「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

       「かぼす」 「すだち」 「ゆず」 「だいだい」

2009-12-21 06:52:49 | Weblog
1920年生まれ、来年卒寿を迎える旧友から「かぼす」を沢山頂いた。故郷の大分から
送られてきた、そのおすそ分けだそうだが有難い。wikipediaによると、漢字では香母
酢と書き香りの良いのが特徴で、善玉コレステロールを増やし血栓症の予防に効くと
ある。そのせいか旧友の顔はいつもつやつやしている。

関東の人間にとって「かぼす」と「すだち」はよく見分けがつかない。「かぼす」は「すだ
ち」に比べて形が大きい程度の知識だ。二つとも昔はあまり食卓には上らなかった。
ハラにたまる食べ物が優先された食糧難時代のことである。二つが庶民の間でも愛用
され始めたのは昭和も40年代になってからのような気がする。

関東の人間にとって昔から「みかん」以外の柑橘類でなじみが深いのは「ゆず」と「だい
だい」である。簡単に入手できるし「かぼす」や「すだち」のような高級なイメージはない。
「ゆず」は食するよりは輪切りにして冬至湯に使うほうが親しまれている。「冬至」と「湯
治」の音からくる語呂あわせという説もある。明日22日は「冬至」だ。

一方の「だいだい」は、これもまた「橙」(だいだい)と「代代」の語呂合わせから、関東で
は正月の鏡餅の上にのせるお供えものとされ、あまり食用には使われない。2009年も
数え日になってきた。明日は「ゆず湯」につかり、頂戴した「かぼす」を使って湯豆腐でも
食べ、卒寿の友人の長寿にあやかろう。

       どんぐり豚のハムを作ったら!

2009-12-20 08:25:27 | Weblog
娘婿の実家のある函館から「カール・レイモン」のハム・ソーセージのセットが
届いた。「カール・レイモン」は戦前から函館に住み戦後同地で亡くなるまで
ハム・ソーセージの指導製造に当たったドイツ人の食肉マイスター(職人)で
ある。彼の名前を取った食肉製品は僕が札幌に勤務していた30年前から北
海道ではよく知られていた。

昨日、たまたまスペイン協会の「ドン・キホーテ」の会に出たらスペインのハム
の話が出た。食専門家の話では、スペインのハムの高級品は「ハモン・イベ
リコ」(Jamon Iberico)という黒豚で、牛肉のような赤色ときめ細かい脂肪が特
徴だという。その中でもさらに高級なのは「ハモン・イベリコ・デ・べジョータ」(ド
ングリ豚)と言い、イベリア半島西部のオークやコークの林で放牧された豚から
製造したハムなのだそうだ。

一度だけ僕は「ハモン・イベリコ」を食べたことがあるが、確かに美味しい。残念
ながらドングリ豚のほうはまだだが、どんな味なのだろう。もともと豚は野生でイ
ノシシの仲間だからある程度は想像ガつく。自然のドングリで育ったのだからこ
れ以上の自然食はないに違いない。

北海道の知人からの話では、道内の経済もご他聞にもれずこのところ冷え切って
いるとのことだ。地場産業起こしにドングリ豚を飼育してスペインの向こうをはって
高級ハムを売り出したら如何なものか。


            草食老人の一日

2009-12-19 06:47:23 | Weblog
毎朝続けていたラジオ体操をここへきてギブアップしてしまった。冬至前の早朝6
時といえばまだ日の出前で暗い。それより老骨には寒さが身にこたえる。しかし、
体操を止めて困るのは運動不足になることだ。出来るだけ歩くようにはしているが、
目的もなくただ歩くのも面白くはないものだ。

昨日その運動不足解消のため暫くご無沙汰していた近くの農家の無人スタンドへ
出かけた。お目当ては、毎年この時季になると出てくるカリンである。わが家では
いつも暮れにカリン酒を造る慣わしになっている。ところが、残念ながら今年はすで
に売り切れである。

無人スタンドには季節の小松菜(100円)大根(200円)人参(200円)が泥つきのま
ま並んでいる。昨年まではここで売られる野菜は新鮮な上、安いという感じがした
が、今年はデフレでスーパーなどで野菜を目玉商品に使っているためかあまり安値
感はなかった。でも付近の住民にとっては、出所がはっきりしているためか、依然
人気があり、だいたい夕方までには売り切れるそうだ。

