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☆=☆☆☆☆☆
◎=☆☆☆☆
◇=☆☆☆
△=☆☆
▽=☆

胸騒ぎのシチリア

2022年06月03日 01時40分40秒 | 洋画2015年

 ◇胸騒ぎのシチリア(A Bigger Splash)

 

 ルカ・グァダニーノがティルダ・スウィントンを起用して映画を撮りたいっていう気持ちだけは伝わってくるんだけど、目頭と瞼の線と目尻を結んだだけのアイラインはいくらなんでもどうかとおもうぞ。それにしても、声帯を傷めたからその治療にバカンスに来てるってのはどうよ、声出しちゃうだろうに。入院してろっておもわないかな。

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ある天文学者の恋文

2022年06月01日 00時34分50秒 | 洋画2015年

 ☆ある天文学者の恋文(Correspondence)

 

 なんてまあ、男ってのは身勝手なんだろうね。いや、自己陶酔っていうか、とにかく、ジョゼッペ・トルナトーレって監督は、どうも映画は夢想なんだっておもってる感じがある。わかるんだけどさ。でも、天文学者がいて、それもジェレミー・アイアンズなんていうふしだらさを絵に描いた中年の星なんだから、死んだってまだまだ不倫は続けるっていう鞏固な意志の持ち主で、案の定、教え子に手を出してもう身も心も蕩かしちゃってる。それがオルガ・キュリレンコなんだから、こりゃもう世界中の男を敵に回したようなもんだ。で、死んでもなお、オルガ・キュリレンコはジェレミー・アイアンズの影だけを求めて、エンニオ・モリコーネのチョー甘ったるい音楽をまとわりつかせながら、湖畔の別荘に誘われていっちゃうって物語だ。もちろん、うまい。公園で甘えてくる犬にも、窓に貼り付く枯れ葉にも、列車の窓に寄ってくる鷹にも演技させてる。めっぽう、うまいさ。それに、いや、わかる。わかるよ。自分が死んだら星になって、それも超新星になって、大爆発したその光は星が無くなっちゃっても地球に注ぎ続けるんだよ、ほら、君のことをおもってる僕みたいだろ?っていう物語で、ジョゼッペ・トルナトーレはもうこの自己陶酔に嵌まり切って、背徳大好きの女の子だったらきっといつまでも自分のことだけをおもって思い出と涙の中で生涯をおくってくれるんだろうって、そういう期待と確信にあふれてこの映画を撮ったんだろうけど、いやいやいや、現実はもっと渇いてるんだよ。

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ヒトラー暗殺、13分の誤算

2022年05月10日 01時21分30秒 | 洋画2015年

 ◎ヒトラー暗殺、13分の誤算(Elser)

 

 クリスティアン・フリーデルはおもいつめた家具職人の役がよく似合ってる。こういう純朴ながらも切羽詰まった連中がヒトラーの暗殺に手をつっこみ、そういう悲劇が何十回も繰り返されたんだろうけど、その中でもこの実話がとりあげられたのは、ぎりぎりのところまで成功していたのに天候が霧というだけで失敗に終わってしまったことと、クリスティアン・フリーデル演じるゲオルク・エルザーがダッハウ強制収容所で終戦直前まで生きていたってことみたいだけど、なるほど。

 ちなみに恋に落ちる人妻カタリーナ・シュトラーは薄幸そうながらも知的っていう印象でよろしい。

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ヒトラーの忘れもの

2022年04月25日 18時03分06秒 | 洋画2015年

 ◎ヒトラーの忘れもの(Under sandet)

 

 物語は単調なんだけど、ナチスドイツの残した浜辺の地雷を捕虜にした少年兵たちに除去させるというのは、その復讐心はわかるにしてもやはり非人道的だ。というより戦争捕虜に強制労働をさせるのは明らかなジュネーブ条約に違反している。かれらが担当した地域の地雷は45000個におよび、それをたった14人の初年兵のような若者に撤去させるのは不可能に近く、最終的には4名にまで減っていくんだから、これは明らかな処刑といっていい。で、そうした若年兵の捕虜を統括するデンマーク軍の軍曹ローランド・ムーラーの視点で描かれるわけだけれども、けっこう、感動作になってる。ただ、これをデンマークが製作しているのがいいね。贖罪ってわけでもないだろうけど、好ましい。

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ヴィジット

2022年04月09日 13時44分31秒 | 洋画2015年

 ◇ヴィジット(The Visit)

 

 M・ナイト・シャラマンは新作を撮るたびに確実につまらなくなってるんじゃないかっておもえちゃうのは僕だけなんだろうか?

