◇オットーという男(A Man Called Otto)
丁寧な脚本だけど単調。盛り上がりに欠ける。孤独に堪えかねて自殺しようとしている男トム・ハンクスが近くに越してきた子持ちの女性マリアナ・トレビーニョに感化されてもう一度生きようとする物語はよくある。けど、彼女の学位がありながら頼りなくお人好しの夫マヌエル・ガルシア=ルルフォと、亡くした妻レイチェル・ケラーが登場してしまうことで、トム・ハンクスに未来がないんだなとわかり、ああ、とある朝に死んじゃってるんだろうなあっていうラストまで見えてしまうのは、脚本が考え違いをしてるとしかいいようがない。