その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

転職 in UK

2010-01-22 06:51:27 | ロンドン日記 (日常)
(写真はイメージです)

 とっても残念なことなのですが、ローカル社員の部下が転職することとなりました。
とっても優秀な人材だったので、是非、今後とも弊社で活躍して欲しかったのですが、本人の意思は固いもので翻意には至りませんでした。

 その彼と何回か話していて、モノの本とかでは良く言われることですが、欧米と日本の仕事やキャリアについての価値観の違いについて改めて実体験として感じさせられました。もちろん、今は日本でもキャリアや会社に対する意識というのは凄く変化しているのですが、比較的旧日本的な価値観の組織で働いていると、意外と実感として感じる機会は少ないのです。

 彼と話していて印象的だった発言をいくつかピックアップすると・・・

■「今の仕事は楽しく、やりがいもある。しかし、常にチャレンジが必要と思い決めた。長くその組織にい過ぎると、自分の市場価値が逆に落ちていく」

 10年近く弊社に貢献してくれましたし、責任や役職もそれなりにアップしてきたはずなのですが、社内ではなく社外の物差しで計ると、社内の昇進があっても、逆に長く会社にいること自体が自分のキャリアにとってリスクと考えるという発想は、私には無いものでした。


■「この決断は自分にとって、とっても難しかった。でも、キャリアは自分で作っていかなければならないから・・・」
 
 もちろん、過去に日本人の部下でこう言って転職した人はいるのですが、改めて会社主導のキャリア形成に身を任せてきた自分と、個人主導で切り開いていく彼との違いを感じました。決して、優劣の問題ではないですが・・・


■「将来はどこかの会社のCEO、COOをやりたいと思ってやっている。ここで同じやり方、見方に固まりたくない。」

この明確な目的意識もいいですね。振り返るとちょっと、自分が恥ずかしくなります。常に社外を見て、自分をポジショニングしているところが、勉強になります。


 辞められるほうは、正直、その後任探しやら、後任が見つかるまでのスムーズな引継ぎをどうするか、てんてこ舞いなのですが、ある程度、こうした社員の離職は常に折り込んだ上で、チーム運営を考えねばならぬというも欧米の会社の難しさですね。
コメント (2)
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