遠藤雷太のうろうろブログ
何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。




RIBBON MANIA 2011.12.25後楽園ホール [DVD]
クリエーター情報なし
neoplus



2012/8/30

さくらえみ&中学生のつくしのタッグ選手権がいちばん盛り上がった。
二人が、おそらく現状最強の女子プロレスラーであろう里村明衣子のチームに挑む。
里村は、レスリング技術でまったく寄せ付けず、つくしを子供扱い(実際子供だし)。
体格的にも技術的にも勝てそうな要素はまったくなかったけど、混戦からのつくしの必殺技「ハルカゼ」でフォールを奪う決着は、なかなかの説得力。終わってみれば「これしかない」という、ほんのわずかな着地点にたどり着いた。ほんとにスキルあるな。
あと、もともと小学生レスラーだったりほ様が、普通にかわいらしく成長してしまって、これからどうするんだろうと心配。かわしいし、足とか腕とか細いくてシュっとしてるし。
プロレス以外なら、どこ行っても通用しそうな逸材なんだけども。
それにしても、会場にコスチュームでいたにもかかわらず、DVDに試合が収録されていない松本都は一体なにをやらかしたんだろう?

※「UMAの皆さん、違うんです!」(帯広さやか)

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完本 1976年のアントニオ猪木 (文春文庫)
柳澤 健
文藝春秋



2012/8/29

おそらく、現状で最も客観的な昭和プロレス史の教科書。
アントニオ猪木が1976年に行った4試合。
柔道金メダリストのウィリアム・ルスカ、ボクシング世界チャンピオンのモハメド・アリ、韓国の大巨人パク・ソンナン、パキスタンのレスラー、アクラム・ペールワン。
この「異常な4試合」の背後を追うことで、当時のプロレスの概観をつかむことができる。
そして、やっぱりどこまでがリアルなのかという部分が面白い。筆者は、膨大な資料を基にその虚実の濃淡ぶりを的確に描写しており、淡々とした筆致の中にも迫力がある。
モハメド・アリは来日前に、かなり本格的なプロレスの練習をしていた。このことが何を意味しているのか。
読めば読むほど、どうしても猪木の狂気ぶりにひきつけられてしまう。
言うまでもなく、猪木自伝とあわせて読むと、面白さが倍増する。


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猪木寛至自伝
クリエーター情報なし
新潮社



2012/8/24

プロレス好きと言いながら、この「聖書」には手をつけていなかった。
アントニオ猪木がいかに「プロレスの神」になったのかが書かれている。
プロレスをただのエンターテイメント・スポーツで語れない部分は、すべて猪木要素だと言ってよいと思われる。
プロレスファンが特に「プロレス的」と語るのは、ほぼ「猪木的」であることと同義である。
それは、大雑把に言うと、スキャンダルを力に変える、ジャンルを越境するという部分。
ただ、日本に猪木がいなかったら、WWEみたいな割と肩の力を抜いて楽しめるエンターテイメントに発展してたのではないかと思うと、猪木は神ではなく悪魔なんじゃないかと思わないでもない。
どうにも猪木本人が「信用できない語り手」であることは疑いようがないので、信者と言いきれない自分としては、客観的な文章も読みたいところ。

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クマと闘ったヒト (ダ・ヴィンチブックス)
中島 らも
メディアファクトリー



2012/8/16

中島らも、ミスター・ヒトの対談。
ミスター・ヒトは、馳浩やライガーなどを育てた名伯楽。主戦場にしていた北米の思い出話が中心。ときどきプロレスの仕組みの大事なところが言葉の端々から漏れていて、たのしい。
キラーカーンがアンドレの足を折ったという逸話。似たような話はけっこうあるだろうけど、ミスターヒトは、相手をケガさせるのは下手だからと言い切る。
仕方ないから、「~の足を折った男」と売り出すわけだが、プロレス的に、相手を怪我させるのは「下手」なのであって「強い」ではないのだという。
また、註釈が吉田豪というのが、油断ならない。文字が小さくて読みにくいが、どうでもいいおもしろい豆知識がたくさん。
星野勘太郎がプロレスを始めた理由「とにかくヒトを殴りたかった」が最高すぎる。
ヒクソンの戦績への言及にもびっくり。


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レスラー スペシャル・エディション [DVD]
クリエーター情報なし
NIKKATSU CORPORATION(NK)(D)



