Zooey's Diary

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生身の接触

2008年12月05日 | 社会
朝日の朝刊、ノンフィクション作家柳田邦男氏の「聞く」というコラム。
昨日の題は、「親子は生身の接触を」。

去年、氏が参加した乳幼児の心の発達に関わるシンポジウムでの、ある小児科医の報告に慄然としたのだそうです。
都内の、とある母子休憩所で母乳を与えていた若いお母さんが誰も赤ちゃんの顔を見ず、全員黙々と携帯電話のメール確認や打ち込みをしていた、というのです。

”完全におっぱいが授乳装置となり、心は携帯にある。(中略)
母親が、いとしくてたまらない気持ちで目を見、抱きしめ、声をかけることで子どもの心は育つ。”
そして氏は、絵本の読み聞かせの重要性を訴えています。
”テレビ、ゲーム、ケータイ、パソコンによって家族の会話が希薄となり、心がバラバラになっていく中で、絵本の読み聞かせは、親子の生身の接触、物語の感動の共通体験を回復できる唯一のメディアである。”と。


私自身、幼い頃に読んだ沢山の絵本が、暖かく豊かな思いの原点になっているような気がします。
この歳になっても、絵本の中の一場面が、鮮やかな色つきで、不意に脳裏に浮かび出ることがあります。
なので、息子たちにも、可能な限りせっせと読み聞かせたつもりですが…
そして幼い息子たちも、毎晩寝る前になると、抱えきれないほどの絵本を持ってきて、私の左右に寝転がって喜んで聞いていたものですが…

息子たち、今となっては覚えていないようです。
数年前、ブッシュ大統領夫妻だったかが日本に来た時、婦人が都内の乳児院で「おさるのジョージ」を読むシーンをテレビのニュースでやっていたのです。
あんたたちもあれ好きだったよね、と声をかけると、二人ともあんなの知らない、と言うではありませんか。
ええー!?
じゃあ、「ぐりとぐら」は?「バーバパパ」は?「エルマーと竜」は?「ノンタン」は?
と次々に聞くと、殆ど覚えていないことが判明したのでした。

私の田舎の家では、小さい頃の本も取ってあること、私がしつこい性格なので、大きくなっても時々覗いていたこと、
かたや息子たちの絵本は、マンションに余分なスペースがないので、少し大きくなってからは全部処分してしまったこと、息子たちはその後テレビゲームに夢中になったりして、二度とそういった本を読もうとしなかったことに、その違いがあるようです。

それでも、あの頃読み聞かせた絵本は、息子たちの心の栄養になっている、と信じたいものです…
コメント (2)
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