Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

PEN LIFE490. 少し昔の空気

2012年10月13日 | Kyoto city
 輪島の本町通は、特に指定を受けたわけではないが、昔ながらの街並を復元し、維持しようとしている。もちろんこんなところまで観光客は来ないが、街並の維持は観光と言ったそんな小さな話ではなく、街全体の基本だという認識なのかもしれない。
 それにしてもこの地方は、下見板張りの外観がおおいようだ。土壁や漆喰では、潮風や雪による疲労が激しいのだろうか。そうした風土がこの土地の個性を生み出している。
 輪島市は、北陸の果ての果てといった遠さがあるが、それだけ独特の空気が感じられて面白い。もちろんそんな空気というのは、専門的立場で感じていることであって、だれしもが感じられるというものではない。
 例えて言うと、都かぶれしていない、といったらよいだろうか。小浜市とか金沢市というのは、どうしても都である京都との関係性が昔から強いが、輪島には、そんな空気が少ない。
 いや、そんなまだるっこしい話ではなく、作家内田百閒が旅に出て、たどり着いた旅館がこんな雰囲気だったと個人的には思う。そういう少し昔の空気が感じられるのである。

輪島市,2012年9月28日
OLYMPUS OM-D E-M5,M.ZUIKO DG14-150mm.F4.0-5.6,
ISO200,焦点距離29mm,露出補正-0.3,f9,1/250,リーニュクレール
コメント
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