Zooey's Diary

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自分の居場所探し「新しい人生の始め方」

2010年10月23日 | 映画


NYで暮らす62歳のCM作曲家ハーヴェイ(ダスティン・ホフマン)は
娘の結婚式に出るためロンドンにやってくるが
主導権を元妻の再婚相手に取られて非常に居心地が悪い。
婚期を逃して人生をほぼあきらめかけている40代の女性ケイト(エマ・トンプソン)と
偶然に知り合いお互いに惹かれ合ってゆくが…

「人生の曲がり角の先には、きっと― 素晴らしい冒険が待っている。」
この映画のキャッチコピーです。
ヒネリのない熟年の恋物語と言ってしまえばそれまでですが
自分の居場所を見つけられず、何処にいても疎外感を感じてしまう孤独な熟年男女の
心のヒダをよく描いていると思います。
一人娘の結婚式に張り切ってやってきたが、随分昔に離婚して家を出たハーヴェイは
ヴァージンロードを娘と歩く権利さえ奪われてしまう。
式の前日の身内の食事会でも、自分だけ蚊帳の外である。
そしてそれはケイトの方も。
友人に男性を紹介してもらうも、彼の若い友人たちに囲まれて
端の席に追いやられ、次第に言葉少なくなっていくシーンなど
気の毒で正視できないほど。

ダスティ・ホフマンはこの時72歳。
エマ・トンプソン50歳。
ダスティの顔に深く刻まれた皺、エマの肉厚な背中や太い二の腕などが
スレンダーで美しい若い男女の恋愛映画に見慣れた目には、なんとも痛々しい。
でも、歳を重ねたからこそ得られる人間的な温かみや、心の機微を表わす演技力は
若者の敵うところではありません。

それと、この二人は一目惚れで恋に落ちた訳では決してない。
初対面はお互いに悪印象を持ったくらいです。
しかし、最初からなんとなく話はできた(憎まれ口であったとしても)。
いいことも悪いことも、洗いざらいぶちまけることができた。
会話ができる。
話題を探さなくても、お互いに楽に話すことができる。
これも重要なポイントだと思うのです。
私の限られた経験から言えば、この相性も最初の出会いから
ほぼ決まるように思うのです。
逆の言い方をすればケイトとハーヴェィ、この歳になってようやく
そうした相手に出逢うことができたのかもしれません。


「新しい人生の始め方」 http://hajimekata.jp/
コメント (2)
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