コタツ評論

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今夜は、日本ヤバイ

2018-02-13 23:19:00 | 経済
「経済一流、政治は三流、外交は五流」とながらくいわれてきました。先進国間でそういわれてきたのではなく、「政治や外交はダメダメかもしれないが、経済だけは一流だ」と日本人が先回りしてそういってきました。

先進諸国の政治家や官僚、政治や経済学者、経営者やビジネスマンたちから、「なにをおっしゃる、日本の政治や外交の手腕は侮りがたいものがありますよ」という声が上がるわけがない。日本人なら誰しもそうした予断を持っているし、残念ながらそれは間違っていませんでした。

日本から世界的な政治家や外交官が出たことがない代わりに、本田宗一郎や松下幸之助、井深大、安藤百福など世界を変えた革新的な企業家は幾人も出ています。彼らはみな中小企業から身を起こして、世界的な大企業をつくり上げました。

最近ではTVドラマ「陸王」が高視聴率をとったように、「匠の精神」が息づく中小企業の技術力の高さも定評を得ています。中小零細の下請け孫請会社の膨大な職工や職人たちも日本経済の広大な裾野として算入された上で、「経済一流」が「当然視」されてきたわけです。

が、それもどうやら怪しくなってきました。東芝、シャープ、日産、神戸製鋼など大企業の没落や不正事件の続発のみならず、以下のような事例から、「裾野」さえも「疑問視」の時代に入っているようです。

平昌五輪のおかげで、「下町ボブスレー」の騒ぎが続いています。

made in Japan神話は過去の話
http://blogos.com/article/277258/

納期に間に合わず、規格外で、性能に劣る。日本の会社の仕事としては考えられないことです。しかし、まあ、これは広告代理店が提灯を持って、安倍総理が入れ込んだという話題作りが先行した企画らしいので、日本の「ものづくり」も堕落したものだという事例としては適切ではないかもしれません。

しかし、下の2つは日本の工事や作業としてはあり得ないといってもよいほどのことです。たぶん、実際に夜間作業をし、架線工事をしたのは下請け業者である中小企業の社員と作業員でしょう。公共交通機関の運行にいささかなりとも影響を及ぼしてはならないというのは、「当然視」されていたはずです。

都営大江戸線、一部で運休や遅れ 夜間の作業が影響
https://www.asahi.com/articles/ASL292H4VL29UTIL001.html

京浜東北線7時間運休 架線切断 工事ミス原因
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201712/CK2017121702000134.html

夜間作業が延びて始発電車に影響が出たどころか、午前中の電車の半分が運休した、あるいは7時間も運休が続いた。当然、業者には莫大な損害賠償や補償が負わされそうですが、たぶん、そうはならずうやむやになるのではないかと推測しています。

もちろん、入札に当たって業者の一定期間の指名停止や末端の下請け孫請け会社の出禁などは考えられますが、そうした形式的な処罰でお茶を濁して、発注側の担当社員や責任者に類が及ぶことはないはずです。

そんな「経済一流」の弱点と課題を人民日報系の人民網の記事がうまくまとめています。

「メイド・イン・ジャパン」神話は崩壊したか
https://blogs.yahoo.co.jp/oomihuji/19597715.html

(止め)
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今夜は、黒子さん

2018-02-12 00:12:00 | 音楽
ロゼット洗顔パスタの黒子さんと白子さん、といってもわからないかな。黒子さんのモデルが今夜ご紹介するロゼッタ・サープ、白子さんはもちろん、ジョー・スタッフォードですって、冗談ですって。

Sister Rosetta Tharpe - Didn't It Rain


「ディドニットレイン」と繰り返す歌詞は次のような内容です。

Didn't it rain children
Talk about rain oh my Lord
Didn't it fall didn't it fall
Didn't it fall my Lord didn't it rain

Didn't it rain children
Talk about rain oh my Lord
Didn't it fall didn't it fall
Didn't it fll my Lord didn't it rain