 この姉オリビア・デヨングと弟エド・オクセンボールドの撮影してるとされる画面だけで構成されてるってのは、たしかにすごい。すごいんだけど、それは自主制作映画的な感動だけで、あとはひたすらつまんない。

 おばあちゃんディアナ・デュナガンの、気が狂ったような(実はほんとにそうだったんだけど)縁の下の鬼ごっこや、真夜中に真っ裸で爪をとぐところや、ネグリジェで這い回ったりするところは、いやいやまじかよってくらいな面白さはある。

 けど、このあたりすべて足しても93分あるこの映画の中の1分間くらいでしかない

 あとはひたすらつまんないな~っていう時間が過ぎていく。痴呆が始まって『暗闇さん』とお友達になってる祖父母の家に泊まりにきた孫たちの妙にうまいホームムービーを観させられてるだけだ。トイレのレバーを素手でさわったら菌がついてもう取れないと騒ぐ弟の気持ちだけはよくわかるし、最後にはもうバイキンのかたまりのようなモノで顔をおおわれて狂乱状態になることで解消されるっていうオチはつくけど、まあそのあたりも夏休みの体験談だ。

 ただ、隠し撮りのカメラを見つけたときのばあちゃんはさすがに怖かった。そう、実はこのあたりから、ちょっとおもしろくなってくる。ナイト・シャラマンお得意の展開なんだけど、でも、精神病院から脱走した老夫婦みたいな男女が、おじいちゃんとおばあちゃんを殺して地下室の長持にぶちこんで成りすましてたところへ孫たちがやってきちゃったんじゃないかって陳腐な想像をしてたら、まじか……って。まいったな~。

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アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男

2022年03月31日 23時42分22秒 | 洋画2015年

 ◎アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男(Der Staat gegen Fritz Bauer)

 

 おもしろかった。

 ドイツがナチスを題材にした映画を撮るのは、どうしてなんだろう?

 いや、ドイツにかぎらず、ヨーロッパでもアメリカでもナチスやヒットラーを主題に持ってくる映画は少なくない。この理由は贖罪だの犠牲だの糾弾だの反省だの憎悪だのとほんとうにいろいろあるけれども、ヒットラーやゲッペルスのほかにもここで追い詰められていくアドルフ・アイヒマンもそのひとりだ。

 けど、この映画はアイヒマンが潜伏しているアルゼンチン・ブエノスアイレスにはさほどの尺を取っていない。

 ほとんどがフランクフルト、そしてイスラエルの砂漠地帯だ。それも検事長のフリッツ・バウアーの懊悩と捜査に費やされる。だから、バウアーを演じたブルクハルト・クラウスナーとその部下カール・アンガーマンを演じたロナルト・ツェアフェルトのやりとりを見ていくことになるんだけど、このふたりはゲイという共通項を持っている。

 バウアーは終戦まで亡命していた先で同性への淫行で捕まっているし、アンガーマンもまた西ドイツの中枢で生き残っているナチスの残党によって同性愛の暴落という脅迫に見舞われる。なるほど、戦後まもない頃っていうのは、ゲイであることに負い目を持ち、脅迫の種になり、出世や生活にも重く圧し掛かってきてたのねと、あらためておもわされたわ。

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ブレイン・ゲーム

2022年03月30日 23時31分07秒 | 洋画2015年

 ◎ブレイン・ゲーム(Solace)

 

 アンソニー・ホプキンスが一枚看板で製作総指揮にクレジットされてる。ちから入ってるな。

 最初は、なんか、FBI捜査官のジェフリー・ディーン・モーガンがやけに好い人間で、部下アビー・コーニッシュも含めて最強のチームだとかいいだして、これじゃいくらアンソニー・ホプキンスが予知能力とテレパシーに長けた超能力者っていう設定でも『羊たちの沈黙』には到底かなわないな~っておもってたら、アメリカの藤枝梅安こと連続慈悲殺人犯の超能力者コリン・ファレルが登場してきたことで、だんだん面白くなってきた。

 なるほど、不治の病で死ななければならない運命に追い込まれて、死にたいくらいの痛みと苦しみを味わってしまうことになる市民を超能力で見つけてしまったコリン・ファレルとしては病気を発するより前に延髄を突き刺すことで一瞬の苦しみすらなく他界させてやるのは慈悲でしかないと断言するのはわからないでもないし、娘オータム・ダイアルが白血病で苦しんで死んだことがジャニン・ターナーと別居する原因になったわけだし、なるほど、これはなかなかむつかしい物語だな。

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ワイルドカード

2022年03月21日 18時38分52秒 | 洋画2015年

 ▽ワイルドカード(Wild Card)

 

 単なるラスベガスの用心棒の話で、とんだワイルドカードをひいちまったぜ、ていうだけの殴り合い足抜け映画だったわ。くそ、とんだワイルドカード映画をみちまったぜ。これがかつてのバート・レイノルズとカレン・ヤングの出てた映画のリメイクだってんだから、ますますびっくりだ。

 ジェイソン・ステイサム、こんな映画に出てて大丈夫か?

