☆わが青春のマリアンヌ(1955年 フランス 105分)
原題/Marianne de ma Jeunesse
監督・脚色/ジュリアン・デュヴィヴィエ 音楽/ジャック・イベール
出演/マリアンヌ・ホルト イサベル・ピア ピエール・ヴァネック フリードリッヒ・ドミン
☆イリゲンシュタットの古城
この物語が幻想譚の原点なのは論を待たない。
17歳の時、その幻想的な展開と映像に衝撃を受けた。もちろん、今観ても見事だ。かといってここで今更、マリアンヌとの美しくも儚い幻の恋物語を記したところで意味はないし、労力の無駄だ。
ただ、この映画をはじめて観たとき、ぼくは黒服の男たちは死神だとおもった。ひと目見て、そうおもった。
なんでなのかはわからない。けど、霧に包まれた湖に浮かぶ古城そのものが黄泉の国のようにおもえたし、そこにいるものは人ならぬものにちがいないともおもった。おそらくはそれだけデュヴィヴィエの演出が人並み外れていたってことなんだろう。
いやほんと、見事な映画だとおもうわ。