Oh it rained forty days
And it rained forty nights
There was no land no where in sight
God send the angel to spread the news
He haste his wings and away he flew
To the East to the West
To the North to the South
All day all night how it rained how it rained

Didn't it rain children
Talk about rain oh my Lord
Didn't it fall didn't it fall
Didn't it fall my Lord didn't it rain

Some at the window some at the door
Some said Noah can't you take a little more
No no said Noah no no my friends
The nature got to keep you can't get in
I told you I told you a long time ago
You wouldn't hear me you disobey me
Lord send the angel a warning to you
It began to rain and now you are through

Well it rained forty days
Forty nights without stopping
Noah was glad
When the rain stopped dropping
Knock at the window knock at the door
Come on brother Noah
Can't you take any more
No no my brothers you are full of sin
God has the key you can't get in
Would you listen how it rained

Didn't it rain children
Talk about rain oh my Lord
Didn't it fall didn't it fall
Didn't it fall my Lord didn't it rain

Didn't it rain children
Talk about rain oh my Lord
Didn't it fall didn't it fall
Didn't it fall my Lord didn't it rain


グーグル翻訳してみたら、なかなかの名訳でした。

子供に雨が降らないか?私の主よ、雨について話してください。それは落ちていませんでしたか?私の主が落ちていませんでしたか?それは雨。子供に雨が降らないか?私の主よ、雨について話してください。それは落ちていませんでしたか?それは私の主が雨が降ってもらえませんでしたか?ああ、40日間雨が降った。そして40日間の雨が降った。目に見える場所はありませんでした。神はニュースを広めるために天使を送ります。彼は彼の翼を急いで、彼は飛んだ。西へ東へ北から南へ一日中一晩中雨が降り、雨が降った。子供に雨が降らないか?私の主よ、雨について話してください。それは落ちていませんでしたか?それは私の主が落ちていないか?いくつかはドアのところにある窓のところにある。一部の人は、ノアはもう少し取ることができないと言いました。いいえいいえいいえいいえいいえいいえ、Noahは私の友人はいません。自然はあなたが入り込むことができないようにしなければならない。私は長いことあなたに言ったことを言った。あなたはあなたが私に違反していると聞くことはありません。主は天使にあなたに警告を送ります。それは雨が降り始め、今あなたは通っています。まあ、それは40日間雨でした。 40日を止めることなく。ノアは嬉しかったです。雨が降ってきたとき。ドアをノックして窓をノックしてください。ノア兄弟に来てください。あなたはもう取れませんか?私の兄弟たちは、あなたがたに罪がいっぱいです。神はあなたが入ることのできない鍵を持っています。あなたは雨が降ったかどうか聞きますか?子供に雨が降らないか?私の主よ、雨について話してください。それは落ちていませんでしたか?それは私の主が落ちていないか?子供に雨が降らないか?私の主よ、雨について話してください。それは落ちていませんでしたか?それは私の主が落ちていないか?

ロゼッタ・サープはアメリカはアーカンソー出身のゴスペル/ブルース歌手です。そのギター奏法や歌いかたから、「ロックンロールの母」ともいわれています。

この動画は、ヨーロッパ巡業中にイギリスはマンチェスターの廃駅を使ったコンサートの模様です。こういう舞台装置を企画したイギリス人のセンスには脱帽します。パフォーマンスへの敬意とアメリカへの侮蔑が同居しています。

ゴスペルやブルースの歌手といえば貧乏くさいイメージがありますが、廃駅コンサートで着ていた高価そうなコートでもわかるように、ロゼッタ・サープは売れた歌手でした。ナイトクラブシーンにはじめてゴスペルを持ち込んで人気を博したそうで、次はその楽しそうなクラブ活動の一場面です。

Sister Rosetta Tharpe ca. 1941 "The Lonesome Road"


(敬称略)
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明日の話題

2018-02-06 12:14:00 | ノンジャンル
コインチェック騒動のさなかに373億円の資金移動、不正送金疑惑が浮上
http://diamond.jp/articles/-/158129