2012/8/16

・ずっと気になっていた作品。ようやく見る。
・ベテランかつスター選手であるプロレスラーのランディが、キャリアの集大成に挑む話。
・そのランディを演じているのはミッキー・ローク。
・かつての大スター(今は落ちぶれている)という共通項のあるキャスティング。虚実が交錯するプロレスらしい二重構造。
・自分の<居場所>を見つけてしまった男の幸福と不幸を同時進行で描いている。
・デスマッチシーン。ここが自分の居場所だと思えば、こんなことまでやれちゃうんだと恐怖。試合はフェイクでも大怪我はリアル。大の大人がなにやってんだ。
・ネクロ・ブッチャーが普通に喋っている。眼鏡男子のときは妙に知的。
・ちょっと誇張してると思われるけど、プロレスの裏設定を描いているところ。詳しくない人のほうがかえって面白いのではないか。
・構成的には、ラストのワンシーンが最高なものになるように、すべてのシーンが作られている。隙がない。
・最後のランディのマイク。ちゃんとセンスのあるプロレスラーがアドリブで話しているような感じがする。
・必殺技の「ラムジャム」。映画内でも出し惜しみしてる。そんな構成も非常にプロレスっぽい。
・巧みな痛み描写とプロレスという題材の相性が抜群。
・二度のケツ描写。コミカルと痛々しさが両立。
・娘とのエピソードで安田忠夫を思い出さないプロレス好きはいないのではないか。
・ランディお気に入りのストリッパー。びっくりするくらいエロくない。清潔感がある、ような。なぜかしら。
・ネット上の感想であった「いい映画だと思うけど、三沢の事件があった今見るのはつらい」というのが、とてもよくわかる。
・ランディのスーパーでの奇行ぶりは、ステロイドの影響じゃないかしら。ここでクリス・ベノワのことを思い出してしまう。
・架空の登場人物でも、確かに実在するのではないかと思わせるリアルさがすばらしい。

※固有名詞間違えていたので、直しました。

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「地球のからくり」に挑む (新潮新書)
大河内 直彦
新潮社



2012/8/16

16世紀の鳥の糞(肥料)から始まって、現在までの「エネルギー利用」の変遷がわかる。
農業のため、戦争のため、電気のため、いろんな目的で人間はエネルギーを作る。
不思議なことに、この本には原子力発電はそれほど大きく取り上げてないにもかかわらず、読むといわゆる「原発容認」「原発推進」の考え方に少し説得力を感じるようになる(本書ではそのような「主張」は一切書かれていない)。
というのは、特に化石燃料の場合、発掘などで過去にとてもたくさんの人が死んでいるという部分。1952年のロンドンでは、暖を取るための石炭が原因で、1万人以上が死んでいるそうだ。詳しく調べたわけじゃないけど、たぶん原発でそんなに死んではいないのではないか。
過去に原発が直接の原因で死んだ人は何人いるんだろうか。
ただ、1953年と現在を、まったく同じ基準では考えられないだろうし、死者の数だけで物事を判断するのは乱暴だけれども。
原発関係者の隠蔽体質なんかは異常に厳しいようだし。


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小悪魔はなぜモテる?! [DVD]
クリエーター情報なし
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント



2012/8/14

・原題は「Easy A」。かっこいいと思うんだけど、だめだったか。この邦題以外だったら何でもよかったと思うんだけど。
・アメリカの青春コメディ。
・ちょっとした嘘(架空のボーイフレンドとセックスした)が原因で、ヒロインのオリーブが酷い目にあう話。
・キリスト教の影響が強い高校なので、オリーブはあっというまに「淫らな女」扱い。処女なのに。
・一方で、その噂を利用して、彼女は学校のいじめられっ子を救う商売を始める。
・結果、どんどん「淫らな女」という噂がエスカレートしてしまい、彼女は孤立していく。
・そのエスカレートの仕方が丁寧。
・物語の進行に合わせて、彼女の人間性も深く伝わる仕組み。
・人が良い。賢い。文学がすき。かっこいい。ユーモアがある。度胸もある。色んな方向からオリーブがわかる。丁寧。
・そして、彼女のことがわかればわかるほど、男前。
・演じたのは、エマ・ストーン。かっこいい。惚れる。
・エアセックスのシーンがバカバカしくていい。
・両親のほのぼのぶりに癒される。
・父「僕も一時ゲイだった。誰でも一度は通る道だ(ニヤリ)」
・ほのぼのしているだけじゃなくて、色んな修羅場をくぐってきたんだろうなという凄みも感じる。
・「ユーモアは人生を生き抜くための武器」。オリーブの母ちゃんが言うのと、他の人が言うのとでは説得力が違う。
・ネット放送を使った作品構成がとても気が利いていて、映画というジャンルにもはまっている。
・たぶんキリスト教の知識があったら、もっとおもしろいんだろうなという雰囲気だけ伝わってくる。もどかしい。
・構成だけもらって設定を日本にしても面白そう。宗教的な背景が違うので難しいだろうけど、上戸彩とか前田敦子とかがヒロインだったら、ちょっと見てみたい。
・ところで「カウベル」という性行為って何するんだ?
・町山智浩がポッドキャストで「ヒロインが安部譲二みたいな声」と言ってた。それは言い過ぎ。


