遠藤雷太のうろうろブログ
何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。




観劇三昧:カスガイ『リビング』(観フェス2017)

2017/11/24

レイプに遭って引きこもりになった姉と、ニートをやめて働き始めた弟が、他人同然の同居人たちと屈折した共同生活をおくる話。

カルト臭の強い心理療法士やら、虫として雇われるおじさんたち、身元のはっきりしない女。

そんな混沌としたリビングに、妄想上のレイプ魔がクサビのように登場する。

レイプ魔は、妄想上の存在だけあって、身体能力が人間離れしている。

誰もが欲望と現実との折り合いが付かず壊れているので、快不快で言えば間違いなく不快な話なんだけど、巧拙で言えば圧倒的に巧い。

ゴチャゴチャしているように見えて、実は一筆書きだったというような、コントロールの効いた脚本に、役者個々の存在感が上乗せされて、極めて息苦しい空間が完成している。

さんざん鬱屈しているのに、話が終盤になると意味もなく前向きな雰囲気出してくるのイヤだなと思ったけど、最後の最後でピタリとあわせてきた。平行感覚すごい。

==============メモ==============

「芸術賞」に投票(投票期間が過ぎたので気持ちだけ)

上演時間 01:48:25
公演時期 2009/04/22

作者:登米裕一
演出・原案:玉置玲央



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観劇三昧:坂口修一「ミッド・ナイト・エクスプレス第45話『軍団崩壊』」

2017/11/28

田々南の仲間たちが、チカンの捏造写真をきっかけに窮地に陥る話。

裏切り者が、討伐して差し支えないわかりやすい悪として描かれている。

大手企業として致命的なイタズラで悪質すぎる。

調べたらわかりそうなもんだけど。

思わず吉野家とテラ豚丼で画像検索してしまった。

軍団それぞれの役ごとにポーズを決めて見せるやり方。

記号的だけど、一番見やすいのも確か。

話の都合もあるんだろうけど、軍団の結束力が弱すぎる。「所詮会社側の人間だ」って言われても会社の人間しかいないはずなのに。

ミートの必殺技が怖い。

終盤に出てくる人物がクライマックス感を演出している。

確かに二駅増量キャンペーンはひどいなと思っていたけど、ちゃんと二枚腰の展開になっていてよかった。

次回予告のパートで歓声が上がった。どういう意図なんだろう。

《登場人物》
田々南徹
ライト
中川専務
ミート
アンモナイト
エイト
ニート
ブライト
ファイト
野次馬A
野次馬B
野次馬C

《作品情報》(観劇三昧HP)

上演時間 00:16:18
公演時期 2008/02/19

出演者:坂口修一

スタッフ :
作・演出:サシマユタカ
舞台美術:柴田隆弘/演出助手:若旦那家康(ROPEMAN(28))/音響:児島塁(Quantum Leap*)/照明:南勇樹(芝居処味一番)/フライヤーデザイン:黒田武志(sandscape)/webデザイン:山口良太(slowcamp)/写真撮影:森達行/ナレーション:岸本奈津枝
企画・製作:坂口修一
協力:土の会

あらすじ
負ければ京都線が京阪に渡ってしまう。そんな重圧の中徹が考案した二駅増量キャンペーンに異を唱えたファイトは、あろうことか敵方であるシルバーフォックス陣営に寝返ったのであった。



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さらさらさん (一般書)
クリエーター情報なし
ポプラ社


2017/11/24

自己免疫疾患の「難病女子」による対談やコラム、書評、書店のポップなどをまとめた本。雑多。

医療や介護や福祉などの難しい話が並んでいて、前著「困っている人」にあったようなユーモアは控えめ。

ただの難病女子ではなく、学者とガチでやりあえる言語スキルをもった稀有な難病女子であるということがよくわかる。

中島岳志が「『困っている人』を文学として読んだ」という話。

「精神は細部に宿る」という視点はフィールドワーカーっぽいのと同時に作家っぽくもある。

著者に対して、より「うちゅうじん」っぽいという印象が強まる。世の中の広い。

猪飼周平らとのえらく難しい対談の最後に、読み物は「気合」だと言い切っていたのが気持ちいい。

装丁かわいい。小口部分にまで似顔絵。泣き顔から笑顔に変わるのがわくわくする。

※前著。感想

([お]9-1)困ってるひと (ポプラ文庫)
クリエーター情報なし
ポプラ社


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観劇三昧:坂口修一「ミッド・ナイト・エクスプレス第44話『出町柳常務の黒い闇』」

