Kinema DENBEY since January 1. 2007

☆=☆☆☆☆☆
◎=☆☆☆☆
◇=☆☆☆
△=☆☆
▽=☆

着信アリ Final

2009年03月29日 17時07分22秒 | 邦画2006年

 ◇着信アリ Final (2006年 日本 105分)

 監督/麻生学 音楽/遠藤浩二

 出演/堀北真希 黒木メイサ 板尾創路 チャン・グンソク 小泉奈々 大島かれん 吉永毎莉奈

 

 ◇転送すれば死なない

 前作までとは繋がりのない内容で、船で行く修学旅行先の釜山とおぼしき所で惨劇が起こってゆくものの、イジメの復讐譚という非常に類型的な展開というか、もうこれでもかってくらいに時代の風俗を取り込むのに一所懸命な感じがして、あんまり好い気分はしない。

 要するに、昔からある「呪いの手紙」が、『リング』で「呪いのビデオ」になって、さらに「呪いの携帯」になってと、あれよと見る間に進化してきたものの通過地点のような作品だってことはまちがいない。

 ただな~なんというのか、堀北真希の演じる生徒を怨霊が乗っ取ることについて、なんの必然性もないところが、なによりもつらいかな。

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虹の女神 Rainbow Song

2008年06月30日 01時10分17秒 | 邦画2006年

 ◎虹の女神 Rainbow Song(2006年 日本 117分)

 監督/熊澤尚人 音楽/山下宏明

 出演/市原隼人 上野樹里 蒼井優 酒井若菜 小日向文世 相田翔子 田島令子 青木崇高 佐々木蔵之介

 

 ◎そうか、その手があったんだ!

 どうしてコダック娘なのに1014XLSじゃなくてZC1000なの?と思ってたら、してしてやられた。

 シングル8のカートリッジにコダクロームを巻き取れば使えるんだ。

 あ~悔し!

 とおもうくらい懐かしい映画だった。

 いったい、これは誰が考えたんだろ?

 原作脚本の桜井亜美か?

 共同脚本の齊藤美如か岩井俊二なんだろか?

 いや、そもそも、原作者の桜井亜美って人はどんな人なんだろ?

 なんにもわかんないけど、まあ、ロケ現場に成城大学を選んだって感じは、なんとなくわかるようなわからないような。カレッジ観が欲しかったんだろか?

 そうおもうことにしとこ。

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犬神家の一族(2006)

2008年06月10日 11時18分46秒 | 邦画2006年

 ◎犬神家の一族(2006年 日本 134分)

 監督/市川崑 音楽/谷川賢作 大野雄二

 出演/石坂浩二 松嶋菜々子 尾上菊之助 富司純子 加藤武 草笛光子 松坂慶子 深田恭子 仲代達矢

 

 ◎追悼市川崑その10

 哀しすぎる作品だ。

 鮮烈なカット割は影を潜めて、30年前と同じ脚本ながら、老いて呼吸が深くなるとカット割まで間延びする。

 金田一が一礼して山の彼方へ去る時は、

「ああ、市川崑は死んだんだなあ」

 とおもわず涙が溢れてきた。

 作るべきではなかった。

 他にあっただろう。

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花田少年史 幽霊と秘密のトンネル

2008年04月29日 10時33分31秒 | 邦画2006年

 ◇花田少年史 幽霊と秘密のトンネル(2006年 日本 123分)

 監督/水田伸生 音楽/岩代太郎

 出演/須賀健太 安藤希 篠原涼子 西村雅彦 北村一輝 杉本哲太 もたいまさこ 濱田マリ

 

 ◇一色まこと『花田少年史』

 トンネルに幽霊はつきもの?

