◎ペイチェック 消された記憶(Paycheck)
フィリップ・K・ディックは大学時代に愛読していた。理解していたかどうかってことすら、よく憶えていない。
3年間の消された記憶を追い掛ける際に障害となるものを、未来を覗いてしまった記憶喪失前の自分が、未来の自分の為に用意した19個のアイテムを駆使する事で通過してゆく、という発想は見事だ。こういう鍵になる言葉を残しておけば、憶えてたかもしれないけど。
まあそれはともかく、いろいろと示唆されたような気分になる映画だったことはたしかだ。過去の自分と未来の自分という括りでいえば、未来の自分は実は過去の自分が未来にいったときにすでに事実を体験している自分ということで、その体験をもとにして19の鍵になる品物を残しているんだけど、なにもこんなまだるっこしいことをしなくても詳細な手紙を残しておけばいいんじゃないかって気もするんだけど、まあ、そういうあたりは映画だからね~。
イワナ・ミルセヴィッチは雰囲気があるし、キャスリン・モリスはユマ・サーマンと配役を入れ替えた方が良かったんじゃないかって気がする。