2017/11/25

田々南徹が駅ホストの売上対決に勝つため、あえてライバルの悪質な手段を取ろうとして自らの軍団が分裂する話。

私鉄に縁のない北海道民なので、関西の私鉄業界が全くわからない。

京阪、阪神、阪急と並べられると他愛なく混乱する。

とにかく駅ホスト対決に負けると田々南の阪急京都線がなくなるらしい。

話を聞いていると、勝ったからと言って守れるわけじゃない気もするけどそうらしい。

ともあれ、巨大な陰謀の全容が明らかになった。

ライバル対決がそのままシリーズのクライマックスになりそうだ。

次回予告もシリアスモードで、中川専務の一言が重い。

一人芝居なのに団体戦の様相を呈してきた。

演者の負担が大きそうだけど、ラストスパートで走り抜けてほしい。

後ずさりしながらサスから外れていく見せ方がおもしろい。

《登場人物》
田々南徹 ライト 鬼瓦元教官 ファイト エイト ブライト アンモナイト ミート ニート

公演時期 2008/02/12
上演時間 00:15:14

出演者:坂口修一

スタッフ :
作・演出:サシマユタカ
舞台美術:柴田隆弘/演出助手:若旦那家康(ROPEMAN(28))/音響:児島塁(Quantum Leap*)/照明:南勇樹(芝居処味一番)/フライヤーデザイン:黒田武志(sandscape)/webデザイン:山口良太(slowcamp)/写真撮影:森達行/ナレーション:岸本奈津枝
企画・製作:坂口修一
協力:土の会

あらすじ
阪急電鉄の新入社員研修で教官を勤めていた鬼瓦と、運命的な再開を果たした徹。しかし、おでん屋の親父になったはずの鬼瓦は、関西私鉄業界を震撼させるある秘密を握っていたのであった。



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ターミネーター (Terminator)

2017/11/14

・ロサンゼルスで生活する平凡な女性サラが、未来からやってきた人型兵器ターミネーターに命を狙われる話。

タマフルの特集で興味を持って見てみる。

1984年公開。もう30年以上前。もはや古典。そりゃシュワルツェネッガーも齢を取るはずだ。

・ファストフード店で働く平凡な女性が、なぜ未来の人型兵器に襲われなきゃいけないのかという謎が前半の引きになっている。

・今では使えないけど、電話帳で同姓同名の上から載っている順番に殺されていくという煽り方は相当怖い。

・ターミネーターの特徴はとにかく頑丈。

・他は、意外と人間でもできることしかしていない。

・人を殺すのも銃器。

・体そのものには武器がついていない。白兵戦でも相当やれると思うけどそれもほとんどしない。

・ホントにそのほうが効率いいんだろうか。

・ただ、やっぱり見た目はかっこいい。特に眼が潰れてから。

・後半は機械だけになってしまって残念。

・シュワちゃんの面影がなくなってしまうと、とたんに弱そうに見えてしまう。

・警察が口ほどにもない。あんなに自信満々だった署長、あっさりやられすぎ。

・追う追われるを繰り返しながら、徐々にことの真相が明らかになっていく。

・構成としてはものすごく単純。アクションで引き伸ばしながら、情報が小出しされていく。

・その少しずつ真相が明らかになっていく感じと、サラが成長していくさじ加減が絶妙。

・結局、この事件を通して、サラは未来から来た人型兵器に名指しで狙われるほどの成長を遂げる。

・未来のコンピューターが余計なことをしなければ、サラがここまで成長することはなかったんじゃないかと思わないでもないけど、タイムリープものはどこかで必ずそういう矛盾が出てくる。

・それでも、写真の伏線も回収してきれいにまとまっている。

・きれいに完結しているので、あんまり続編を見る気がしない。

ターミネーター [Blu-ray]
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20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン


