルフも先日無事行われた。さらに3月には、日本でもおなじみのドバイ
ワールド・カップ競馬も予定通り実施される。

ドバイには今、日本のマスコミは経済紙一紙が常駐特派員を置いているだけだ。従
って情報量も少ない。僕の経験では、常駐ではなく移動特派員や、他国から外国
通信をみてまとめた記事は信頼性にかける。同じ中東といってもドバイとカイロとでは
距離が遠すぎる。



             女性だけの老人会            

2009-02-01 06:31:16 | Weblog
僕の住んでいる東京目黒区は、数ある全国市町村の中で出生率が最低という記録が
でた。名誉なのか不名誉なのか。やはり出生率が低いのは活力のない証拠。一方、
昨年、厚労省が発表した全国市町村平均寿命率では、目黒区は第10位だった。こち
らは名誉の記録と思うのだが、役人にとってはどうなのかー?

昨日、僕は腰痛の老妻に代わって地元の老人会の新年会に生まれて初めて参加した。
会費2000円也。会場の住区センターには老人男女、約80人が集まっていたが、うち
男性は僕を含めてたった5人だけ。女性たちは賑やかに日本舞踊やフラダンス、手品や
カラオケなどを披露していたが、男性はやっとカラオケを一曲歌っただけだ。ただただ女
性が手をつけない"祝い酒”を飲んでいた。

なぜ男は老人会が嫌いなのだろうか。都会では老人の大部分はサラリーマン出身で地
域社会とのつながりがない。それに"老人”という言葉に抵抗があるからのようだ。それに
老人クラブ主催の習い事も女性をターゲットにしたものばかりだ。結果として男性は閉じこ
もり老人か、デパ食あさりになりさがる。

それにしても女性は元気だ。和服姿の司会者はなんと90歳。とてもそんな高齢とは思えな
い。背筋が伸びている。これに比べ男性は”よっこらしょ”である。男性は現役時代にエネル
ギーを全部使い果たしてしまうからだろうかー。神様は不公平である。男性よもっと元気に
なろう!