Zooey's Diary

何処に行っても何をしても人生は楽しんだもの勝ち。Zooeyの部屋にようこそ!

「天使と悪魔」(ネタバレなし)

2009年05月29日 | 映画
前作「ダ・ヴィンチ・コード」では
私は原作を読んでから映画を観て、怒り狂ったのでした。
上質な歴史ミステリーが、低俗な土曜サスペンス劇場に仕立てられたと。
で、今回は未読のまま、映画に臨んだのです。

結果として、正解だった気がする。
面白かった!
原作を読まなくても(或いは読まない方が)、これは十分楽しめます。
冒頭、欧州原子核研究所だの、反物質の生成だの、科学音痴にはさっぱり分からない単語の羅列で頭が混乱しますが、その後は息もつかぬ展開で、ラングドン教授と共にローマの街並を走り回ることになります。
一時間毎というタイムリミットつきの予告殺人のストーリーなので、いや、その展開の早いこと!
そして前作と同じく、どんでん返しに次ぐどんでん返し…

「ダ・ヴィンチ・コード」の続編のように言われていますが、
小説としてはこちらの方が先、ダン・ブラウンの処女作だったのですね。
天使と悪魔、それは相反するものの象徴でしょう。
物質と反物質、宗教と科学、唯心論と唯物論、善と悪。
相反しながら共存することもある。
一人の人間が、天使にも悪魔にもなることもあり得る。
最後に勝つのはどちらか?

少々残念だったのは、ヒロインの女科学者があまり魅力的ではなかったことか。
出番は多いのに性格が十分に描かれておらず、従って印象が非常に薄い。
彼女のことで覚えているのは、貴重なガリレオ蔵書の1ページを引き破ったこと位w

ローマ、バチカンの観光名所が各事件の舞台であり、優れた観光ガイドと言える
作品でもあります。
私はたまたま2年前に訪れたばかりなので、懐かしく思い出しながら堪能したのでした。
このシスティナ礼拝堂は、天井画が見事で首が疲れたなあとか、
このサンタンジェロ城のトイレは、便座が全部壊れていたなあとか…
また行きたくなりました。

分かりにくかった固有名詞がいくつもあったのですが
その一つ、カメルレンゴというのは人名ではなく、法王の秘書長という役職名なのだそうです。スイス衛兵隊というのにも面食らいましたが、これは、自前の軍隊を持たない法王庁が
16世紀にスイスから傭兵を呼び寄せ、それが現在も続いているのだそうです。

これで心静かに、原作を読むことができます。

☆4

「天使と悪魔」
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする