(高畠ワイナリー)
樹氷を観に蔵王へ行こう!の夫の一言で、一泊二日で行って来ました。
雪道の運転に自信がない軟弱夫婦、今回はバスツアーで。
ところが一昨日の金曜は、首都圏は何と大雪警報発令。
朝の出発時から雪が舞い、東北に近づくにしたがってどんどん酷く。
樹氷を観る為には、ロープウェイを2回乗り継いで山頂に行かなければならないのですが、それが大雪と強風の為に運行中止。
晴れ女の名前、ここに謹んで返上致します。

仕方なく雪深い宿で、温泉と食事と読書を楽しんできました。
途中で寄った高畠ワイナリーで、ワイン好きの夫は喜んで試飲と買い物を。

ワイナリーの暖かい室内で見事に咲いていた冬牡丹。
近くに上山城、武家屋敷などもある月岡ホテルには、鎧兜が飾ってありました。

(ホテルの庭)

樹氷が観られなくて書くこともないので、今回の旅で読んだ本の話題を。
「スィングしなけりゃ意味がない」佐藤亜紀著。
1939年ナチス政権下のハンブルクで、裕福な家の息子である15歳のエディはヒトラーユーゲントへの入隊を拒否し、ブルジョワの仲間たちと敵性音楽であるジャズを楽しんでいた。第二次大戦開戦後にジャズのダンスパーティを開いたり、非合法のジャズレコードを作って密売したり。
あの時代にドイツでそんなことが可能かと思いますが、驚くことにかなり実話に依拠しているらしい。
無論、戦争が進むにつれてエディの周りの状況も悪化し、ゲシュタポに捕まって入れられた収容所で死にかける目に遭うし、金持の両親も悲惨な末路を辿ります。
親友マックスの著名なピアニストの祖母は、2分の一ユダヤ人の血が入っているということで、なんと…。
怖いもの知らずで粋がっているような少年エディの軽い口調が、戦争という得体のしれない大きな圧迫感に呑み込まれていく恐怖を、余計に際立たせています。
デューク・エリントン、ベニー・グッドマンなどのジャズの名曲を散りばめながら歌い上げた、異色の反戦小説です。

(露天風呂で雪ダルマを作りました)