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2012/8/13

・1も2も見てるし、公式サイトのポッドキャストも3関連のものを除けばほぼ聴いている。前知識十分でシアターキノへ。
・期待値もかなり高め。
・仲間を捨てて、上京したラッパー「マイティ」が夢破れて、落ちぶれていく話。
・序盤。東京でマイティが頼ったHIPHOPグループ「極悪鳥」。見た目が悪そう、中身も悪い。そのまんま。いいのか。それで。
・映画の良し悪しは別として、ストレスのたまるタイプのお話なのかなと思っていたので、1の主役IKKUとTOMが出てきた時は、ほんとになごんだ。客席も、二人が出てきただけでクスクス笑いが起きていた。
・最初はハラハラするけど、結構笑えるところあった。
・シリアスな絵面の中に、かなり注意深く気の抜ける小道具や人がまじっている。そういうシーンがたくさんあったので、たくさん見つけられたら楽しいはず。
・栃木のフェスのオーディション。いい気まずさ。
・栃木のHIPHOPグループ「征夷大将軍」。明るい存在感で好印象。
・その征夷大将軍のDJ眠り猫(蔵田大輔)の異様なキャラ立ちっぷり。荒川良々を最初に見たときのような感じでびっくり。もっと見たい。
・ギョウザ屋で大乱闘しているところ、ゲラゲラ笑ってしまった。
・この作品で音楽やってる人たちは、ほぼ全員ラッパーなんだと思うとこのジャンルは深いなと思う。
・IKKUとTOMは成長したなあ。
・最後のところ。お約束というか様式美というか、もっと凄いものを見れるもんだとばかり思っていた。期待しすぎたかもしれない。
・事前に耳に入ってくるマイティの作品外のがんばり(全国の映画館で情宣しまくり。苫小牧では駐車場の誘導までやった)で、どうしてもひいき目に見てしまう。
・ただ、冷静に物語の中で起こっている出来事だけ追っていくと、主人公にうまく感情移入できない。
・この作品は「夢をあきらめた男の話」だって言われてたけど、どちらかというと「道を踏み外した男の話」だと思う。

※公式サイトのマイティが別人。 http://sr-movie.com/staff-cast.html


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カイジ 人生逆転ゲーム 通常版 [DVD]
クリエーター情報なし
バップ



2012/8/12

・原作は結構前に1回通して読んだ。最近は読んでない。
・なんとなく罵ってほしい気分だったので見てみる。
・それぞれの役者さんの持っている個性と、作品上に必要なキャラクター性がケンカしているような感じ。
・香川照之の竹中直人感がすごい。
・顔が…というより表情が濃い。歌舞伎でもやればいいのに。やってるわ。
・カイジ役の藤原達也。ほぼ舞台仕様の演技。くどい。監督の意向なのかしら。
・天海祐希の役の危なっかしいキャラ設定。
・ライムスター宇多丸命名の演出方法「顔相撲」が随所に見られる。
・香川照之の顔相撲ぶりがすごい。そして、天海祐希の一人顔相撲ぶり。もう藤原竜也が残らない。
・たぶんカードとか鉄骨渡りとか地味なゲームしかしてないから、そのぶん音楽やオーバーな演技で盛ろうとしたんだろうけど、逆効果。
・もともとなんでそんなに地味な対決が多いのかというと、身近で非劇的な設定で現実感を出して、究極に追い込まれた人たちを放り込んで緊張感をあおるという構図のため。
・その現実感を派手な演出で犠牲にしているので、原作が好きな人は悲しいかもしれない。
・ドキュメンタリー作品に叙情的な音楽を載せると途端にウソっぽくなるような感じ。
・演技は大げさだけど、話はあっさり。
・「限定ジャンケン」「鉄骨渡り」「Eカード」。
・「このエピソードは覚えてる…けどそんな話だっけ?」と思いながら見る。
・カイジなら、相手を金を貸さざるを得ない状況に追い込むからこそ、金を手にできるはずなんだけど…違ったかな。記憶の中のカイジに期待しすぎたかな。
・原作のエピソードをできるだけ効率よくつないだ感じ。
・なんでこの人が主人公なんだろうという疑問が残る。
・ダメ人間でも情を捨てきれず、追い込まれると天才的なひらめきを得る。その辺をバランスよく描くのは本当に大変なんだなあ。原作すげえ。
・松尾スズキの油断ならない善人感がよかった。
・兵頭を演じてたのは佐藤慶さん。気づかなかったのでびっくり。遺作だそうです。

※負け組にいわゆる「イケメン」を器用するのはやめてほしい。


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望遠ニッポン見聞録
ヤマザキマリ
幻冬舎




2012/8/10

マンガ「テルマエ・ロマエ」の作者ヤマザキマリによるエッセイ集。
異文化コミュニケーションのサラブレットというべき家に育った経歴を活かし、割と身近な文化ギャップを大人気なくクッキリ描く。
チョイワル男を目指す中年男たちへの提言。
「本当にイタリア人に受け入れられるイタリア男になりたいのであれば、とにかく一度と言わずパワフルな女性達とお付き合いを重ねて、がっくりと疲弊してみるといい」
また、パワフルなイタリア女性の怒り方。
「まずテーブルの上にのっていたピザを天井に投げつけたのだ。ピザは一瞬天井に張り付いたが、すぐ下に落ちた。」
説得力・描写力が抜群。
挿絵「果たしてどちらのオバサンが旅をエンジョイできるでしょう!?」の図も秀逸。
どうやらこの人は異文化コミュニケーションが本職の人で、今はたまたまマンガを描いているだけなのではないかと思われる。


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