「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

     いずれが菖蒲(あやめ)かかきつばた

2010-06-11 05:20:47 | Weblog
67年來の”竹馬の友”と堀切菖蒲園で開催中の「菖蒲まつり」を見に行った。園内に
ある約2百種、6千株の花は今が盛り。この花菖蒲園は江戸名所の一つとして知ら
れ、安藤広重や歌川豊国らの錦絵にも出てくる歴史の古いものだ。「堀切菖蒲園」の
駅名はいつも成田空港へ行く京成電車の沿線なので知っていたが、実際に訪れたの
は今日が初めてである。東京に生まれ育って80年というのにこういった所もある。

昔から”いずれ菖蒲(あやめ)かかきつばた”という諺がある。菖蒲も杜若(かきつばた)
もよく似た花で美しい。どれが菖蒲か杜若だか判らない。そこで、どちらも、よくて選択
に困る喩えに使われる。正直いって、僕には、菖蒲とあやめとの区別もつかなかったが、
園内にその区別を示す掲示板があった。その第一の違いは菖蒲(あやめ)は草原に杜
若は湿地に花菖蒲はその両方で咲くのだそうだ。

「菖蒲まつり」は6月20日(日)まで開催中で、きょう11日(金)まで、会場はライトアップ
される(午後7時から8時45分)。入園料は無料。

            小沢一郎”一兵卒”

2010-06-10 09:05:07 | Weblog
民主党の小沢一郎前幹事長が枝野幸男幹事長との事務引継ぎのあと記者団に対し、
”私自身は一兵卒として当面参院選の勝利に向い少しでもお役に立てば微力を尽くし
たい”と語ったという。かってどこかで聞いた言葉だと思ったら2004年7月の参院選を
前に小沢氏が年金問題で代表内定直前に”失脚”した時にも同じことを「夕刊フジ」の
コラムに書いている。

昔、放浪の画家、山下清は物事を例えるのに”兵隊のくらいに直せば”というのをよく
使っていた。政党の幹事長はこの例でいくと司令官だろう。昔の軍隊で司令官が一兵
卒に降格された例は聞いた事はないが、将校が一兵卒にされたケースはある。

有名な話は、戦時中スマトラに駐屯していた近衛歩兵三連隊の将校が抑留所のオラン
ダ女性を強姦して逮捕され一兵卒に降格されている。たしか小沢氏と同じ岩手県出身
の兵隊から上がった将校であった。昔の日本軍の軍規はそのくらい厳しかった。

小沢氏は鳩山総理に名指しされ一緒に幹事長職を去ったわけだが、何故一兵卒として残
るのだろうか。6年前にも同じことを言って大将近くまで登りつめた人だ。今回もその野望
があるのであろうか。昔の日本軍では、一度降格された兵卒が、将校にかえりさいた例
はない。

         みっともない”ぶらさがり取材”

2010-06-10 05:17:38 | Weblog
一日に二回行われていた総理への”ぶらさがり取材”が一回になるという。”ぶらさがり
取材”とは総理が記者団の取材に応じて短時間、立ち止まって質問に答える形式のこ
と。”ぶらさがり”という言葉もいやだし、内容もなく形もみっともない。画面がないとサマ
にならないテレビには必要なのかもしれないが、僕のように活字だけがマスメディア時
代だった頃の超OBにとっては”物乞い”みたいで見るに絶えない。

新聞が”社会の木鐸”といわれた頃の空気がまだ多少あった時代には記者は自尊心が
あった。ところが最近の若い記者の取材態度にはそれが感じられない。先日もテレビの
画面をみていたら、新閣僚が官邸入りする度に”○○大臣ご機嫌如何がですか”と声を
かけている。まったく意味がない。

マナーも悪くなっているようにみえる。先日の菅総理の記者会見でも司会の注意にもかか
わらず所属と名前もいわずに質問した記者がいた。東京のローカルテレビでは、石原慎
太郎都知事の定例会見を放送しているが、若い記者のトンチンカンな質問と、これに答え
る知事の辛口の応答が、下手なお笑い番組より面白い。