 黒澤明の『夢』でもあったし、たいがい都市伝説をひっぱりだすと、トンネルは出てくる。まあ、実際、霊界とをつなぐのが隧道ってのはなんとなくわからないでもない。神話の時代から地の国との往来には地下道が不可欠だし、小野篁だって井戸を通っていったんだもんね。

 ま、そんなことはさておき、安藤希がいいわ~。あとの役者は、おしなべて手堅く固めた感じがするよ。

 物語の展開は、少し湿り気を帯び過ぎた感があるのと、現実離れした世界なのにリアルさをひきずっている不安定さが、なんだか気になっちゃったかな~。

 あと、これはぼくの感覚だからどうしようもないんだけど、生理的に、厠は画面で見たくないなぁ。

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アンフェア the movie

2008年04月17日 12時41分01秒 | 邦画2006年

 ◇アンフェア the movie(2006年 日本 112分)

 監督/小林義則 音楽/住友紀人

 出演/篠原涼子 椎名桔平 成宮寛貴 阿部サダヲ 濱田マリ 加藤雅也 大杉漣 寺島進 江口洋介

 

 ◇秦建日子『推理小説』

 どうもこの頃の邦画はテレビ局の主導みたいな観がありありで、いったいどうなっちゃってんだよ~ていいたくなっちゃうんだけど、たいがい、連続ドラマの方がおもしろい。

 でもって、そのドラマの世界を愉しんでいたのに、なんか図体ばかりが大きくなって、多くの場合、どの映画もゲストで登場する顔ぶれはおんなじかそれに近い。

 このキャスティングもなんだかな~とはおもうんだけど、なんにしても、映画だからか、肩に力が入リ過ぎな気がするんだよね。

 身近な人間の裏切りもさすがに飽きてくるけど、ただ、

「人は人を何処まで信じられるか」

 というTV以来の底を流れる主題は、なんとか見て取れた。

 それにしても、この頃の邦画は「占拠物」が多すぎじゃないかな?

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UDON

2008年04月02日 11時09分12秒 | 邦画2006年

 △UDON(2006年 日本 134分)

 監督/本広克行 音楽/渡辺俊幸

 出演/ユースケ・サンタマリア 小西真奈美 トータス松本 要潤 小日向文世 鈴木京香 江守徹

 

 △うどん県物語

 香川県は自治体が下水道を作れないため、茹で汁を河川に流す製麺所に浄化槽の設置を強く要請するとかいう、さぬきうどんが危急存亡の事態に追い込まれたとかいうニュースがあった。

 となったら饂飩文化を守る良い方法を考えなくちゃならないし、まあ、香川県も「うどん県」を名乗ったわけだし、もう、決着はついてるんだろね。

 方言なき地方映画ってのが、どうもよくわからない。

 現代の御伽話と考えればいいんだろうけど、後半に向かうにつれ、ちょっとずつ視点がずれていっちゃってるような気がするし、いたずらにうどんがエンターテイメント化されてて、どうもしっくりこなかった気がしないでもない。

 もうすこし饂飩文化に正面からぶちあたった方が、ぼくとしては好みなんだけど、ま、そんなことはどうでもいいか。

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東京フレンズ The Movie

2007年09月14日 13時30分56秒 | 邦画2006年

 △東京フレンズ The Movie(2006年 日本 115分)

 監督/永山耕三 脚本/衛藤凛

 撮影/猪本雅三 美術/磯見俊裕 音楽/Sin

 歌/大塚愛『ユメクイ』『tears』『フレンズ』『Mackerel's canned food』

 出演/大塚愛 松本莉緒 真木よう子 小林麻央 瑛太 佐々木蔵之介 佐藤隆太

 

 △サバイバルカンパニー通称サバカン

 若手の役者たちがなんかぞろっと出演してるんだ~ていう印象はある。

 ただまあ『夢の蔵』っていう居酒屋で働いてバンドや役者でデビューする青春群像ってのはわかるんだけど、観ようによっては我儘かつ配慮足らずのヒロインがNYまで行く理由がなんだか稀薄な感じがして、残された者もふくめて、まわりの連中がまじかってくらいに善人すぎる世界を小気味いいと感じるのか、気味が悪いと感じるのかはさまざまだろうし、青春ドラマっていうのは、いろんな意見があっていい。

 で、ふとおもったんだけど、その年代ごとに青春ドラマってのはあって、時代を下るにつれて社会から乖離しているんじゃないかって気もする。社会ってのは、単なる巷ってだけじゃなくて、政治とか家族とか郷土とか、もちろん、社会の抱える問題もふくまれる。

 自分たちだけの世界っていうか、個人的な空間っていうか、そういうものだけを見つめていられて、個々人の夢だけを追える時代は、おそらく幸せな時代のひとつといっていいんじゃないかしら?