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観劇三昧:坂口修一「ミッド・ナイト・エクスプレス第43話『最後の奥義継承者』」

2017/11/24

田々南徹が後輩をおでん屋台に誘ってシルバーフォックスへの愚痴を言う話。

椅子の座り位置をズラしながら掛け合いする。

一人二役の形式にも色々見せ方のバリエーションがある。

「最後の奥義継承者」という大仰な煽りとその肩透かしぶり。

継承者が「おまえかよ!」というのもあるし、技も「それかよ!」と思わずにはいられない。

しかし、そこから理屈を積み重ねて最終的にはなんだかすごい技なのかもと思わせてしまう。

完全に男塾後期の民明書房の手口だった。

鬼瓦教官は素でああいう話し方なのか。

奥義継承者、ひとりだけ随分年齢が違う。

時代が進んで継承する必要性がなくなったのかな。

終わりを意識したメタ的なセリフも出てきた。

メタといえば、田々南が「別に良いじゃないですか、ケーブルTVは」と言ったときに、客席から「えー」と声が上がっていたのがおもしろい。

ほんとに予定どおり話終われるんだろうか。

 

《登場人物》田々南徹 ライト 鬼瓦元教官

《作品情報》(観劇三昧HP)

公演時期 2008/02/05
上演時間 00:16:08

出演者:坂口修一

スタッフ :
作・演出:サシマユタカ
舞台美術:柴田隆弘/演出助手:若旦那家康(ROPEMAN(28))/音響:児島塁(Quantum Leap*)/照明:南勇樹(芝居処味一番)/フライヤーデザイン:黒田武志(sandscape)/webデザイン:山口良太(slowcamp)/写真撮影:森達行/ナレーション:岸本奈津枝
企画・製作:坂口修一
協力:土の会

あらすじ
駅ホストナンバーワンの座に君臨するシルバーフォックスに、阪急を辞める覚悟で勝負を挑んだ徹。しかしシルバーフォックスの手には、阪急のスタシアカードではなく、京阪のイー・ケネットカードが握られていたのであった。



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観劇三昧:カン劇cockpit『変調・夏祭浪花鑑2015』

2017/11/13

殺人の罪でお縄になった団七が、やむにやまれぬ事情で、再び罪を犯す話。

元は浄瑠璃、歌舞伎。変調とあるように、かなり現代風にアレンジしてある。

とはいえ、最初の定式幕(黒、緑、赤の三色幕)を観ると、現代劇とは違う期待感を煽られて反射的にワクワクする。

装置は現代風の抽象舞台、セリフは時代劇と現代劇の混在、衣裳はアレンジした和装。

ストラップのついた携帯電話で会話するシーンもあって、新しいのか古いのかよくわからない。ごちゃごちゃ。

ポケモンのロケット団を思い出させる、下っ端チンピラ男女の三下感が愛くるしい。

手ぬぐいペシペシもかわいい。

「一寸も下がることのない一寸徳兵衛が~」の口上。

賑々しく演出しているものの、起きた出来事を見れば、世の不条理を嘆く古典らしい話にもなっている。


==============メモ==============

「エンタメ賞」に投票(投票期間が過ぎたので気持ちだけ)

上演時間:02:14:00
公演時期:2015/09/26

作者:松本大志郎
演出:山本拓平
原案:初代並木千柳・三好松洛・初代竹田小出雲

《配役》
団七:松本大志郎
お梶:佐藤智美(フリー)
一寸徳兵衛:伊藤一壮
お辰:小林桃子(演劇集団☆邂逅)
玉島磯之丞:西村快人(フリー)
琴浦:塩尻綾香(フリー)
佐賀右衛門:田島篤
木端の権:有馬貴弘(澪クリエーション)
なまの八:長田梳良(舞夢プロ)
おつぎ:曽木亜古弥(アコヤの木)
義平次:牛丸裕司(劇団五期会)
三婦:唐木ふとし(舞夢プロ)

 



