遠藤雷太のうろうろブログ
何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。




愛知高等学校『井戸の茶碗』


2020/10/25

正直者の屑屋が、頑固な浪人から古い仏像を買い取って苦労する話。

小さな子供でも聞き取れるくらいゆっくり丁寧なセリフ。

話し方や動きの抑揚も大きめ、粗筋もしっかりしてるので面白さの敷居が低い。

お客さんの敷居が低いということは提供側のスキルが高いということなんだけど、だからと言って高文連みたいな勝ち負けがはっきりする場で、こんな緩く楽しめる人情劇で勝負できるものなのか。

単純化された見せ方のなかでも屑屋の演技の引き出しが多い。

千代田卜斎に20両差し出す時の動き、どっから出てきたんだ。

父親が娘を差し出すところ、落語なら古典だし語りだけだからそんなに気にならないんだけど、同じ大会の中でゴリゴリに女性の生きづらさを描いた作品があるのを見てしまうと、ちょっとノイズに感じてしまう。現代風の演出もあるので特に。

達観してるのか呆れてるのかよくわからない微妙な表情で座り続けている娘に笑った。


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劇団かふぇいん(土佐女子中学高等学校演劇部)『あやな先生のトランプ』


2020/10/25

演劇部に劇団名がついてるのが面白い。大学のサークルみたい。

小道具が大きくてかわいい。

臨時採用の教師が今後の進路に悩む話。

文化祭の課題研究を決められないグループが、夏休みのある日、図書室に集まって何を研究するか相談する。

その中に311の影響で高知に引っ越ししてきた、はなちゃんがいる。

はなちゃんの一人語りはとても真に迫ってきてよかった。

ただ、全体的に10年後くらいに作者が読み返したら照れてしまいそうなセリフが多い気がする。

実際にある話なんだろうけど、現場で7年も実務こなしてるのに採用試験に落ち続けるなんて制度自体の欠陥としか思えない。

採用試験を受け続けるかどうかの悩みと、震災、貧困の問題はそれぞれ別の話のはず。

帰宅難民の話から、はなちゃん自身、母親の話、自分探しの話から、人はなぜ帰ろうとするのかというのがテーマなのかなと思ったけど、採用試験の話とうまくつながらなくて困った。



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2020/10/20

・新型コロナ騒動以来、最密の場所に飛び込む。

・映画館は換気がいいという話はよく聞くけど、ロビーはワイワイしてるし、売店の列もぎゅうぎゅう。床の間隔マークもあまり用をなしてない様子。

・ロビーでダラダラするのも好きだけど、そちらの換気はよくわからないのでさっさと席へ。

・鬼が操る列車の中で鬼殺隊たちが乗客を守りつつ敵を倒そうとする話。

・乗り物パニック映画というより、夢と現を行き来する不安定さからくる面白味のほうが強い。

・原作もアニメも一通り通ってるので、映画の内容は大体わかっている。

・振り返り要素はなし。話自体は単純でわかりやすいけど、細かい設定部分が重要だと思うので、一見さんだとかなり面白さは目減りしそう。

・善逸や伊之助についても、初めて見る人への説明が何にもなくて、自分まで不安になる。

・伊之助が列車に入ってきても乗客が平然としている。見た目で十分怖いはずなのに。鬼滅世界の一般人は肝が座っている。

・明らかに様子のおかしい猪頭を担当する女の子がほんとかわいそう。

・基本アニメにはナレーション入れない方針なので、ネズコの爆血や、紐切らない説明なんかも、ほんとに伝わってるんだろうか。

・とは言え、ほんとに前知識ゼロの状態で見る人なんて、スターウォーズやアベンジャーズなんかと比べても少ないのかもしれない。手軽に予習もできるし。

・水だと演出効果に思えなくもないけど、炎は明らかに何かが爆発している。実写で言う特効担当の人が張り切りすぎている。

・原作からそうだったけど、煉獄さん登場時の全く話の通じそうにない感じと、後半の理想の上司感のギャップがイマイチ飲み込めない。

・鬼滅に出てくる柱の人って、根はいい人かどうか、本当にはわからないギリギリのところで成り立ってる人が多い。ほぼ全員第一印象が悪い。人間が鬼を相手にするんだからそれくらいおかしいほうが自然なんだけど。

・結果、炭次郎がかっこよく見えるようになっている。

・家族と再び別れなきゃいけないのはとても切ないし、楽な道と茨の道があれば辛いほうを選択する正義超人だし、自決するシーンは分かっててもハラハラする。家族のことで激怒するのもほんと主人公然としている。

・最後なんて戦ってもいないのに、なんだかんだでおいしいところは持っていく。存在が強い。

・なぜかそんなに多くなさそうな初見の人の心配ばっかりしつつ、映画を見るというより、流行りに乗っかるお祭り感覚を楽しんだ。




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2020/10/11

中学高校の文化系部活動を紹介する本。

マンガ『ちはやふる』のアナザーストーリーのような百人一首部や漫画のような躍進を見せる演劇部なんかはメジャーな部類で、鹿踊り部のような読み方も怪しい部活、バルーン部、生物資源研究部など、部活名だけでは活動内容がまるで想像できないもの、水族館部、手話部、ファッション部のような思っていたのと全然違うもの、多種多様。

思わぬ高みに到達している部活もあれば、思い半ばで、引退していく者たちもいる。

普段は記者の仕事をしている人たちが小説風の文章で紹介しているので、文体の統一感のなさははご愛敬という感じだけど、普通の新聞記事で紹介されるよりも前のめりに共感できる。どれも尊い。

進学校の日比谷高校にある雑草研究会。

「雑草女王」なんてエッジの効いた登場人物、光画部にもいなかったと思う。

ほぼ全部映画化できるので、そういう仕事してる人はとりあえず読んだらいいと思う。



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