Zooey's Diary

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カンボジア・ベトナム旅行④

2014年01月21日 | カンボジア・ベトナム旅行


マルグリット・デュラスの「愛人/ラマン」という小説があります。
仏領インドシナを舞台に、15歳のフランス人少女と金持ちの中国人青年との
性愛経験を語った自伝的小説。
”18歳でわたしは年老いた。
あの青年と出会ったのは、靄にけむる暑い光のなか、メコン河の渡し船のうえだった。
すべてが、死ぬほどの欲情と悦楽の物語が、そのときからはじまった…”
発売されてフランスでセンセーションを巻き起こし、150万部を売り上げたといいます。



実際にはこの小説は、年老いた著者の回想という形で語られ、
色々な回想シーンが交差し、性愛体験だけが主題という訳ではありません。
著者と神経を病んでいるかのような母親、二人の兄との愛情と確執、
しかも父親が亡くなり、貧民、殆ど最下層の白人であるという事実、
そして厳然とある東洋人への蔑視などが複雑に絡んだ物語なのです。
それでも1920年の仏領インドシナの、灼熱の太陽と気だるい熱気、
肌にまとわりつくような湿気と愛憎うずまく退廃的な世界は、十分に印象的でした。



なのでベトナムに行った時、ついその世界を探してしまったのでした。
が、2014年の社会主義共和国ベトナムにそんな雰囲気がある訳もなく、
あるのは溢れ出るバイク、バイク、バイク、
そして人、人、人。
ベトナムのバイク洪水は有名ですが
実際にハノイの往来に立つと、バイクのあまりの数に恐怖で身がすくみます。
信号のない旧市街のあの大通りを渡るのは、下手なジェットコースターに乗るよりも
はるかに怖い。
私は一人だったら一生渡れそうにありません。


ハノイの困った顔をした犬
コメント (6)
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