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観劇三昧:プロトテアトル『ノクターン』

2017/11/12

小さな同窓会に集まった四人が、集まれなかったもう一人のために、ひたすら噛み合わない思い出話を続ける話。

居酒屋の小さなスペースで飲みながら思い出話をする体なんだけど、会話の間の詰め方とテンションの高さが、よく訓練された役者さんのようにしか見えず困惑する。

後半の展開で理屈付けはできるんだけど、どこまで計算してやっているんだろう。

前半は徹底して噛み合わない思い出話。

みんな二十代中盤くらいの設定だと思うけど、あと十、二十くらい上だったらこういう思い出の齟齬も共感できるのに。

作者の方が若いのかなとか思ってしまう。

過去の出来事と各人の記憶との乖離が見所なのかなと思ったけど、特にそういう方向では描いてないようだし、作品全体の見所がつかめないまま終わってしまった。

スコップで雪かきするSEは初めて聞いた。

==============メモ==============

「芸術賞」に投票(投票期間が過ぎたので気持ちだけ)

上演時間:01:31:18

上演時期:2015/01/23

作・演出:FOペレイラ宏一朗



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観劇三昧:坂口修一「ミッド・ナイト・エクスプレス第42話『裏切り』」

2017/11/21

駅ホスト「ラガール」が始まって4年、手段を選ばぬ悪質な方法で売り上げを上げていくシルバーフォックスに、田々南が宣戦布告する話。

一人芝居では意外と難しい一人二役の会話劇。

立ち位置を切り替えるリズムが熟練の技。

タバコを中心に移動することで、見せ方の変化をつけている。工夫。

あっという間に四年が経過している。

田々南はまだ童貞なんだろうか。

そして、さらっと阪急が阪神に売却されているところも語られる。実社会とのリンクのさせ方がハラハラする。

ライバルの対決構造を手始めに、シルバーフォックスの裏に付いている闇の勢力(想像)との戦いがクライマックスになっていくんだと予想。

終わりが見えてきた。

次回は、最後の奥義継承者が登場するらしい。

この設定、まだ生きていたのか。

 

《登場人物》田々南徹 シルバーフォックス

《作品情報》(観劇三昧HP)
公演時期 2008/01/29
上演時間 00:15:09

出演者:坂口修一

スタッフ :
作・演出:サシマユタカ
舞台美術:柴田隆弘/演出助手:若旦那家康(ROPEMAN(28))/音響:児島塁(Quantum Leap*)/照明:南勇樹(芝居処味一番)/フライヤーデザイン:黒田武志(sandscape)/webデザイン:山口良太(slowcamp)/写真撮影:森達行/ナレーション:岸本奈津枝
企画・製作:坂口修一
協力:土の会

あらすじ
2008年3月。23歳になった田々南徹は、京都線の駅ホストとして確固たる地位を築いていた。しかし永遠のライバルであるシルバーフォックスは、徹の遥か先を走っているのであった。



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キモい展HP

※生物名のリンクはグーグルの画像検索結果なのでご注意ください。

2017/11/20

一番最初のツヤケシオオゴミムシダマシのトンネルが一番キモいと思う。

個人的には大丈夫だったけど、細長い虫が苦手な人と、小さな生き物が密集しているのが苦手な人には生き地獄。

爬虫類と両生類のコーナーは、どちらかと言うとかわいい。

ただ、水槽いっぱいにアフリカツメガエルが泳ぎまわっているのはキモい。なんであんなにつめこんだんだ。

ふれあいコーナーでは、ボールパイソンタスマニアオオヤスデがいた。

ヘビはかわいいけど、ヤスデはムリ。

それぞれ背中のところだけ触らせてもらう。濡れていないのにしっとりしている。

スタッフの人に何という名前の虫なのか聞いたら「飼うんですか!?」と前のめりで逆質問を受ける。

どちらも飼いやすいなど、解説してくれるんだけど、恋人のノロケを聞いている感じ。虫愛、爬虫類愛の強さに好感。

週2回30分だけのふれあいコーナーは短いけど、各生き物へ負担も少なそうで安心できる。

あと、こんなにたくさんゴキブリ見たのは初めて。

※カメラ目線くれた。かわいい。



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