「盗まれた580億円は自己負担で補償します」といっているが、580億円盗まれても373億円を「不正送金」できるくらいボロ儲けできる商売と、LINEなど20社が新規参入するんだと。2012年に設立された27歳社長の社員71人(2017年時点)の会社がそれほど儲けられるなら、ビジネスモデル自体を疑うべきだろう。

理事選に敗れた貴乃花親方が弟子を引き連れ“豆まき“した場所は、あのオカルト新興宗教団体だった!
https://news.infoseek.co.jp/article/litera_7460/

誰がみても、あの目つきは異様だった。私からいわせれば、あのファッショナブル過ぎる身なりも奇妙だった。カルト信者に相撲協会をかき回されたらどうする、という仮定の話には乗らないが、いかに正当な主張であろうと告発者であろうと、相撲協会とコミュニケーションが成り立たないことの責任はやはり双方にある。八百長相撲の内輪揉めが真相とか、相撲は文化か競技かという議論などの以前に。

アルツハイマー「血液検査で発見」、ノーベル賞・田中耕一さんら発表
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3279533.html

アルツハイマーの判定はたいへん難しそうなので、早期の発見と治療を可能とする画期的な発明と期待されているそうだ。田中さんは修士号しか持たない民間サラリーマン技術者という異色のノーベル賞受賞者といわれたが、その後、博士号を取得したかと思いきや、東北大名誉博士だった。もちろん、正式の学位ではない。「今さら」なのかな。

<span style="font-weight:bold">不老不死の鍵を握る哺乳類「ハダカデバネズミ」。老化を見せず生殖も(今のところ)永遠に続ける
https://www.gizmodo.jp/2018/02/naked-mole-rats-could-theoretically-live-forever-study-suggests.html
先ごろ、中国がサルのクローンに成功したと発表があり、「そりゃあ、まずいんじゃないか」と国際社会が眉をひそめたが、近いうちにクローン人間をつくるだろうし、すでにつくっているかもしれない。身体部位のスペアとして、記憶を移植できれば、まるごと乗り換えて、不老不死が実現するわけだ。ところが、「ハダカデバネズミ」は不老だというから、こちらは不老不死薬の実現に寄与しそうだ。


まりにひどい命名だ。げっ歯類に対する侮辱である。

ビジネスや語学留学にも最適!東横INNセブの魅力とは?
http://news-tv.jp/_ct/16958331

1php(フィリッピンペソ)が2.1円だから、一泊朝食付き1,300~1,700phpの宿泊料は、日本円で2,700~3,570円となる。一週間で20,000円、二人で40,000円。東横インやアパホテルは、以前に問題を起こしたが、宿泊サービスには定評がある。行きてえなあ、遊びてえなあ、セブ島。

(止め)

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今夜は、ジュリー・ロンドン

2018-02-04 23:16:00 | 音楽
その昔、日本の家庭の居間に、家具調のステレオセットが鎮座し、本棚には読みもしない日本文学全集や百科大辞典が並んでいた60年代。労音に動員された労働者がリヒテルで舟をこいでいた時代。ジャズといえばこの人の歌がよく聴かれていました。

ご覧のようなエレガントな美形であるがために、たいして上手くもない美人歌手という残念な評価にご本人も甘んじていた節があります。いつの時代も目利きというのは少ないもので、この人の亜流はその後、サウザン・ハスキーボイスくらい出ましたが、彼女の魅力を越える人はいませんでした。

まずは彼女の代表曲、クライミー・ア・リバーから。

JULIE LONDON - CRY ME A RIVER



「あなたと夜と音楽と」という素晴らしい邦題です。直訳じゃないかって? 「音楽と」が非凡なんです。

Julie London - You And The Night And The Music
https://www.youtube.com/watch?v=KJUe0FIItVI

ヘレン・メリルの歌で有名ですが、あれはクリフォード・ブラウンのトランペットが主役であって、ジュリー・ロンドンもよいです。

Julie London - You'd Be So Nice To Come Home To
https://www.youtube.com/watch?v=fDgtwJ_-wRc