”ぶらさがり取材”だけでなく官房長官の会見も日一回になるという。取材される側も記者
の幼稚なくだらない質問に答えたくない気持ちはよくわかる。しかし、情報の窓口がこうし
て狭まるのは問題である。後輩記者諸君の猛省を促したい。

        民主党の”とかげのしっぽ切り”

2010-06-09 04:47:45 | Weblog
”とかげのしっぽ切り”という言葉がある。広辞苑によると”尾を押さえられたとか
げが、それを切り離して逃げるように、問いつめられた責任を下位の関係者にか
ぶせて逃げる”とある。僕はこの意味は、そうではなくて、とかげのしっぽは切ら
れても再生してくるから、切っても無意味なことを言うのだ、と解釈していたのだ
が違っていた。

民主党の”鳩山・小沢ダブル辞任”から僕はこの”とかげのしっぽ切り”を連想し
た。むろん、しっぽは小沢一郎氏のことだ。一般の国民世論は、菅直人・新総理
が小沢氏を切り捨てた、と思い内閣の支持率は急上昇した。しかし、一方では小
沢氏は不死身だ。小沢氏が選挙区へ配ったテープが、その証拠だという説もある。

そんな中で菅内閣がそれほど陣痛も伴わずにスタートした。鳩山”おばかさん”総
理の迷走の後だけに国民はほっとしたのが実状かもしれない。が、菅新内閣は難
問山積、総理の指導力もまだ未知数である。それに切りはなした”とかげのしっぽ”
がまだ生きていて再生してくるのかどうかも判っていない。

菅総理は昨夕の記者会見で、小沢氏は幹事長の要職を辞めたことで、一定の政治
的みそぎは済んだ、といった意味のことを言っていた。また、小沢氏に対して”しばら
く静かにしてくれ”とも言っている。しかし、国民は鳩山内閣が、8か月にわたって迷
走した責任の一端は、小沢氏の”政治とカネ”の問題であると思っている。

国民が今、一番望んでいるのは政治の安定である。切り捨てた”とかげのしっぽ”が
再生されることは望んでいない。きっぱりとした政治的なけじめを望んでいる。

        マスコミの世論調査の怪と罪

2010-06-08 06:02:47 | Weblog
菅内閣がまだ正式に発足もしていないのに毎日新聞の緊急世論調査(電話方式)によると
民主党の支持率が前回鳩山総理の辞任前の17%から一挙に28%に跳ね上がった。菅内
閣への期待感の数字ではなく支持率である。一方、自民党の支持率は17%から14%に落
ち込んだ。僕は統計の権威ではなく素人だが、素人の僕がみても、この種の世論調査には
耳を疑いたくなる。

マスコミがこのように頻繁に世論調査を始めたのいつ頃からであろうか。少なくと僕が現役の
記者だった1960年代にはあったかどうか記憶がないし、あっても国民は今のように関心はな
かったような気がする。

後期高齢者の僕には毎日時間はあまるほどある。暇つぶしに昼間テレビのチャンネルを回す
と”ああでもない、こうでもない”の政治談義の”花盛り”だが、政治の本質からほど遠い無責
任な興味本位のものが多い。こんな番組を見て政治を判断しがちな視聴者に電話で聞いても
果たして正確な世論といえるだろうか。

支持率調査の犠牲者は自民党である。鳩山辞任劇には直接関係もないのに、鳩山・小沢ダブ
ル辞任がマイナスに作用している。何も自身はしないのに人気が落ちている。ある自民党議員
のブログ(5月22日)にこんなのがあった。「民主党が(鳩山・小沢のダブル辞任)の最終カード
(ウルトラC)を切り、前原内閣になれば、自民党は打つ手はない」

テレビにちょくちょく出ている人気議員のブログである。「前原内閣」ではなく「菅内閣」だから、ま
だ打つ手はあるはずだが、人気が出ないのは、こんな他人事みたいなブログにもある。

