※先々週に出かけたミュンヘン遠征の最終回です
3月28日 日曜日
朝、目が覚めたら08:07だった。この日は、ノイシュヴァンシュタイン城のグレイライン1日バスツアーに申し込んでいたのだが、集合時間は08:10。最近良くあるチョンボ。瞬間、もう諦めるしかないかと思ったが、チャレンジせずにツアー代金50ユーロを無駄にするのは情けないと思い直し、猛ダッシュ。そのまま、ズボンをはき、シャツと上着をひっかけ、荷物を押し込み、顔も洗わず、髭も剃らず、チェックアウト。時刻は08:15。それから大ダッシュで、集合場所へ。幸いホテルとツアー集合場所は目と鼻の先だったので、08:18到着。ぜエー、ぜエー、こんなに肺がハーハーなるのは、高校時代の1500メートル走以来だぜー。でも、なんとか間に合った。ホテルの朝飯は食いっぱくれたが、我ながら、起床後11分でここまでできるのはスゴイ。
でも、何だかんだで他の遅刻者がいて、バスが出発したのは08:40。なんだ、あんなに急ぐことかった。
まずは、リンダ-ホーフ宮殿へ向かう。天気は曇り時々雨で、もうひとつ。市内を出ると上部に雪を残す山々が近づき、山々と牧草地の田園風景が美しい。こういう山のある風景はイギリスではあまりない。
1時間半ほど乗って、リンダ-ホーフ宮殿へ。リンダ-ホーフ宮殿はルートヴィッヒ2世が建てたもので、ルイ15世のロココ様式を模して作られた宮殿である。こじんまりとしているが、庭や建物がとても美しい宮殿。中に入ると、びっくり。ほんとに豪華絢爛。音楽の間、寝室、ダイニングルーム、執務室等を見るが、黄金と鏡でどこもピカピカ。落ち着かないぐらい。ゴテゴテ。私の趣味ではないが、見ていて、圧倒されるので、それなりに面白い。残念だったのは、タンホイザー伝説にちなんで作られた洞窟が庭園の裏山にあるのだが、冬季ということで閉館。
続いて、オーバーアマガウという村へ。とても美しい村。バスツアーだと1時間立ち寄って、おしまいだけど、本当はゆっくり滞在するのが、こういうところは良いのだと思う。ここでは、10年に一度、村人が全員で参加してキリスト受難劇をやることで有名らしい。小さな村には立派過ぎる劇場があった。
続いて、本日のハイライトのノイシュヴァンシュタイン城へ。途中、街道沿いにある村々がとても美しいのが印象的。
ふもとで、遅めの昼食。日本から親子(母と娘)連れの旅行者と現在アイルランドで語学留学中の学生さんとの日本人計4名で一緒に頂いた。娘さんは、閉店したミュンヘンの三越に過去2年ほど働いていたことがあるということで、ミュンヘンの事情に詳しく、面白い話を伺った。日本人の留学生さんも、アイルランドへ留学するという目の付け所が面白かった。ゆっくりお話をしたかったが、分刻みで動くツアーなので、食事は30分ちょっとそこそこで切り上げ、早速、お目当てのノイシュヴァンシュタイン城へ。
ふもとからミニバスに乗って、上まで行く。そこから少し歩いて、お城のビュースポットであるつり橋へ。これは、見事な景観。すばらしい。お城のそのものの美しさもさることながら、周りの緑、背景となる田園、湖、村々に溶け込んだ風景がまさに絵になる。ドイツでもっとも美しい城と言われるのも納得。
それから10分ほど歩いてお城へ。歩きすがら感動したのは、途中に見える山々と湖の風景。この湖が、自分のイメージにあった、ローエングリーンで白鳥の騎士がでてくる湖そのものだった。あまりにも、そのイメージと重なっていて、すっかり見とれてしまった。遠くから眺めているだけだから、近くの様子は分からないけど、きっと、岸にによれば、静寂な波ひとつない湖が浮かんでくる。時間があれば、その湖のほとりまで足を伸ばしたい思いでいっぱいなのだったが、ツアーだとそうもいかず、そそくさとお城へ向かわなければいけないのが、何とも残念。
お城はお城で、すごい。有名な、ローエングリンやタンホイザーをモチーフにした壁画や洞窟の部屋があったり、ワーグナーの演奏会も開かれたという大広間など、これがつい150年前ぐらいの話というのが信じられない。ただ、ワーグナーとかの芸術家はこうした超大貴族の庇護の下で、思いのとおり活動できたのだから、まあ今のご時勢というのは、昔のような大芸術はもう生まれないのだろうなあと思った。日々の生活に心配してちゃ、あんな大芸術はだきるわけがない。
携帯端末による日本語ガイドにより一通り廻ったが、とっても楽しめた。ルードビッヒの狂気がひしひしと伝わってくる。ただ、イギリスでいくつか廻った城のような、戦や血のにおいがあんまりしない城ではある。景観、建物、内装を楽しむという城だと思った。(場内は撮影禁止なので写真はなし)
17:00頃、帰路に着き、18:45ミュンヘン中央駅前にて解散。22:00の飛行機でロンドンへ向かった。盛りだくさんで疲れたが、とっても満足な旅行であった。