インフルエンザが猛威をふるっている。患者数は全国で推定222万人、過去最高を記録した。三寒四温、一歩一歩、春の足音は近づいてきているのだが、話はどうしても”インフル”に関係するものが多い。昨日も”メル友”からNHKのテレビ番組で黒いマスクの話をしていたがと、戦前昭和に詳しい僕に問い合わせがあった。
言われてみると、たしかに僕の遠い記憶の中にも病院で、吸入器治療を受けたこと、瓶に入った甘い風邪薬を貰ったこと、色のついたマスクをかけた想い出がある。しかし、今のように大人から子供まで白いマスクをかけていた記憶がない。僕はこのテレビ番組をみなかったが、老妻の話では、韓国では黒いマスクが多く、これは戦前、日本の統治下であった時代の名残ではないかという。
今年は、空前絶後と言われる「スペイン風邪」(インフルエンザ)が大流行してから百年になる。(1918年ー19年)”メル友”に触発されて、ネットで調べたら。全世界で5億人が感染し、1億人が死亡したとある。当時の写真も残っており、大流行したシアトル(米国)では、マスクをかけないと公共交通機関に乗れなかった。よく見ると、出動した警官隊は全員白マスクをしていた。
敗戦の昭和20年の東京の冬は雪が多く、異常にに寒かったが、風邪を引いた記憶がない。物がなく、流行したらマスクどころではなっかたと思ったが、B-29の焼夷弾のほかは外国から遮断されていたのだ。閑をもてあます老人の好奇心からの閑話。