 昔の青春ドラマは、その古臭さはあるものの、地に足がつきすぎてて、いいかえれば現実味がありすぎて、観ていて辛いところもあったから、それなりの問題提起があった。

 かといって、現代の青春ドラマにそれがないかといえば、もちろん、そうじゃないとはおもうんだけどね。

 ま、時代だな~。

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バタフライ・エフェクト2

2007年08月08日 00時51分09秒 | 邦画2006年

 ◇バタフライ・エフェクト2(The Butterfly Effect 2)

 

 近未来的なトイレの中の濡れ場のほかには観るところがないかも。

 1が仲間の人生や父の名誉や自己の飛んだ記憶と行為の謎を追うという理由づけがあったのに、この2は出世と恋愛の為に安易に写真でリプレイに走り、伏線の妊娠だけが佳境の鍵になってるだけってのはちょっと哀しい。

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地下鉄に乗って

2007年05月03日 23時24分26秒 | 邦画2006年

 △地下鉄に乗って(2006年 日本 124分)

 監督/篠原哲雄 音楽/小林武史

 出演/岡本綾 堤真一 大沢たかお 常盤貴子 笹野高史 田中冺 吉行和子

 

 △昭和ノスタルジー

 嫌いな世界ではない。昭和の事物にふれてノスタルジーにひたるのも好きだし、タイムスリップも好きだ。

 でも、困ったな、この物語は。芯のない綿菓子みたいな印象を受けた。

 岡本綾は上手だったけど、ほかの印象はまるでない。あ、大沢たかおのりきみすぎな演技は印象ありすぎだけど。ただ、不倫相手を消してしまって日常に戻っていくとかってありなんだろうか。岡本綾の自我はどうなっちゃうんだろう。都合がよすぎないか。

 原作を読んでないからなんともいえないけど、いくらなんでも、これだけご都合主義とひとりよがりのめだつ自己陶酔かつ自己中心的な物語は知らないな。

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デスノート the Last name

2007年04月03日 11時53分10秒 | 邦画2006年

 ◇デスノート the Last name(2006年 日本 126分)

 監督/金子修介 音楽/川井憲次

 出演/藤原竜也 松山ケンイチ 瀬戸朝香 香椎由宇 満島ひかり 戸田恵梨香

 

 ◇大場つぐみ・小畑健『DEATH NOTE』

 いくらなんでも、監禁を警察が肯定し、しかも、男は拘禁服で女は引き裂かれたキャミという差はありなんだろかと。

 色調が日活ぽいから余計にそう感じるのかもしれないんだけど、いよいよ漫画チックになってしまってる分、リアルさが薄れてるような気がするんだけど…と書いたとき、リアルっていう言葉自体がそもそもおかしいか?とおもった。でもまあ、ここでいうリアルは、この映画の世界においての話なんで。

 原作についてはまるでわからないのでなんともいえないんだけど、

「もしかしたら、前篇だけにしといた方が良かったんじゃないか?」

 とおもっちゃうのは、ぼくだけなんだろうか?

 もともと制作が決定したときから前後篇の扱いだったらしいんだけど、なんでそんなことを決めたのかよくわからない。

 ただ、制作委員会の要になるテレビ局によって、漫画原作への比重については差があるみたいだけど、ぼくは、漫画を実写化することにはちょっと抵抗がある。どうしたところで漫画とは異なる世界が出来てしまうし、まあ、タレントのファンにしてみればそれでもいいかもしれないけど、アニメにしておいて声優としてタレントを使うってだけじゃダメなんだろか?