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ボーダーライン

2022年02月25日 23時29分29秒 | 洋画2015年

 ◇ボーダーライン(Sicario)

 

 そうか、真上からの俯瞰は衛星監視カメラの象徴なのか。監視カメラが銀行もそうだが象徴的に使われとるわけね。佳境の国境トンネル破壊の戦いでのサーマルカメラや暗視スコープもそうだし。

 でも、そんなことより、ドゥニ・ヴィルヌーヴの残忍性は見られるんだけど、なんだかまとまりがなくて、期待はずれな感はいなめない。これが『灼熱の魂』や『プリズナーズ』を撮った監督なんだろうかって感じだ。せっかくのエミリー・ブラントもなんだかな~。

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マッドマックス 怒りのデス・ロード

2022年02月09日 16時28分04秒 | 洋画2015年

 ◎マッドマックス 怒りのデス・ロード

 

 ちから、入ったわ~。

 前半というより前編、フェード・アウトするまで「砦」から「緑の地」を求めて逃げるってだけの話で、この追撃戦の迫力といってらない。

 独裁者ヒュー・キース・バーンの愛人5人をつれて脱走するのがかつてさらわれてきたシャーリーズ・セロンなんだけど、いや、ほんと、彼女は凄いね。色気からいえば、女優というよりモデルの愛人5人の方が遙かにあるんだけど、いや、演技はもちろん、貫禄といい、知的さといい、申し分ないところへ、なんといっても運動神経の凄さといったらない。ただ、なんといっても凄いなっておもうところは、登場したときの隈塗りもさることながら、丸坊主にして左手はターミネーターみたいな義手にしてて、義手が外れたら片腕でも戦うっていう根性だ。邦画で、彼女に匹敵するのは誰なんだろう?

 ジョージ・ミラーはもはや『マッドマックス』のシリーズを撮るために監督稼業を続けてるような感じだけど、まあどうだろう、2作目あたりから英雄譚に傾斜していくんだよね。でも、それは『サンダードーム』で完結したんじゃないかっておもってたら、なんとまあ、ここではマックスは脇役だな。トム・ハーディは上手に役をこなしてて、佳境、環境汚染で失われた「緑の地」から「砦」へ引き返し、奴隷の解放と理想の国づくりに入るのは、シャーリーズ・セロンなんだよね。物語としてはそうなっていくよりほかになくて、マックスは単なる通りすがりの用心棒でしかないわけで、だから、最後も「あばよ」って感じで去らないといけない。マックスの内面はもう語られちゃってるから、こうなるよりほかになんだろうなあ。

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エクス・マキナ

2021年12月23日 01時09分15秒 | 洋画2015年

 ☆エクス・マキナ

 

 どきどきするわ~。

 退屈さはまるでなく、緊張感が継続してる。

 アリシア・ヴィキャンデル演じる機械仕掛けのエヴァの色気は凄いな。チューリング・テストのとき、停電中だけ真実のやりとりが為されるってのが味噌だけど、監視カメラが回ってるときに口をすべらせないか心配になる。してやられたとおもったら、透けて見えてた機械が服とカツラで隠されたとき、これはもはや人間以外のなにものでもない存在になってるっていう展開はすごい。しかしなるほど、AIが意志を持ってしまえば『愛しているフリ』をして純情男なんざ利用したら置いてきぼりにすればいいっていう無関心さこそが、テストが成功したってことなんだよね。

 台詞はいっさいなかったけど、存在感がたっぷりあったのはソノヤ・ミズノで、スタイルもいいし、エキゾチックだし、いやまじ、ええ感じに控え目な演技だった。

 いずれにせよ、スウェーデンのロケセットになってるホテルも現実感のない舞台設定にはちょうどよく、まったくあつらえたような作りだったし、たしかにロボットが意思をもって生みの親に叛乱するってのは使い古された内容なんだけど、おもしろかったわ~。

 アレックス・ガーランド、なかなかの演出じゃん。

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サークル

2021年10月22日 00時42分04秒 | 洋画2015年

 ◇サークル

 
 ワンセット物だけど、よく練られてる。
 
 排除っていうのか、抹殺っていうのか、なんともいえないけれど、要するに権高くわがままな意見を押し通そうとする人間が嫌われて排除されていくっていうのは社会の構図によく似てる。助かるためにならどんな嘘でも振りでもしようとするのは、社会がそうなっているからだ。
 
