その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

ロンドン クリケット・ゲームデー

2009-05-08 07:08:38 | ロンドン日記 (日常)
 今日は9時過ぎに仕事を終え帰路に着きました。最近、夜に何もない時は、家近くのパブでビールを一杯飲んで帰るパターンになっているので、今日も自然と足が向かいます。

 入ってみると、何かいつもと違う雰囲気が流れてました。10時近くになると結構落ち着いた雰囲気なのですが、今日はなんかまだそわそわした感じで、立ってグループで話している人が結構います。

 いつものようにギネスビールを頼むと、何故か今日はプラスティックコップ。「えー、今日は何でプラスチックコップなの?」とバーテンのお姉さんに尋ねると、「今日はクリケットの日だから・・・」とのこと。近くにあるクリケット場で今日はクリケットの試合があったようです。暴れるお客さん対策だったんですね。

 そして、これもいつものように一人で立飲みしていると、紺のブレザーにスラックスという極めて身なりは清潔だが、一目で相当酔っているなと分かる人が話しかけてきました。

 会話の発端の質問はいきなり「おまえは人生楽しいか?」「お前に人生のストーリーはあるか?」です。う~ん、まずい人に捕まったかなあと思いつつも、「ストリーはあるけど人に話すようなものじゃないよ」などとかっこつけて応えてました。まあ、彼曰く「すべての人間の人生にはストーリーがある。これがおれのフィロソフィー(哲学)だ」とのことでした。

 まあ、酔っぱらいとの会話なので、この後も、取りとめもない話が続くんですが、彼は今日は10;00から19:00頃までクリケット場で観戦していたとのこと。「クリケットを見に行くのに、ネクタイとブレザーで行くの?」と尋ねたら、これが彼の琴線に触れたらしく、その後30分近く話つづけてくれました。

 つまり、そのネクタイは彼が所属しているクリケットのクラブの会員ネクタイであること、そのクラブというのは限られた人しか入れない、メンバーになるのに非常に価値のあるクラブということ、彼がメンバーになるのに20年かかったことのことなどで、まさにそこにはストーリーがありました。会員証を見せてくれた、その彼の表情は自慢というよりも、誇りという表現が近いです。

 クラブの歴史、伝統を語る際の彼の態度は、酔っ払いながらも真剣です。「こうした伝統、歴史は英国人にはとっても大切で尊重されるものなんだ」と熱く語ってくれました。
 
 結局、ギネス一杯20分の予定が3杯60分になりましたが、何か良く分からないけど非常に興味深い時間でした。パブはほんとに楽しいところです。
コメント (2)
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