Zooey's Diary

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「大統領の料理人」

2013年09月12日 | 映画


フランス大統領官邸史上、唯一の女性料理人の実話を基にした作品。
田舎で小さなレストランを経営するオルタンス(カトリーヌ・フロ)が抜擢された先は
ミッテラン大統領の住まうエリゼ宮のプライベートキッチンだった。

この作品、日経でも随分賞賛されていたので期待したのですが…
随分とあっさりとした描き方です。
オルタンスが連れて来られたエリゼ宮、
格式ばり、伝統と規則に縛られたそこでは、女など数にも入れて貰えない。
二十数人いるという官邸料理人たち(全部男性)の猛反発を受けながら
主厨房の隣の小さな厨房で、オルタンスは大統領の好みの
”昔ながらの家庭料理”を作るべく、腕をふるうのですが…



女性の地位が、日本よりはましかと思いきや、フランスもまだまだこんななのですね。
(もっともこれは、もう20年以上前の話ですが)。
オルタンスの腕と根性に、最後は男性料理人たちも舌を巻いて降参するという話かと思いきや、
敵は最後まで敵。
認め合うことも和解することもなく。
しかも大統領の健康面からのカロリー規制や、予算の縮小なども求められた彼女は
結局、2年ほどで自主的に辞めてしまう。

まあしかし、あそこで頑張らずにさっさと辞めてしまうのも
フランス人らしいと言えば言えるのかも。
仕事よりも自分の人生を選んだオルタンスは
次に南極基地の料理人となるのです。
それも使命感からとかそういうのではなく、お金の為と言ってのけるのも
いっそすがすがしいと言うべきか。



いくつかの意味あり気なエピソードは何かの伏線かと思いきや、
結実せずに終わってしまった。
もうちょっと心温まるエピソードを挟んでもいいのではないかと
多少、物足りない思いが残るほどにあっさりと話は終わってしまいます。
それも実話であるからこそ、あるいはフランス映画だからこそか。
ただ、場面に出てくる数々の料理は本当に美味しそう。
英国のハギスを指して、あんなひどい料理を食べるような連中は信用がならないとまで
言ったのは、シラク大統領であったか。
美食の国フランスの大統領は、やはりグルメという言葉が似合うようです。

「大統領の料理人」 http://daitouryo-chef.gaga.ne.jp/
コメント (4)
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