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バレエ「ジゼル」は有名な割には、そのストーリーがあまり知られていないように思います。
簡単に言ってしまえば、男に裏切られた女が、そのショックのあまり死んでしまうのだけど
死しても尚、男を思い続けるというお話。
シンプルと言えばこの上なくシンプル。
第一幕、美しい村娘ジゼルが恋した男は、実は婚約者がいる貴族であった。
そのショックでジゼルは錯乱し、絶命してしまう。
第二幕、魔女や精霊によって、死ぬまで踊らせられるところだった男を
ジゼルは許し、精霊たちの呪縛から解き解いてやる。
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第一幕の、収穫祭に湧く村、恋のときめきや喜びに満ちた明るい舞台と
第二幕の何もない、暗く幻想的な死後の世界という、
ロマンティック・バレエのお約束の対比が、実にお見事。
純潔のまま亡くなった娘たちの精霊は全員、死に装束の真っ白なドレス。
くるぶし丈の長い、幾重にも重なったふんわりとしたチュチュは、
ロマンティック・チュチュというのだそうです。
それをまとったジゼルと精霊たちの踊りは、夢のように儚く美しい。
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清純無垢な乙女に一途に思い続けられる(死しても尚!)というのは
ある意味、男の夢なのかと思います。
男はジゼルを愛していたのかもてあそんだのか
ジゼルは自殺したのかショック死したのかなどと色々議論されているようですが
実にどうでもいいそんな論争があることも
こんなシンプルな話が1841年のパリの初演以来、世界中で愛され演じ続けられているということも
私にとっては驚きです。
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新国立劇場「ジゼル」 http://www.nntt.jac.go.jp/ballet/giselle/