買ってきた小松菜のおしたしと人参の煮物、大根おろしが夕食の食卓に上った。若い
頃は野菜などトリのえさなどと馬鹿にしていたが、今はなによりのグルメでご馳走であ
る。草食系男という流行語があるそうだが、昔はおよそそれに縁遠い僕だったが、馬
齢を重ねてすっかり草食老人になってしまった。

       "羊頭狗肉” 鳩山内閣のマニフェスト

2009-12-18 06:35:27 | Weblog
羊頭狗肉という言葉がある。羊の頭を看板にして狗(いぬ)の肉を売るーつまり
みかけだけは立派だが内容が伴わない(慣用句ことわざ辞典三省堂)という意
味だが、民主党小沢幹事長の来年度予算と税制に関する政府への要望をみて、
まさに鳩山内閣は、これであると誰もが思ったに違いない。

ガソリン税率を維持し、子ども手当てについても所得制限すべしというのは、民主
党が8月のマニフェスト(政権公約)に反している。これでは狗肉さえ売らないよう
なもので選挙民だましの詐欺行為である。

公約違反といえば、僕ら後期高齢者にとって一番身近かな医療制度もそうである。
”おばーちゃんの原宿”といわれる東京巣鴨のお地蔵さん通りの商店街で、後期
医療制度を”姨捨山”と批判し、即時廃止を獅子吼したのは鳩山幹事長(当時)で
あった。まさか得意の”総理の立場では出来ない”と逃げるつもりではあるまい。

小沢幹事長の要請を受けて鳩山総理は”党というより国民の思い。感謝したい”と
いっている。国民の思いとは図々しいにもほどがある。国民はこんな羊頭狗肉の政
権にあきれ果て、怒りさえ感じている。情勢の変化でマニフェストの修正もやむをえ
ないといっている層があるそうだが、いつから日本人はこんなお人よしになったので
あろうか。小沢と鳩山の国民を愚弄した茶番劇もいい加減にして欲しい。

自民党は解散総選挙を要求すべきである。

     昔の歌が歌えない聞けない後期高齢者

2009-12-17 06:43:30 | Weblog
昨日の早朝6時すぎ寝床から起きられずNHKのラジオを聞いていたら、ダークダックス
の「金剛石」の歌が流れてきた。「金剛石」の歌と言っても多分、後期高齢者以外あま
り知らないのではないか。久しぶりに聞くこの歌が、僕にはとても新鮮に感じた。歌詞
は難解で教育関係の組合から文句が出そうだが、ダークダックスということで選曲した
のだろう。

           ♯「金剛石」(昭憲皇太后御歌 奥好義作曲 
                  大正2年 尋常小学校唱歌  )
金剛石もみがかずば珠の光はそわざらん  人も学びて後にこそ まことの徳は現れるれ
時計の針も絶えまなくめぐるが如く時のまも 日陰惜しみて励みなば如何なる業かならざらむ  

後期高齢者にとって、こういった戦中戦前の歌を聞く機会は少なくなった。戦争中子供時
代親しんだ歌のほとんどが軍歌だった。高齢者に人気のあるNHKラジオの「深夜便」の歌
のコーナーでも軍歌はご法度らしく登場したことがない。

軍歌だけでなく金剛石みたいな小学校唱歌や戦争中の童謡もダメらしい。例えば「隣組」
(トントントンカラリンと隣組)「歩け歩け歩け歩け道なき道を)などは戦時中の庶民の生活
を歌ったものだ。「二宮金次郎」(柴刈り藁なえワラジをつくり)「大黒様」(大きな袋を肩に
かけ)などは、なにも戦争を賛歌したものとは思えないのだが。後期高齢者にとっては、J
ポップスなどより、軍歌のほうがなつかしいのだが。損な世代である。

