Nabucco: Part 1 (Muti, Dimitrova, Bruson)
・・・指揮者ムーティ登場は2分を過ぎたころです。
ミラノ・スカラでのオープニングでヴェルディ「ナブッコ」全曲動画があった・・・本日は序曲。
ヴェルディが祖国統一運動に没頭、この序曲や合唱の<行け、わが思いは黄金の翼にのりて>は、イタリアの国家的な大イヴェントとなった。
私がヴェルディの生家のある近くのレストランに食事に行くと、トラックの運転手が<わが思いは黄金の翼にのりて>を歌いだした。それはこの序曲の中にもその旋律が流れているが、イタリアの魂ともいうべきこのオペラでの名曲であった。
私はそのレストランの中にあったアップライトのピアノで伴奏を引き受けると、「次はシチリアの夕べの祈りを」と言って<おお、パレルモ>を歌う、さらに「アッティラ」とか日本ではマイナーであったヴェルディのオペラをどんどん歌ったのには驚いた。もちろん私には楽譜などなくて、以前聴いた旋律を覚えていて伴奏をつけたが・・・その人は音程がひどくて、しぼりだすように歌っていたが、いかにヴェルディを愛しているか、よくわかった。
そしてムーティ指揮の「ナブッコ」を見た。
私は偶然古レコード屋で見つけた、戦後まもないヴィットリオ・グイ指揮のひどい音質の海賊版レコードで聴いた「ナブッコ」が忘れられず、マリア・カラスがデビューまもない若い声で歌い、ベテランのジーノ・ベーキが完璧に英雄ナブッコを歌っていた・・・まさか、その後にベーキにレッスンを受けるとは、その時は思いもしなかったけれど。
ヴェルディのこの曲は、スカラでは特別の思いのあるオペラで、イタリア人たちの祖国統一を鼓舞してきた、イタリアそのもの、イタリアの魂であった。
憂国のファゴット奏者、やもめさまのご友人であるイタリア人ファゴット奏者、ズキャッティ氏がここにいらっしゃる。
来日した時、共演なさったそうだ。
スカラで、やもめさまもメンバーとして活躍し、さらにKENさまにナブッコを、というのは「ベッラの夢」である。