            防火訓練 防空演習

2010-06-07 05:16:28 | Weblog
昨日、近所の中学校の校庭で区主催の「小型消防ポンプ操法演技発表会」があり、
町内の御婦人がこれに参加するので、老妻と応援にでかけた。僕らの住む東京の
住宅街では、消防団員の成り手がなく、町内会の御婦人が自発的に消防団を結成、
毎年一回、この演技発表会に参加している。

町内会の三人の御婦人は、りりしくダイダイ色の制服に身を固め、ホースの筒先を
持って放水した。これを見学しながら、僕は遠い昔、戦争中の防空演習のことを想い
起こした。母親や近所のおばさんたちがもんぺ姿に防空頭巾をかぶり警防団長の号
令でバケツ・リレーで防火訓練をしていた、あの風景だ。結局、こんな訓練は実際の
空襲では役にたたなかったのだが。

昭和19年暮から東京への空襲は激化し、わが家にも5月24日深夜の空襲で焼夷弾
の破片が落ち、両親と一緒に火たたきに水をつけて消火した。破片だからこれで済ん
だが、焼夷弾が雨あられと落下した現場では、逃げるのがせい一杯でとてもバケツ・
リレーどころではなかったようだ。

東京への空襲は5月の山手空襲が事実上最後で、6月には10日、16日、21日、23日
と4回空襲警報は出ているが、被害はほとんど出ていない。敵の戦術は地方の都市
へと移り、やがて敗戦を迎えた。あれから65年、幸い東京では大きな人災も自然災害
も起きていない。”災害は忘れた頃にやってくる”とは、確か寺田寅彦先生の言葉だっ
たと思うが、その意味でもこういった防火訓練も必要である。

           認知症高齢者の医療

2010-06-06 05:29:49 | Weblog
数日前の夜、近所の90歳を越えるおばあちゃんが家で倒れ、搬送の救急車がやってき
たが、いつまでも止まったままである。聞いてみると、認知症の高齢者を受入れてくれ
る病院がみつからないのだという。おばあちゃんは普段は身体が健康で、かかりつけの
病院がないのも災いしていた。

厚労省ではこういった認知症高齢者の医療介護を目的として「認知症疾患医療センター」
を全都道府県、政令都市に最低一か所設置する計画を進めているが、なかなか予定どお
り計画は進んでいないようだ。

今年1月、僕は膀胱ガンの摘出手術で国立の医療施設に一週間入院したが、6人部屋の
同室の老人が明らかに認知症であった。夜通し手足をベッドにぶちつけ、看護師を悩まさせ
ていた。同室の僕らも眠られず迷惑だった。本来ならば「認知症疾患センター」で治療される
患者なのだ。

厚労省の推計では平成20年の認知症高齢者は平成5年の1・7倍の350万人もいるという。こ
の数は、数年後団塊世代が全部高齢者世代になるとさらに増加しtこよう。幸い僕の周囲
には、今のところ認知症はいないが、いつ罹るとも限らない。はっきりとした予防法があれば
よいのだが、あまり聞いたことがない。せいぜい頭をしぼってボケないようにこんなブログでも
書くほかないのかもしれない。

         菅直人”全共闘内閣”の危険

2010-06-05 05:19:20 | Weblog
菅直人新総理が早速、官房長官に仙谷由人・国家戦略相を起用した。二人ともいわゆる
”全共闘世代”である。昨年9月、鳩山内閣が”歴史を変え、歴史を造る”と意気ごんでス
タートとした時、小ブログ(9月17日)は全閣僚のうち9閣僚が同じ世代の”全共闘内閣だ”
と悪口を書き、その危険を警告した。

全共闘世代とは大東亜戦争が勃発した昭和16年12月から敗戦までに生まれた世代と、い
わゆる戦後の団塊世代の総称である。大学時代にベトナム戦争、安保闘争を経験した世代
である。2007年3月号の雑誌「諸君」は特集「日本を滅ぼす全共闘世代」は、この世代の共
通点として”徒党を組み、異質を排除し、無責任で、被害者意識が強く、リーダーシップに欠け
る”諸点をあげている。鳩山内閣の普天間問題をめぐる閣内不一致がまさにこれであった。

