「龍馬伝」と「ゲゲゲの女房」が高視聴率だそうだ。
日本人は、幕末と貧乏物語が好きだな。
「ゲゲゲの女房」に懐かしい貸本屋が出てくる。蝋引きしたような、曇りガラスみたいな紙で、表紙カバーをした貸本が並んでいた。夏休みなど、この貸本屋に入り浸り、白土三平の「忍者武芸帳」や横山まさあきの「影男」といった劇画、山岡荘八の「徳川家康」などの時代小説などを立ち読みしては、ハタキをかけられていた俺は小学生だった。「夫婦生活」なんて、いまでいうエロ雑誌もあった。紙芝居はもう廃れていて、「ガキ」の見るものと高学年はバカにしていた。そして、すべては、テレビジョンの登場によって、劇的に変わった。「ゲゲゲの鬼太郎」もアニメ化されて人気を呼んだのであって、水木しげるは、たとえば、後年の滝田ゆうなどと同じ位置のマイナーな作家だった。俺は、「墓場の鬼太郎」も水木しげるも全然知らなかった。でも、いちばん好きなのは、みんなと同じねずみ男だな。
当時、いちばん好きだったマンガは、小澤さとるの「サブマリン707」だったな(セブンオーセブンと読むのだよ)。潜水艦が航行する「ゴゴゴシュッシュッシュ」という擬音に痺れた。腹這いになって、「ゴゴゴシュッシュッシュ」と呟きながら、新聞折り込みの広告チラシの裏に、海底底深くを行く「サブマリン707」の勇姿をたくさん書いたな。ボクは艦長だったな。山下清化したな。
(敬称略)
日本人は、幕末と貧乏物語が好きだな。
「ゲゲゲの女房」に懐かしい貸本屋が出てくる。蝋引きしたような、曇りガラスみたいな紙で、表紙カバーをした貸本が並んでいた。夏休みなど、この貸本屋に入り浸り、白土三平の「忍者武芸帳」や横山まさあきの「影男」といった劇画、山岡荘八の「徳川家康」などの時代小説などを立ち読みしては、ハタキをかけられていた俺は小学生だった。「夫婦生活」なんて、いまでいうエロ雑誌もあった。紙芝居はもう廃れていて、「ガキ」の見るものと高学年はバカにしていた。そして、すべては、テレビジョンの登場によって、劇的に変わった。「ゲゲゲの鬼太郎」もアニメ化されて人気を呼んだのであって、水木しげるは、たとえば、後年の滝田ゆうなどと同じ位置のマイナーな作家だった。俺は、「墓場の鬼太郎」も水木しげるも全然知らなかった。でも、いちばん好きなのは、みんなと同じねずみ男だな。
当時、いちばん好きだったマンガは、小澤さとるの「サブマリン707」だったな(セブンオーセブンと読むのだよ)。潜水艦が航行する「ゴゴゴシュッシュッシュ」という擬音に痺れた。腹這いになって、「ゴゴゴシュッシュッシュ」と呟きながら、新聞折り込みの広告チラシの裏に、海底底深くを行く「サブマリン707」の勇姿をたくさん書いたな。ボクは艦長だったな。山下清化したな。
(敬称略)