Zooey's Diary

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驚愕の結末「ライフ・オブ・パイ」

2013年02月04日 | 映画
昨秋台湾に行った際に、この映画の巨大なポスターがあちこちに貼ってあったのです。
大海原に虎と少年が乗った小さなボート。
中国語だから名前も説明もまるで読めず、
摩訶不思議なその写真がただ記憶に残ったのでした。



原作はヤン・マーテルのベストセラー小説「パイの物語」、ブッカー賞受賞。
「ブロークバック・マウンテン」のアン・リー監督が映画化。
動物園を経営する家族と航行中に嵐に遭い、小さな救命ボートで大海原を
漂流することになった16歳の少年パイのサバイバル物語。
副題には「トラと漂流した227日」とある。
そんなことがあり得るのか?
そんな荒唐無稽な話を、どうやって観客に信じこませるというのか?

太平洋に投げ出された救命ボートに辿りついたのは、
少年、シマウマ、ハイエナ、オランウータン、そしてトラ。
弱い動物は次々に殺されてゆき、最後に残ったのは少年パイとトラ。
トラの名前は、リチャード・パーカー。



いやこれ、凄い作品です。
最後の最後に、驚愕の結末があるのです。
全編これメタファ。
シマウマも、ハイエナも、オランウータンも、トラも。
海亀も、人食い島も、トラとの別れも。
意地悪なフランス人コックも、人のよい東洋系ベジタリアンも。
結末を知ってみると、前篇のすべてが伏線に思えて来ます。
ネタばれになるのでこれ以上書けないのが残念。
ただ興味のある方には
エドガー・アラン・ポーの小説「ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語」と
更に驚いたことには、その小説が現実化したかのような
1884年の「ミニョネット号事件」がヒントであるとだけ言っておきましょう。
「リチャード・パーカー」で検索したら出て来たのでした。



アン・リー監督は台湾出身であり、日経新聞のインタビュー記事によると
この作品は台北市の飛行場跡地で制作、格納庫に五つのスタジオを作り、
波を生み出せる巨大なプールまで設置したのだそうです。
それで台湾に、あんな大きなポスターが沢山あったのですね。
3Dで観る、海だか空だか分からなくなる幻想的な青の世界、降るような星空、
鯨の壮大なジャンプ、夜光クラゲの神秘的な光…
お見事でした。
今年のアカデミー賞の11部門にノミネートされているのだそうです。

公式HP http://www.foxmovies.jp/lifeofpi/index.html
コメント (10)
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