今日は午前中に鈴鹿医療科学大学白子キャンパス内にある、鈴鹿ロボケアセンターに会派すずか倶楽部として視察に行きました。
ご存知の方も多いと思いますが、こちらではサーバーダイン社の子会社としてHALを使った機能回復とリハビリに取り組んでいます。HALがあるのは、筑波にあるサイバーダインの直営施設と、子会社としてのロボケアセンターが鈴鹿、湘南と大分の3カ所に現在あるということです。
■サーバーダイン社 HAL下肢用
このHALですが、大学を中心に国内170施設で使われており福祉用として400台が稼働しているということです。うち鈴鹿にはロボケアセンターに5台、医療科学大学に2台があります。介護支援用は開発中とのことで、福島原発事故現場で放射線を遮蔽するための防護服と連携できないかということも研究されているということです。
福祉用についてですが、HALは医療行為として認められていないため、現在は健康保険に対応していないということです。ドイツなどではこのような機器が保険適用となっている場合もあり、そのため保険点数がつくように働きかけを行っているところだと言います。
ちなみに鈴鹿市では3級まで10回まで市からの補助対象になっています。しかし、他の自治体などでは保険対応でないため、ところによっては病院や老健施設で使用している場合は、その施設の持ち出しで行っている場合があるということでした。
■鈴鹿市の補助について(4月5日広報すずか)
HALの使用について、効果のある人は1回でも変化がみられるということです。現在鈴鹿のロボケアセンターでは、1日に平均4人が利用。多いときは8人程度。1回の取り組み時間は60分が目安ということです。昨年9月の開所以降、現在まで70人が利用、50人が補助を受けられていたということです。下肢に装着するのですが、脳こうそくなどで半身にまひがある場合、HALの使用によって上肢にも変化が見られる場合もあるということで、人の意志というものが大切だと感じました。
医療行為としては認められていないため、鈴鹿ロボケアセンターもハルのあるフィットネスクラブという位置づけになっているということです。以前は三重県の補助があったのですが現在は切れており、以前は7~8人いたトレーナーの方などが、現在は2人の体制になり、土日は閉所し平日のみ開所しているということでした。
このような事業について、鈴鹿市として国に保険適用を求める動きをしてよいのではないかと考えますし、また介護保険のメニューに入れることも考えられるのではないかと考えました。ただ、必ずしも介護度が下がることが必ずしもよくないという場合もあるということで、その点は難しいところがあると思います。
しかし一方で、このような機器を使い機能回復を行うことは、脳疾患などで比較的若い年齢で肢体になんらかの障害を持たれた方には有効ということです。そう考えると、介護度を下げて福祉の負担を軽減するという視点ではなく、障害を持たれた方の機能を回復しその方の人生の可能性を広げるという視点で取り組むことが、まちにとって意義のあることだと思います。
今後、鈴鹿医療科学大学白子キャンパスを中心にライフイノベーションの取り組みと連携させることを、鈴鹿市は真剣に考えるべきだと思います。