 つまり、この映画は社会そのものの象徴を真ん丸の空間で表していて、そこからはみ出しかける人間から排除されていくんだけど、そこに居る理由もなければ排除された後ていうか殺された後どこでどう始末されるのかもわからない。でも、人間の人生ってそんなものなのかもしれないね。
 
 人は、なんで生まれてきたのかもわからないし、死んだ後どうなるのかもわからない。結局、過去にどんな記憶や経歴があったところで、サークルの中に立たされてしまえば対等になってしまうわけで、最後のあがきにいろいろと知恵や反射を働かせようとするんだけど、そんなことはおかまいなしに他人や何者かによって最期を支配されてしまう。
 
 なんだか胸苦しい話だったなあ。
 
 このアーロン・ハイっていう監督はこういう癖のつよい映画を撮ってるんだろうか?
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選挙の勝ち方教えます

2021年10月01日 16時51分00秒 | 洋画2015年
◇選挙の勝ち方教えます




原題は『看板は危機』ってなことなんだろうけど、それじゃわからないし、格好もつかない。看板ってのは僕の勝手な訳で、選挙の標語みたいなもんで、brandってのが原題だ。

で、佳境、サンドラ・ブロックの勝たせたジョアキム・デ・アルメイダが約束した国民投票の履行なんざどうでもいいってことになり、さあどうするってのがクライマックスなんだけど、これは伏線があって、サンドラ・ブロックは、デ・アルメイダに憧れる青年に、いつも名言を引用するのは知ってるがあなたの言葉はなんなんだ?と訊かれてとまどう。この回答が、選挙商売との訣別につながり、デモへの参加にもつながり、自分の本心を訊いてきた青年との邂逅と和解になっていくっていうわけだけど、このあたりは上手な筋立てが作ってある。

まあ邦題も売り方もまるで見当ちがいとしかいえないし、そもそも、大統領選の軟弱な売り方が見当ちがいだといいだして危機を売り物にしようとして勝ちに結びつけていくサンドラ・ブロックの物語なのに、その映画の売り方がなんか違ってるんじゃないかってのは、なんだかね~。
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ラン・オールナイト

2021年08月24日 13時33分37秒 | 洋画2015年

 ◇ランオールナイト

 

 走り出すまでが、だらだらと長い。

 リーアム・ニーソンは、ほんと、元殺し屋っていう設定が多いなあ。

 とはいえ、自分を軽蔑する息子が殺しを目撃したために犯人に命を狙われ、それを助けるために殺した犯人が自分の親友にして元ボスにしてたったひとりの理解者エド・ハリスの息子だったもんだから、警察もふくめて町中すべてに親御ともども狙われるという設定は初めてだったわ。

 それにしても小さくなったな、ニック・ノルティ。エド・ハリスも皺が深くなったし、老いるというのはこういうことか。ニーソンだけが小さくならないのか、それともまだ若いのかはわからないけど。

 ま、それはさておき、ジャウム・コレット=セラだ。リーアム・ニーソンのサスペンスは演出しやすいのか、それとも肌が合ってるのか、飛行機だの、列車だの、小さな町だのと限定された空間で凝縮された時間を設定した活劇が好きなのかしら?

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ミルカ

2019年11月27日 00時26分06秒 | 洋画2015年

 ☆ミルカ(2015年 インド 189分)

 原題/Bhaag Milkha Bhaag

 監督/ラケーシュ・オーム プラカーシュ・メーラ 音楽/シャンカル=イフサーン=ロイ

 出演/ソーナム・カプール ディヴィヤ・ダッタ ヒカル・イトウ ファルハーン・アクタル

 

 ☆ミルカ・シンの娘ソニア・サンワルカの自伝『The Race of My Life』より

 撮影技術の高さにびっくりした。

 最初のコーチがミルカの過去を列車内で語るとき、カメラが外に向けられ、出て進行方向にパンすると、なんとまあ、列車の上に登って座り込んでいる過去の難民となったミルカたちがフレームインしてくる。さらにバストショットの姉とはぐれた少年ミルカのCGの向かって右半分は当時の報道フィルムが合成されてデリーまで続いていく。しかも、そのフィルムの最後のカットにデリーに辿り着いたミルカが現れ、そのカットが画面全体に拡大され、ごうつく爺の慰み物にされている姉と巡り会う挿話になっていく。

 なんだが、凄い。

 ただ、歌がな~、ちょいと長い。

 まあインド映画だから仕方ないんだろうけど、挿入歌がなかったら2時間で収まったんじゃないかしら。

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