Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

PEN LIFE955. 尾道

2014年06月02日 | field work
 林芙美子放浪記の一節を引用する。「海が見えた。海が見える。五年振りに見る尾道の海はなつかしい。汽車が尾道の海へさしかかると、煤けた小さい町の屋根が提灯のように拡がって来る。赤い千光寺の塔が見える。山は爽やかな若葉だ。緑色の海向うにドックの赤い船が、帆柱を空に突きさしている。私は涙があふれていた。」 
 千光寺に塔はなく赤い本堂のことだろう。三重の塔は、天寧寺の重要文化財。だからダブルイメージなのだろう。しかし尾道にさしかかる山陽線の車窓からは、千光寺の赤いお堂とこの三重塔とか次々に見えて、心がときめく。そんな素晴らしいアプローチの先に小さい町屋や造船所が広がる風景は、今も変わらない。この街は、いつも不思議な感覚の面白いところだ。
 我々の行程では、林芙美子記念館にゆく時間はなかったのだが、尾道の坂と路地をたどりながら少しばかり斜面民家の隙間を歩いていった。向島の造船所のドックが民家の狭間に見える。撮影していても面白い所だ。
尾道市 
OLYMPUS E-P5,LEICADG SUMMILUX25mm/F1.4
ISO200,露出補正-0.3,f4.5,1/640
コメント
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