クリント・イーストウッド監督50周年記念作品と銘打たれています。
1980年代初め、華やかなロデオスターだったマイク(クリント・イーストウッド)は落馬で負傷し、妻子も失くし、今は老残、孤独の身。
恩義のある元雇い主に、メキシコで別れた妻と暮らす13歳の息子を連れ戻してくれと頼まれる。
断り切れずにメキシコシティに行くと、豪邸に住む妻は淫乱な悪女で、息子は渡さないとすごむ。
虐待されている息子ラフォは、マッチョという名の雄鶏を唯一の友として、闘鶏場ですさんだ生活を送っていた。
なんとかラフォを乗せて国境に向かうマイクの車を、母親の手下が追いかける。
1980年代初め、華やかなロデオスターだったマイク(クリント・イーストウッド)は落馬で負傷し、妻子も失くし、今は老残、孤独の身。
恩義のある元雇い主に、メキシコで別れた妻と暮らす13歳の息子を連れ戻してくれと頼まれる。
断り切れずにメキシコシティに行くと、豪邸に住む妻は淫乱な悪女で、息子は渡さないとすごむ。
虐待されている息子ラフォは、マッチョという名の雄鶏を唯一の友として、闘鶏場ですさんだ生活を送っていた。
なんとかラフォを乗せて国境に向かうマイクの車を、母親の手下が追いかける。

まあ、文句は色々あります。
虐待されて屈折したストリート・キッドである少年が、いきなり現れた老人に心を許してついて行くかとか、
追手たちとの攻防がそれほど熾烈にもならず、あっさり終わってしまうところとか、
ストーリー的に前作の「グラントリノ」や「運び屋」の焼き直し感も否めないとか、
クライマックスでの、ラフォの父親の本当の目的についての疑惑と確執はどうなったのかとか。

それでも、91歳の御大が監督・主演しているというだけで嬉しい。
「ミリオンダラー・ベイビー」や「グラントリノ」などで観られた、胸を抉られるようなインパクトはありませんが、ゆったりと流れる時間に、なんともほのぼのとした幸福感があります。
メキシカン・マフィアみたいな荒っぽい追手たちが、歩くのも覚束ない爺さんにノックアウトされてしまってもいいじゃない。
たまたま逃げ込んだメキシコの田舎町の食堂のおばちゃんが天使のように優しくて、二人を匿ってくれてもいいじゃない。
そのおばちゃんがたちまち恋をして、背中を丸めたマイクに優しく抱かれてダンスしてもいいじゃない。
雄鶏マッチョがここぞという所でヒットマン顔負けの活躍をして、追手をやっつけてくれてもいいじゃない。
このポスターの、マイクと少年とマッチョが並んで歩くシーン。
これがこの映画のすべてを物語っていると思います。
「Cry Macho」 は「鳴くんだ、マッチョ!」というような意味でしょうか。
「クライマッチョ」