民主党代表選挙で樽底伸二議員(50)が世代交代を唱えて立候補した時、僕は歓迎した。
僕も「諸君」の特集と同じように全共闘世代に危惧を感じている。現役時代、全共闘世代とも
仕事をしたが、まさに「諸君」の指摘する通り。もう一つあげれば”独りよがり”が多い。

不思議なことに、欧米の指導者には、この世代が一人もいない。米国のオバマ大統領(49)、
英国のデービッド・キャメロン首相(43)、サルコジ仏大統領(55)、ハーバー・カナダ首相(51)
マイケル・ラッド・オーストラリア(53)といった具合だ。高齢化社会だからといって政治家まで
高齢になる必要はない。

     無責任な男を代表に選ぶな 民主党

2010-06-04 05:04:35 | Weblog
”一夜明けた”鳩山総理のニコニコ顔を見て、この無責任男と改めて怒りを感じた。
人間的には重い荷がおり、ほっとした気持ちは解からないでもない。でも本人も"国
難”と自覚している、この時期になぜ突然辞任するのか。政治家としては、あまりに
もお粗末である。こんな男を代表に選んだ民主党の責任は重い。

今日の民主党両院議員会で代表が決まり、バタバタと本日中に首班指名が行われ、
新首相による組閣にまで着手するという。一昨日、総理が辞意を表明したばかりだと
いうのに、まるで前もってシナリオが出来ていたみたいである。政治空白をなくすため
というが、果たして大丈夫なのか。拙速でまた無責任な男を選出されては困る。

このお膳立てをしたのが、小沢一郎幹事長だという。辞めてニコニコしている総理より
はよいが、民主党には彼以外には党の政治を仕切る人材はいないのか。もっとも今
後の政治日程をみると、小沢幹事長でなくても急がざるをえないのだが。

今国会の会期が今月17日までだというのに重要法案の参院での未審議法案がめじろ
押し。この中にはたった6時間で強行採決された郵政改正法案もある。新総理の所信
表明演説、当然これに対する野党の質問。これらを考えると審議に残された日数は5
日とはない。郵政改正法案が通らなければ、国民新党との連立もおかしくなる。

國際会議も当面4-6日のG-20財務、中央銀行会議への菅大臣の出席は不可能だ
し、5-6日札幌で開かれるAPEC貿易担当会議もホスト役なのに閣僚が出席できない。
政治家として、こういった重大な時期に"ハイ、これまでよ”と勝手に辞任するような代
表だけは、くれぐれも選んで貰いたくない。

         拙速な民主党の代表選び

2010-06-03 09:08:57 | Weblog
鳩山総理が昨日、辞任したばかりだというのに、早くも明日中には次期代表が選出
され、新しい総理まで誕生するという。なんとも手際よいことだ。そんなことはないと
思うが、小沢"闇将軍”があらかじめ仕組んだ鳩山追出し劇のシナリオとさえ思いたく
なる。

電光石火ともいうべき代表選出のキーワードは、政治空白をなくすためだということだ
が、鳩山内閣の8か月の迷走、空白からみれば、わずか数日間の代表の選出の遅れ
はたいしたことでもないと思うのだが。やはり、ここは時間をかけて候補の話を聞くと派
閥間の争いをさらけだしかねない、と危惧したのかもしれない。

民主党の代表に立候補しているのは菅副総理兼財務相と樽床伸二議員だけで、多分"会
社だってそうである。社長が辞めれば副社長であるのは当然だ”(渡部恒三氏)の
言葉のように菅氏で九分九厘決まることになろう。

民主党代表の任期は今年の9月末までで"暫定的”な意味合いもあるが、副総理の昇格
で果たしてよいものだろうか。副総理はいってみれば、総理を支えてきたナンバーワン
の閣僚である。そのナンバーワンが、果たして政治の空白をなくすということだけで無投
票で選ばれてよいものだろうか。民主党代表は即日本国の総理である。僅か2,3日で
バタバタと選ぶのは、やはり拙速である。自民党前政権から数えてこれで短命政権は何人
目か。次期代表は短命では許されない。