 漫画は読者っていうか、部数が、小説とかと違って圧倒的だ。その分、読者には思い入れが強いだろうし、原作の世界観とまではいかないにせよ、すこしでも内容を変えてしまうことにかなりの抵抗感があるだろう。そういうことをおもえば、アニメの方が無難な気がしないでもない。

 あ、いかん。

 こんなことを書いてると、

「文句いうくらいなら観るんじゃねーよ」

 っていわれそうだけど、文句じゃないんだよな~。

 心配しとるんです、ぼくなりに。

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DEATH NOTE デスノート

2007年04月02日 11時49分49秒 | 邦画2006年

 ◎DEATH NOTE デスノート(2006年 日本 126分)

 監督/金子修介 音楽/川井憲次

 出演/藤原竜也 松山ケンイチ 瀬戸朝香 香椎由宇 満島ひかり 戸田恵梨香

 

 ◎大場つぐみ・小畑健『DEATH NOTE』

 期待してなかった分、意外に面白かったってのが偽らざるところだ。

 漫画を原作にしたら、金子修介の右に出るものはいないんじゃね?というくらい上手な展開だったんじゃないかしら。けど、たぶん、そういうふうに感じた観客は少なかったんじゃないだろか。

 成功の要因のひとつは、CGにあるとおもうんだけど、金子さんの映画は特殊撮影が妙に嵌まる。役者も皆いい感じに嵌ってたって気がするけど、これもちがうのかな?

 なんで、こんなに消極的な意見をいうかというと、原作を読んでいないからだ。いや、単行本は開いた。開いてみたといった方が正しい。でも、昭和時代の漫画しか受け付けないぼくには、よくわからない。

 このところ、映画やテレビの漫画の原作はみんなそうで、たぶん、シーラカンスみたいな昭和の男には入り辛いものがあるんだろう。だから、原作をよく読んでたり、原作が大好きだとかいう観客は、たぶん、いろんな不満があるんだろうけど、ぼくには、そういう不満はいっさいない。

 ない分、まっさらの状態で映画を観ることができる。これは他の漫画原作の映画には共通したものなんだろうね、たぶん。

 でも、漫画がヒットしてるから映画にしようと映画会社が考えるのはいいけど、ほんとのところをいえば、ヒットしてるしてないは別にして、制作する側が「おれは、売れてるとか売れてないとか、どうでもいいんだ。この漫画を、おれの手で映画にしたいだけなんだ」という純粋な心で作ってほしいんだよな~。

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LIMIT OF LOVE 海猿

2007年03月30日 13時05分43秒 | 邦画2006年

 ◇LIMIT OF LOVE 海猿(2006年 日本 117分)

 監督/羽住英一郎 音楽/佐藤直紀

 出演/伊藤英明 加藤あい 佐藤隆太 大塚寧々 石黒賢 時任三郎 青木崇高

 

 ◇ここまでクサければOK

 本物のフェリーでのロケとCGによる傾斜から沈没にいたるまで、いやいや、けっこう見せてくれたっていうか、がんばった絵作りだったような気がするんだけど、どうなんだろ?

 たしかに、傾斜しているはずのフェリーの内部で、煙突を上るときとかやけに水平に保たれてたり、あれれ~とおもっちゃうところもあるにはあるし、プロポーズの場面とか、こっちが気恥しくなっちゃうくらいリアルさに欠けてはいるけど、まあ、こんな感じでいいんだよねっていっちゃうのは、なんでなんだろ?

