コタツ評論

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アンジェリーナを聴け

2020-03-22 23:26:00 | ノンジャンル
少女というより、歯も生えそろわぬ幼女なのに、ビリー・ホリディのナンバーを歌いこなしておったまげさせたアンジェリーナも17歳になりました。まずは、ホセ・フェリシアーノで最近ご紹介した「カリフォルニア・ドリーミン」から。

そういえば、長谷川きよしは「和製ホセ・フェリシアーノ」とよく紹介されていましたが、盲目が共通しているだけで、まったく似たところがない全然違うタイプの歌手ですね。長谷川きよしはホセ・フェリシアーノのような歌謡曲っぽさが皆無なので、あまり売れませんでした。

California Dreamin' - The Mamas & The Papas (Angelina Jordan Cover)


もうね、カバーじゃないです。あれから、私のようにアンジェリーナにぞっこんというファンをYoutubeを通して世界中から獲得したようで、コメント欄が賑わっています。

Angelina Jordan Sings Elton John's "Goodbye Yellow Brick Road" - America's Got Talent: The Champions


アンジェリーナらしい「ひねり」を加えて、エルトン・ジョンが影形もないオリジナル歌のようになっています。らしくない声を張り上げていますが、番組の要望に応えたものでしょう。ここで拍手や歓声が起きるところが、この番組の聴衆というか、アメリカ人がイモ、田舎者とバカにされる所以です。

アンジェリーナの母国ノルウェイは昔も今も欧州の田舎なんですね。アメリカに移民しても、ノルウェー系は、貧しく粗末な丸太小屋に住む人が多かったため、「ノルウェー・インディアン」と呼ばれて差別されたと「ソースティン・ヴェブレン」の伝記にありました。ついでに、ノルウェー系アメリカ人の有名人を。けっこういますが、たしかになんとなくあか抜けない感じも。

お次は、ロンドンで催されたクインシー・ジョーンズ85歳記念コンサートのリハーサルです。

Angelina Jordan - Fly Me To The Moon - Quincy Jones - 2018 (rehearsal with concert mixed audio)


「デビュー」直後は、よくこの「フライミートゥザムーン」を歌っていたようですが、オーケストラ付きのせいか、アンジェリーナらしい「ひねり」を加えず、オーソドックスに歌っています。

Angelina Jordan - AGT: The Champions - Bohemian Rhapsody | Golden Buzzer Full Performance


「アメージング!」「インクレダブル!」を審査員が連発しているように、圧巻のパフォーマンスです。最初、どんな曲かわからないほどの「ひねり」というか変奏はジャズフィーリングというものでしょう。天才少女からグレートシンガーへ歩み出していることがわかります。

おまけ。
Angelina Jordan (13) - Can't Help Falling in Love - Prøysenhuset, Rudshøgda, Norway - 07/12/2019
https://www.youtube.com/watch?v=WYSJ1Jdzx10

(敬称略)