根耳に水でした。
あの桐島洋子さんが認知症になられたとは。
「淋しいアメリカ人」や「聡明な女は料理がうまい」に始まってその頃の彼女の著作、若い頃に一通り読みました。
今から半世紀以上も前に、妻帯者のアメリカ人との間に3人の子をもうけ、シングルマザーとして孤軍奮闘。
文芸春秋社に勤めながら、一人目はオーバーブラウスでおなかを隠して働き続け、二人目の時は船上出産は医療費がかからないため、ヨーロッパ旅行の船の中で産んだという。
その後フリーのライターとして活躍されたのは、周知のとおり。
『渚と澪と舵 ふうてんママの手紙』や『マザー・グースと三匹の子豚たち』にはその辺りのこと、アメリカでの生活の様子がイキイキと描かれていました。
その後、スピリチュアル的な方向に行かれたようで、彼女の本から長らく遠ざかっていました。
その彼女は今、85歳。
暫く前から自叙伝的な小説を書かれていたが、認知症のせいでそれができなくなり、3人の子供たちが書き足して「ペガサスの記憶」という本が先日出版されたという記事が出たのです。
それを求めて近所の書店に行きましたが、早くも品切れ。
図書館は予約数が多くてすぐに廻って来そうもないので、とりあえず上の本を借りて来ました。
まず、表紙の柔和な表情のお顔に驚きました。
2014年出版のこの本は、色々な雑誌に寄せられたエッセイを集めたもののようです。
古希を迎えた著者が、自宅に大人の寺子屋「森羅塾」を開いて啓蒙活動を始められた様子が書かれています。
やたらその塾の宣伝が多いし、上から目線には拍車がかかり、正直それほど面白くはなかったのですが、「エイジングは神の祝福」と題された章が心に残りました。
アンチ・エイジングだのなんのと、あんまり若さにしがみついたりシャカリキに頑張ったりしない方がいいと。
過剰な仕事や付き合いから解放され、余計な沃野見栄やこだわりが抜け落ちて行くと、本当に好きなもの、生涯大切にするべきものがよく見えてくる、だから歳を取るということは素晴らしいのだと。
あの桐島洋子さんが認知症になられたとは。
「淋しいアメリカ人」や「聡明な女は料理がうまい」に始まってその頃の彼女の著作、若い頃に一通り読みました。
今から半世紀以上も前に、妻帯者のアメリカ人との間に3人の子をもうけ、シングルマザーとして孤軍奮闘。
文芸春秋社に勤めながら、一人目はオーバーブラウスでおなかを隠して働き続け、二人目の時は船上出産は医療費がかからないため、ヨーロッパ旅行の船の中で産んだという。
その後フリーのライターとして活躍されたのは、周知のとおり。
『渚と澪と舵 ふうてんママの手紙』や『マザー・グースと三匹の子豚たち』にはその辺りのこと、アメリカでの生活の様子がイキイキと描かれていました。
その後、スピリチュアル的な方向に行かれたようで、彼女の本から長らく遠ざかっていました。
その彼女は今、85歳。
暫く前から自叙伝的な小説を書かれていたが、認知症のせいでそれができなくなり、3人の子供たちが書き足して「ペガサスの記憶」という本が先日出版されたという記事が出たのです。
それを求めて近所の書店に行きましたが、早くも品切れ。
図書館は予約数が多くてすぐに廻って来そうもないので、とりあえず上の本を借りて来ました。
まず、表紙の柔和な表情のお顔に驚きました。
2014年出版のこの本は、色々な雑誌に寄せられたエッセイを集めたもののようです。
古希を迎えた著者が、自宅に大人の寺子屋「森羅塾」を開いて啓蒙活動を始められた様子が書かれています。
やたらその塾の宣伝が多いし、上から目線には拍車がかかり、正直それほど面白くはなかったのですが、「エイジングは神の祝福」と題された章が心に残りました。
アンチ・エイジングだのなんのと、あんまり若さにしがみついたりシャカリキに頑張ったりしない方がいいと。
過剰な仕事や付き合いから解放され、余計な沃野見栄やこだわりが抜け落ちて行くと、本当に好きなもの、生涯大切にするべきものがよく見えてくる、だから歳を取るということは素晴らしいのだと。
そう言われると、なんだかちょっとホッとする気がします。
”私自身はいまのところ五体健全、賞罰無し、借金無し、人様に迷惑かけず行き終えるぐらいの備えはあるが、相続税の心配をするほどの財産はない。後世に名を残すような業績は何もないが、残したいとも思わない。まあ暫くは家族や友人の心の中に残るだろう。それで十分だ”
そう2014年に書かれた著者が、今は…
最新作を読んだら、またご報告します。
”私自身はいまのところ五体健全、賞罰無し、借金無し、人様に迷惑かけず行き終えるぐらいの備えはあるが、相続税の心配をするほどの財産はない。後世に名を残すような業績は何もないが、残したいとも思わない。まあ暫くは家族や友人の心の中に残るだろう。それで十分だ”
そう2014年に書かれた著者が、今は…
最新作を読んだら、またご報告します。