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2014-10-12 (日) 晴れ
居麻布川、魚道付きダムの上流、5匹のクロヤマベの怪。
この日、羅臼の民宿よね丸を朝8時過ぎに出た。知床半島羅臼側渓流4本でオショロコマの調査・撮影を行ったあと、最後に久しぶりに居麻布(オルマップ)川に入った。
最初に一つ目の魚道附きダム下をさぐった。ダム下は汚い水がどよんとして、ヘドロ状堆積もあり、ほとんど止水状態。コンクリート三面ばりの水路へと続き、流程の短い川は国道の橋をくぐってすぐ海へ出る。自然度最低のこの川は、とても魚がいる気配はなく当然魚信なし。
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左手にいつの間にか荒れ果てた川沿いに林道が出来ていると思ったら上流の魚道工事用作業道のようである。
チョロチョロ川に沿って林道を進むとなんと、いつのまにか、やや上流にさらにもうひとつ立派な魚道附きダムが出来ていた。こんな小規模なチョロ川によくぞ立派な建造物を二つも造ったものだ。
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自然度最悪のチョロ川を入念にさぐったが当然ながらオショロコマはいない。しかし一瞬何か小魚が1匹走ったような気がした。何だろう。
二つ目の魚道附きダムを越えてコンクリート壁に流れが当たるところが少し掘れてこの浅い渓流には珍しく2m×1m ほどの小さな たまり になっていた。
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そーっとのぞき込むと、そこに黒ヤマベ2-3年魚が5匹ゆらゆら見えた。
姿を隠して慎重に振り込むと魚影が踊ってヤマベが釣れた。真っ黒、クロンボウヤマベは激しく放精した。次々とヤマベ5匹を全部釣り上げ、水中で素早く撮影してリリースした。
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10月中旬に釣れたこれらのヤマベを見て、かなり違和感を感じられるようでしたらあなたの渓流釣り経験は相当なものと言えます。
この渓流は10数年前から時々調べているが、最初からヤマベはまったくいない川であった。カラフトマスやサケの遡上も無い川であった。
おそらく、せっかく魚道附きダムを造ったからと養殖ヤマベが放流されたことは想像にかたくない。
稚魚をまけばギンケヤマベは海へ下り、4-5年後にはもどってくるだろうといった淡い期待もあったろう。
そうか、最初からオショロコマなど念頭にない工事であったのかとはっきりわかった。
オショロコマの棲む環境は完全破壊されたが、サクラマス、カラフトマス、サケは稚魚放流すれば4-5年後大きくなってもどってくる可能性がある。
それが狙いであったことは明白で知床半島各所でオショロコマの生息環境などには目もくれず、川を大破壊してでも魚道附きダムを造り続けたのは正に理にかなった出来事であったのだ。
在来の生態系、特にオショロコマに対する配慮などまったくない魚道工事は、ひたすら養殖サケマスを遡上させるのが狙いであったのだ。
考えてみれば当たり前で、川の自然など大破壊してでも魚道を作る理由がわかった次第である。
しかしオルマップ川に関して言えばその計画は失敗だ。
今回釣れたヤマベ5匹は恐らく魚道工事後に稚魚放流されたとおもわれる3年魚の生き残りで、あと一年ほどで寿命で消えてゆく。
真っ黒、婚姻色がでて、サクラマス♀さえ遡上してくれば産卵行動に参加できる立派な成熟ヤマベだ。
しかし、残念ながら今年は遡上サクラマス♀はこなかったようで、その証拠に真っ黒ヤマベたちは完全ヒレピンで体にキズもない。
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産卵行動後のヤマベはヒレはズタズタ、体はキズだらけで放精後やせこけて見るも無惨なのが普通である。
今回、サクラマスはもちろんサケやカラフトマスの遡上を思わせる痕跡もなかった。
毎年、あきらめず大量のサケマス稚魚放流を続ければそのうち戻ってくる魚が出るかも知れない。しかし、それは本来の生態系とはほど遠いものである。
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文字通り 貧相な渓流である。サクラマス、カラフトマス、シロザケなどを遡上させても、それらが自由に産卵したり稚魚が順調に生育するためには あまりにも Capacity が小さい。また、これら養殖物が回帰したとしても、それは本来の生態系とは無縁のもので、世界遺産知床の名に恥じてあまりあることである。
午後4時、武装解除。ひたすら走って 北見の自宅には午後7時過ぎに到着した。
これで知床のオルマップ川魚道付きダムの記事はひとまず終了です。
ところで、かってオショロコマやニジマスが棲息していた頃、いまだそれなりの自然環境が残っていたころのオルマップ川の写真があります。2014年現在、このオルマップ川がいかに破壊されたかを知る貴重な記録があります。ぜひ、御覧になって下さい。これが本来のオルマップ川です。
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