トニベネ以外では、この「想い出のサンフランシスコ」が白眉でしょう。

JULIE LONDON I Left My Heart I San Francisco
https://www.youtube.com/watch?v=R50i9-Qy1z8

日本では江利チエミが歌っていました。負けずにキュートです。

Julie London  Come On-A My House
https://www.youtube.com/watch?v=6WtYbGAmSYc

最近ではダイアナ・クラールが彼女の後継者だというコメントを読んで、なるほどなあと思いました。

Julie London - 'Round Midnight (HQ) 1960
https://www.youtube.com/watch?v=z23I8WYB__c

(敬称略)

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今夜は、グーチョキパー

2018-02-03 22:34:00 | ノンジャンル

西本貴美子さん(90)

日本、「男女平等ランク世界114位=悪」は早計だ…想像もつかない欧州の男女差別
https://news.infoseek.co.jp/article/businessjournal_410481/

114位となった背景は、政治家や企業役員に女性が占める割合がとびぬけて少ないからです。統計上では、日本は女性の社会進出が妨げられている、男女平等後進国ということになります。しかし、筆者は総合ランクの基礎となる個別ランクを検討して、日本を男女不平等社会とするのを「早計」と論考します。「むしろ、日本はある面で他国より男女平等が進んでいる」といいます。

私からいわせれば、統計なら、女性の方が男性より長生きという人口統計をみるだけでも、男性優位の女性抑圧社会とはいえないはずです。さらにいえば、統計には表れない反証ならいくらでもあり、統計を採る意味がないほど圧倒的な有意差もみられます。たとえば、この長寿社会における、おばあさんとおじいさんです。

おじいさんよりおばあさんの方がずっと親しみを持たれ、あたたかい目で見られています。少なくとも、映画やTVドラマ、小説、マンガに至るまで、登場人物は、「おばあさん」だらけです。いったい、「おじいさん」が重要な役回りを演じる作品をいくつ上げられるでしょうか。

残念ながら、映画「東京物語」の笠智衆やTVドラマ「七人の孫」の森繁久彌くらいしか、私には思い浮かびませんでした。TVドラマや小説に自衛隊員がまったくといってよいほど登場しないのは政治的理由からですが、「おじいさん」が出てこない、出たとしても、いないに等しいくらい存在感が薄いのはなぜでしょうか。

「東京物語」や「七人の孫」はいわゆるホームドラマですが、家庭内においては、おばあさん>おじいさん、というより、じつは、女性>>>>男性であることは、長きにわたって国民的なマンガ(アニメ)である「サザエさん」一家をみるだけでも、じゅうぶんでしょう。

ほんとうに、日本は男尊女卑社会なのか、と「再考」するより、じつは女尊男卑社会ではないのか、というテーマ設定こそ有効に思えます。「男が尊ばれ女が卑しめられる」の反対ではなく、「女は尊いのに男は卑しい」ということです。日本のあらゆる表現芸術作品では、女は母や妻として「尊き者」となるのに比べ、男はただ「卑小なる者」と描かれます。

と先にチョキを出しましたが、女性であるがゆえに、セクハラ・モラハラ・パワハラに日常的にさらされて、人知れずグーと拳を握ってしまうパーな男社会であることをもちろん認めた上の話です。しかし、チョキはグーには勝てませんが、パーには勝てます。グーと握った拳から2本指を伸ばすだけで、パーには勝てるわけです。私には女権拡張論はグーに思えるのです。

パーな男社会で平等になるより、もっと高見をめざして、チョキチョキと人生を切り開き、パーと見晴らしがよい場所に立っているおばあさんにグーときました(結局、語呂合わせがしたかったのね)。

世界最高齢プログラマーの次なる挑戦/若宮正子 [MASHING UP]
https://www.cafeglobe.com/2018/01/mu_wakamiya.html

日本の90歳のおばあちゃんの爆笑自撮り写真が話題に
http://j.people.com.cn/n3/2018/0202/c94473-9423075.html

http://www.taipeitimes.com/News/world/archives/2018/02/03/2003686969

(止め)
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