◎クラッシュ(2004年 アメリカ 112分/114分)
原題/Crash
監督/ポール・ハギス 音楽/マーク・アイシャム
出演/サンドラ・ブロック ドン・チードル マット・ディロン ウィリアム・フィクナー
◎上手な回り舞台
グランドホテル形式の人物が複雑に絡み合って、ひとつの物語を構築していきつつ、現実味には欠けながらも観客を納得させなければならない、という演出を要求される話にも拘らず、人種の坩堝ロスを描いてみせた手腕は、いや、ほんと、見事だった。
ま、それともうひとつ、つまんないことをいうんだけど。
警官のような民間人に対してある意味絶対的な権力を持った立場に立ったとき、尋問した相手がどうにも高慢で気に入らない女だった場合、しかも、どうしようもなく挑発的な恰好だったりした場合、やっぱり男というつまらない生き物は、眼の前のミニスカートの中に手を入れて、ボディチェックをするふりをして指を下着の中に入れてしまうものなんだろうか?
それとも、映画の中だけの話なんだろうか?
「そんなことできるわけないし、するわけないじゃん」
ていうのが、一般的な答えだとおもうんだけど、観ていて納得しちゃうのが、リアリティってやつなんだろね。