 ようわからん。

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地下鉄(メトロ)に乗って

2007年03月03日 02時01分02秒 | 邦画2006年

 △地下鉄(メトロ)に乗って(2006年 日本 121分)

 監督/篠原哲雄 音楽/小林武史

 出演/堤真一 岡本綾 大沢たかお 常盤貴子 笹野高史 田中泯 吉行和子

 

 △時をかける愛人

 観ていて、ぽつりぽつりと浮かんできたのは、現在が何年なのか制定が曖昧に感じられるため、たぶん平成5年くらいだとおもうんだけど、登場人物の年齢設定になんか説明しがたい違和感のあるのがひとつ。

 オープンを作ったのは褒めるけど、ほかのセットはその分予算がなかったのかしらっておもえちゃうのがひとつ。

 人物の反応とか、劇中のリアルさに欠ける感じのするのがひとつ。

 大沢たかおのひとり舞台っていうか、ちょっと頑張り過ぎなのがひとつ。

 主題歌は不要なんじゃないのってのがひとつ。

 あらま、なんか沢山でてきちゃったけど、困ったな~。なにもケチをつけてるわけじゃないので、勘弁してくださいな、プロデューサーさん。

 でもね、主人公が不倫してるのは全然かまわないんだけど、その不倫相手が、お腹の子(自分)を流産させて自分の存在を殺すっていうのは、どうかっておもうんだよね。

 まあ、それだけじゃなくて、なんだか登場人物たちの都合のいいように、話が作られてるって感じが濃くて、なんでこんな展開にしちゃったんだろうって、ずっと首を傾げてた。

 もしかしたら、脚本を作るときに船頭が多過ぎたんじゃない?

 ま、原作を読んでないので、勝手なことをいってるけど。

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バルトの楽園

2007年01月01日 13時20分35秒 | 邦画2006年

 △バルトの楽園(2006年 日本 134分)

 監督/出目昌伸 音楽/池辺晋一郎

 出演/松平健 ブルーノ・ガンツ 阿部寛 國村隼 市原悦子 勝野洋 大杉漣 高島礼子

 

 △関連小説の話

 この映画が撮影されるちょっと前、

『奇蹟の村の奇蹟の響き』

 という小説が、月刊誌『歴史街道』に連載された。

 主人公はこの映画で松平健の演じた松江豊寿を収容所に送り迎えした俥引きで、岩下松五郎という。教養がなく、暴れることしかできないような男なんだけど、この一介の俥引きの人生を追うことで、俘虜収容所のあらましと、ベートーベンの第九が日本で初めて演奏されたあらましが見えてくる。長くなるので、くわしくは、ここにある。

「徳島エンゲル楽団のブログ」

http://ameblo.jp/engel-tokushima/entry-10893986886.html

 あるいは、

「徳島エンゲル楽団のホームページ」

http://engeltokushima.jimdo.com/%E9%96%A2%E9%80%A3%E6%83%85%E5%A0%B1/%E9%96%A2%E9%80%A3%E6%9B%B8%E7%B1%8D%E3%81%AE%E7%B4%B9%E4%BB%8B-%E7%B7%A8%E9%9B%86%E4%B8%AD/

 にある。

 で、映画の話だけど、オープンセットがなかなかの出来栄えだった。もともと坂東俘虜収容所が置かれた徳島県の坂東に作られたんだけど、現在では「阿波大正浪漫 バルトの庭」っていうテーマパークになってるらしい。近くには、鳴門市ドイツ館が置かれていて、いまでも、当時の俘虜たちがどんなふうに生活してたのか見せてもらえる。

 映画にも出てきたけど、ぼくが気をひかれるのは、國村隼の演じた高木繁っていう将校さんだ。副所長だったような気がするけど、この人がいたことで、ドイツ俘虜はずいぶんと慰められたらしい。高木さんは不幸にも満洲からシベリアに送られたらしいけど、そのあたりのことは『奇蹟の村の奇蹟の響き』にも出てる。

 おもうんだけど、小説にしても映画にしても、物語になったとき、架空の主人公を置いて、それを狂言回しにすることで、意外に実際にあった出来事を客観的に観ることができる。

 これまでにいろんな歴史小説や歴史映画が出来たけど、洋画の場合は、そういう狂言回しをうまく置いて話をつくってることが少なくない。小説や映画はあくまでも物語で、もしも事実を知りたければ、当時の公文書や日記を読まないかぎり、むつかしいんじゃないだろか?

 とかって、そんなに本を読まないぼくがいっても、説得力はないけどね。

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