その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

スーツを仕立てる

2010-01-12 09:13:02 | ロンドン日記 (日常)
今日、お昼休みをはさんで、近くのスーツ屋さんが会社に出張販売に来ていて、オーダースーツの注文を受け付けていました。実は、ロンドンに来てからというもの、いくつか紳士服の店は覗いたのですが、なかなか自分の体に合うものが見つかりませんでした。私は安上がりに出来ていて、日本ではスーツも大抵既製服で間に合うのですが、こちらでは肩があっても丈が長すぎたり、丈であわせると肩が窮屈だったりで、身の丈のスーツを探すのが一苦労。丁度、もう一着ぐらいあっても良いかなと思ったので、思い切って頼んでみることにしました。

そのオーダーしていくプロセスがとても面白いものでした。まず、生地を選んだ後に、デザインを選びます。ボタンは2つか3つか、ダブルかシングルか、全体のシェイプ(絞り方とか)サイドベントかセンターベントか、そして裏地も選びます。続いて、襟の形、縫い方。袖のボタンの数。胸ポケットの形、あとポケットの上に付く小さいポケット(チケット・ポケットというらしいです)をつけるかつけないか、ズボンの形、タックをどうするか、ベルトをどうするか、ズボンのポケットの形、ズボン裾、ざっと覚えているだけでも、これだけのものを選ばなくてはいけません。そして、選んだ上で、採寸があり、全部で10箇所以上は優に計ったでしょうか?

最初は今までの自分のスーツを思い出し、その延長線上で一つ一つを選んでいたのですが、途中で気が変わり、せっかくスーツの発祥の地イギリスで初めてスーツを頼むのだから、どうせなら全て英国流で作ってもらおう!と方針転換。出張販売員の方から、一つ一つのアイテムについて、英国流はどう、どうと、聞いてそれにあわせて決めていきました。

その結果、全体にスリムな、サイドベント(彼曰くノーベントもありとか)、紺のピンストライプの、チケット・ポケット付きのスーツと相成りました。クラシック英国流はウエストベルトの通しがないらしいのですが、さすがにそこだけは英国流にする勇気はありませんでした。

いろいろ話していると面白いことが多く、今日着ていた自分のスーツも、「ちょっと丈が長いね」(「気をつけ」の姿勢で、両腕を伸ばして親指の第一関節ぐらいの長さが一般的とのことでした))とか、チケット・ポケットというのは汽車に乗った英国人が切符をどこにしまったかわからなくならないように、切符を入れる目的で作ったポケットだとか、いろんな小話が聞けました。

全部ハンドメイドとのこと。まず仮縫いで4-6週間、そして数週間の調整作業を経て最終の出来上がり。ちょっと、どんなのが出来てくるのか興味津々です。ちなみに、お値段の方は、びっくりするような値段で400ポンドしません。これは、お買い得なのか、それともよっぽど安い生地を使っているのかわかりませんが、それは仕上がってのお楽しみということで・・・
コメント (12)
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