        傲慢無礼、憲法が解らない小沢幹事長

2009-12-16 06:34:19 | Weblog
民主党の小沢一郎幹事長は傲慢無礼である。中国の習近平国家副主席と天皇陛下と
の会見問題について”憲法によれば(天皇)の国事行為は内閣の助言と承認で行われ
る”のだからと、取り様によっては天皇をあたかも無人格のロボット扱いし、一方では”陛
下は喜んで副主席に会われる”と勝手な失礼な推測もしている。13日の小ブログは天皇
陛下のお気持ちを忖度せよと書いたが、この鈍感な政治家は、まったくそれが解ってい
ない。

小沢幹事長は日本国憲法で「天皇は日本国の象徴であり、国民統合の象徴であってそ
の地位は主権の存在する日本国民の総意にある」という大前提を理解していない。先人
たちが旧帝国憲法の轍を踏まないために天皇を”象徴”とした、その意味あいがよく理解
できていないのだ。

天皇陛下ご自身が一番”象徴”を理解されている。だから国会での”お言葉”も"通りいっ
ぺん”になるのだ。皇室のことを司どる宮内庁もそれを十分理解している。そのためにこそ
一種の内規もあるのだ。どこの世界でも規律規則(Rule and Regulation)がある。例えば
満員電車に乗るには行列をつくるみたいなものだ。

小沢幹事長が羽毛田宮内庁長官を批難する記者会見をテレビ画面でみた。まるでヤクザ
口調でとても与党の幹事長ではなかった。宮内庁の役人分際がかってにルールをつくると
はとか辞任してから発言せよに至っては暴言である。

鳩山総理も”中国が隣国で大切な国だから”とごり押しの会見を正当化しているが、問題
はそんなことではないのである。

     「普天間」問題先送りだけ解決策はあるのか?

2009-12-15 12:30:05 | Weblog
普天間飛行場の移設問題について鳩山内閣は年内解決のメドがつかず、来年まで持ち
越した。この政府方針は与党3党の了解を得て米国側に伝えられるが、果たして米国側
がどう反応するのだろうかー。米国は普天間から辺野古への移転が両国間の合意で唯
一の解決策としている。

なのに鳩山総理は”原案(日米合意)ならば、何も苦労することはない”と言っている。一
国の指導者として適切ではない。国と国との合意事項は、たとえ政権が変わっても普通
はこれを遵守するのが國際常識である。国の品位の問題である。逆の場合だったらどう
なのか。

鳩山総理は、この問題について再三にわたって最終的には自分が決断すると言っている
が、先延ばししても具体的な解決策を持っているのだろうか。友愛精神に基づいて沖縄県
民に配慮し、一方では日米合意を重く受け止めるといい、さらには基地の国外移設を主張
する社民党の意見も尊重するという。誰が考えても三者を満足させる解決策などない。

一国の指導者がいつまでもハムレットの”To be not to be"では困る。習近平中国国家副
主席の天皇陛下との会談については、ゴリ押しまでして決断している。普天間移転問題だ
けではない。政権発足後3か月にもなるが、政権公約はホゴにされ、すべてが先送りだ。



        「ブンガワン・ソロ」 悠久の流れ

2009-12-14 06:41:01 | Weblog
先日、僕はある新聞社の若い記者から「ブンガワン・ソロ」について取材を受けた。
「ブンガワン・ソロ」はインドネシアの中部ジャワ流れる川の名前だが、この川を歌っ
た「ブンガワン・ソロ」が戦争中この地に駐屯していた日本軍兵士の間で愛唱され、
戦後復員してきた藤山一郎らによって日本でも大ヒットした。おそらくインドネシアの
歌では日本人に一番親しまれている歌だろう。

この歌は戦後長い間、インドネシア民謡とされ、教科書にもそう紹介されていた。藤
山一郎も自叙伝の中で民謡と書いている。ところが、実際にはソロ在住のシンガーソ
ング・ライター、ゲサン氏のものだった。昭和19年版「ジャワ年鑑」(ジャワ新聞社版)
には◇ゲサング(Gesang)「廿六歳、ジャワ人 「ブンガワン・ソロ」「サプタンガン」等の
名作曲があり、ビンタン・スラバヤ劇団員」と書いてある。

僕は昭和41年9月、当時勤めていた新聞社の取材でソロでゲサン氏に会い「ブンガワ
ン・ソロ」を記事にしているが、その時はまだ「ジャワ年鑑」の記述を知らず、自分が初
めてゲサン氏のことを日本に紹介したと思っていた。なぜか、その当時インドネシアで
もゲサン氏をこの歌の作者と公認していなかった。

