ひまわり先生のちいさな玉手箱

著書「ひまわり先生の幸せの貯金箱〜子どもたち生まれてきてくれてありがとう」

絶望

2012年03月06日 | メッセージ

震災からもうすぐ一年です。

被災地から遠く離れた九州に住むクライアントさんの中にも
震災を特集する番組を見て、いろいろと感じ、それぞれの思いががあるようです。

『自分は、何も力になれない…』
『何か出来ないか…』
そんなことを耳にします。

あの日、津波から命からがら生き残った方が、
疲弊し絶望し自殺したと聞きました。
ショックでした。
今日も何か出来る支援は、ないかと考えています。

『死にいたる病 』という本があります。
ちくま学芸文庫出版
セーレン キルケゴール著

およそ600年前のデンマークの思想家キルケゴールは、
近代の思想に非常に強い影響を与えた人物です。

彼は、著書の中で

絶望とは、人間の精神のみがかかる「死にいたる病」であると、解きました。


また、ゲシュタルト療法の目指す原則について
クラウディオ・ナラジョーは、9つにまとめています。

①今に生きること、過去や未来でなく、現在に関心を持つこと。

②『ここ』に生きること、今、目の前に存在しているものだけを問題とし、
目の前に存在しないものは取り扱わないこと。

③想像することを止めて、現実を体験すること。

④不必要なことを考えないこと、むしろ、味わったり、見たりすること。

⑤他人を操作したり、裁いたりせず、また言い訳したり自己を正当化したりせず、
自分の気持ちを率直に表現すること。

⑥楽しいことと同様、不愉快なことや苦痛に対しても身をゆだね、それを経験すること。

⑦『…すべきだ』『…であるべきだ』という、自分以外の人から発せられる命令を受け入れないこと。
偶像崇拝をしてはならない。

⑧自分の行動、感情、思考については自分が全責任を負うこと。

⑨あるがままの自分を良しとし、それに徹すること。

9つの原則通りに出来ない時に自分を責めないようにすることも
皆さんに知っていただきたいです。

カウンセリングにいらっしゃるクライアントさんが
『希望が見えてきました』
と言って帰られる時は、
『死』から遠ざかると同時に
自分に責任を持ち始めたサインなんだなあ。

あの未曾有の災害から折角生き残った方々が
『絶望』しないよう
多くの人による支援が必要だと
一年経って、また思いを新たにしました。
コメント (2)
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