◇阿寒に果つ(1975年 日本 87分)
監督/渡辺邦男 音楽/眞鍋理一郎
出演/五十嵐じゅん 三浦友和 大出俊 地井武男 二宮さよ子
◇見事、木村大作
印象として、懐かしき時代の象徴みたいな脚本と映像におもえた。
すべてが象徴的に撮られていて、そうした挑戦的ともいえる絵を見られて嬉しいんだけど、それだけじゃなくて、なんといっても五十嵐じゅん(現・淳子)が凄い。綺麗なだけじゃなく、演技というよりその存在感が凄い。ほかの出演者は気恥ずかしいほど若くて、監督の渡辺邦彦の気分がこれまた若い。
斬新さへの意欲は息苦しい程で、時代というひとくくりにしてしまうのは惜しいくらいだ。
ほんとなら、ヒロインのモデルである加清純子について書く留めておくべきなんだろうけど、ここで片手間に書いたところで仕方がないし、この作品はもはや独立した映像作品と観るべきだともおもうんだよね。