昭和55年2月、僕はゲサン氏を札幌の雪祭りに招待し「3時のあなた」という当時あっ
たテレビ番組にも出演して貰った。その後もソロを訪れるとゲサン氏に会っていたが、
ここ数年はゲサン氏が病床にあると聞き、遠慮していた。しかし、取材を受けた記者に
よると、最近、またお元気になられたとのこと。すでに90歳を越えている。ご長寿だ。
なにか「ブンガワン・ソロ」の悠久の流れを感じた。

      天皇のお気持ち忖度できない鳩山総理

2009-12-13 06:28:49 | Weblog
鳩山由起夫総理のゴリ押しで天皇陛下が来日する中国の習近平・国家副主席とお会い
になる。普通は陛下の体調への負担と相手国への公平性を勘案して外務省から一か月
前に宮内庁へ打診があるとのことだが、今回はこれを破って総理からのたっての依頼だ
った。鳩山総理は天皇の政治利用ではないと否定しているが、かりにそうだとしても天皇
陛下のお気持ちを忖度していないことは間違いない。

先日も鳩山内閣の一員の岡田克也外相が国会開会式の陛下の”お言葉”について陛下の
思いが欲しいと注文をつけていたが、戦後生まれの新憲法下で育った、この人たちは憲法
第一条の天皇の地位についてよく理解できていないのではないか。

”天皇陛下のためならば、なんで命が惜しいかろうか”-と戦前教えられた僕らの世代は陛
下の靖国神社参拝は亡くなった英霊や遺族のためにぜひ行って欲しいと思っている。僕らと
同世代の陛下も多分、それを強く望んでいるはずだ。陛下がそれが出来ないのは”A級戦犯”
合祀問題などではない。

陛下にしてみれば、内閣総理大臣から、二度にわたって國際親善、日中友好のためと頼まれ
れば断るわけにはいかない。陛下はすでに後期高齢者で病気をお持ちである。それよりも憲
法の上で天皇がどのような立場にあり、それに伴う制約があることを理解すべきである。

今回の天皇陛下と習近平副主席との会見は、小沢一郎幹事長の演出だという説もある。その
小沢氏が韓国で再度謝罪を繰り返し、あげくに天皇訪韓を要請している。何を考えているのだろ
うか。戦前ならば不忠者で断罪である。




      小沢野戦軍総司令官と鳩山総理の位

2009-12-12 06:18:50 | Weblog
昔、放浪の画家「裸の大将」こと山下清画伯のよく使った言葉に"兵隊の位”があった。
大正生まれで戦争中に子どもから青春時代を送った画伯は、物事の比較に手っ取り早
く画伯には判り易い大将、中将といった”兵隊の位”を使った。変な連想だが、民主党
の小沢幹事長の中国訪問と鳩山総理のバリ島会議のマスコミの報道ぶりをみて"兵隊
の位”でいうと代表と幹事長とどちらが上なのかな、とふと思った。

”小沢パワー巨大な訪中団”(朝日新聞)に対する中国側の歓迎ぶりも異常だったがが、
640名の訪中団を率いた小沢幹事長の尊大な対応も僕には異常にみえた。胡錦涛主
席にに向かって自らを野戦軍総司令官と称し"参院選に向かって兵を募り、鍛え、勝利
する”と豪語していた。言葉も適切ではないし、これではまさに"兵隊の位”でいえば大
将の発言だ。

民主党のナンバーワンは代表の鳩山由起夫氏と思っていたが、メディアの報道を見る限
り代表は大将ではない。鳩山総理のバリ島会議は”ベタ記事"扱いだが、小沢一郎幹事
長の訪中は”一面トップ”扱いである。小沢幹事長が大将ならば、鳩山総理は”一兵卒”
かせいぜい”見習士官”である。

マスコミは移り気だが、正直でもある。普天間移設で決断できずモタモタしている鳩山総
理では一軍をまかせられないとみたのかもしれない。小沢幹事長が野戦総司令官から文
字通り国軍の総司令官に昇格する日が近いのかも。