Zooey's Diary

何処に行っても何をしても人生は楽しんだもの勝ち。Zooeyの部屋にようこそ!

「線は、僕を描く」水墨画の世界

2022年10月21日 | 


高校生の時に両親を突然の事故で亡くし、孤独の底から這い上がれないでいる霜介。
勉強にも運動にもやる気を出せず、なんとか付属校から大学に進学したものの、日々を無為に過ごしていた。
ある日、水墨画の大家の湖山に出会い、ひょんなことからその内弟子となる。
水墨画の世界に没頭し、努力する日々の中で色々な人に会い、世界を広げて行く霜介。
2019年メフィスト賞受賞。

今週、映画館でこの映画の予告編を観て興味を持ち、原作を読んでみました。
水墨画にまったく無縁であった霜介が、大家の内弟子になる経緯はあまりに御都合主義な気がするし、本書の中で水墨画の大家やその兄弟子たちが語る言葉は、少々哲学的過ぎる嫌いもあります。
「形ではなくて、命を見なさい」「花に教えを請え」「美の祖型を見なさい」
「心がどれくらい清らかで伸びやかで生き生きと描かれているかどうかが問題」
「形や技術なんて枝葉に過ぎない」「心の内側の宇宙を見ろ」等々。
しかしこの本の筆者が、有名な水墨画家であると知って驚きました。
本のカバーを外すと、著者が描いたという水墨画が現れました。
水墨画の奥の深さを教えてくれると同時に、孤独な自分の世界から一歩も出られないでいた青年が、少しずつその殻を打ち破っていく成長物語でもあります。



原作を読んだ後、その映像化を観て感動することってあまりないのですが、例えば「蜂蜜と遠雷」はその例外の一つでした。
国際的ピアノコンサートを舞台とするこの小説には色々な楽曲の名前が出てきてクラッシック音楽に疎い私には分かりにくかったのを、映画ではたやすく聴かせてくれましたから。
この本も、水墨画を文字であらわす表現力は素晴らしいと思うのですが、それを映像で観られたらどんなに楽しいか。
この週末から公開されるという、横浜流星主演の映画が楽しみです。



コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「スペンサー ダイアナの決意」 | トップ | 「ジゼル」、恋のときめきと... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
読みました。 (こに)
2022-10-22 14:37:11
映画も期待大です。
清原果那さんが千瑛を演じるそうで、これまでの清原さんと少しイメージが違うのが逆に楽しみです。

https://blog.goo.ne.jp/mikawinny/e/b145d31b179c7be4c373a1277f132d54
返信する
こにさま (zooey)
2022-10-22 23:54:30
感想、拝見しました。
やっぱり感じるところは似ているようです。
テレビドラマをあんまり見ないので、清原果那さんよく知らないのですよ。
なので新鮮に見られると思います。
映画、今日から公開されましたね。
楽しみです。
返信する

コメントを投稿