◎ロスト・バケーション
鮫に襲われる美女の映画とくれば真っ先に『ジョーズ』が浮かぶのは当たり前のことだし、大抵は『ジョーズ』を超えられない。たしかにそのとおりなんだけど、この作品はちょいとちがう。
ジャウム・コレット=セラの演出はきわめてリアルで、浅瀬に突き出した小岩が満潮時に沈んでしまうという設定と、老朽化した浅瀬を示す赤色灯のブイを小道具にして、巧みに筋を立てている。
ブレイク・ライブリーは美しいけどセクシーじゃない。それがまたリアルさを増すし、医学生と設定と鮫の顎にやられた傷の手当てに無理がなくなってる。
なにより、フラビオ・ラビアーノの絵が美しい。色彩はかなり調整されてる観はあるけど、でもうまく撮れてる。
拾い物だな、これは。