フマユーン廟(16世紀)
藤原新也の「印度放浪」を読んだのは
十代の終わり頃であったか。
河の中州で犬に食べられる人間の死体の写真を見て
衝撃を受けたものです。
その後、澤木耕太郎の「深夜特急」や遠藤周作の「深い河」など読んで
なんとなく、一度はインドに行かなきゃいけないような気になっていました。
そんなに気は進まないけれど、怖いもの見たさで行ってみたいというような感じ。
椎名誠「インドでわしも考えた」たかのてるこ「ガンジス川でバタフライ」
さくら剛「インドなんて二度と行くか!ボケ!!」などの軽い系も読んで
笑いながら興味を抱いたのも事実ですが。
廟の中
インドというと酷暑というイメージしか持っていなかったのですが
事前に読んだガイドブックやネットによると
デリーやアグラなどがある北部インドは結構寒いというのです。
ニューデリーの1月の平均最低気温は7℃、平均最高気温は21℃だと。
クトゥブ・ミナール(1206年)
そう言われてもイメージが掴みにくい。
つまり東京の4月くらいの気温じゃないかと私は思って
ヒートテックの下着にTシャツ、コットンパンツにジャケットという装いで行ったのですが
インディラ・ガンジー空港に降り立った夜、途端に後悔しました。
その時9℃、あくる朝は3℃くらい。
行き交う人々は、ウールのコートやダウン、マフラーや毛糸の帽子(或はターバン)という恰好。
(勿論あの国のことだから、裸足にボロボロの布を纏っただけという人もあちこちに)
それにしたってこの寒さ、普通に冬じゃないの…
薄いダウンジャケットをスーツケースに入れておいてよかった。
インドでの第一の驚きでした。
ミナールの近くのニームの巨木