【原発コスト神話の崩壊】
野田政権のエネルギー・環境会議(議長・古川元久国家戦略相)のコスト等検
証委員会(委員長・石田勝之内開府副大臣)は13日、電源ごとの発電コストの
試算結果をまとめた(上表 朝日新聞)。この試算をもとに、政権は来夏をめ
どに新しいエネルギー基本計画をまとめると報道。検証委は今回の試算で、東
京電力福島第一原発事故をめぐる費用や立地対策などの補助金、燃料費の上昇
など、これまで考慮してこなかった要素を追加。さらに2010年から10年ごとに、
それぞれの年に稼働を始めた場合を想定したという。
原子力は、04年の資源エネルギー庁の試算で1キロワット時あたり5.9円だっ
たが、事故を起こした原子炉の廃炉や除染に必要な費用のほか、立地交付金と
いった政策経費などを上乗せ。10年以降は5割高の「最低でも8.9円」となっ
た。事故の対策費が1兆円増えるごとにコストは約0.1円ずつ増えると試算。
今回の試算は、わたし(たち)が主張してきた過小評価との視点、原発推進の
よりどころとなってきた「コストの優位性」が崩れた。原発の「8.9円は、石
炭、天然ガスの火力発電のコストとほぼ同じ水準だが、これは「最低でも」と
いう数字。事故の対策費が増えるにつれて、コストは上がる。ただ、原発をエ
ネルギー政策の中でどう位置づけるかは、経済性だけでは論じられない。委員
からは「国内に蓄積した技術を保ち続けるべきだ」などの意見が出ている。新
計画づくりは、経済性や安全性など様々な観点から話し合われる見通しだ。
今回は自然エネルギーも試算の対象となった。いまは割高な太陽光発電も、
30年には半分から3分の1程度まで発電コストが下がると試算された。来年7
月には自然エネルギーによる電力の全量買い取り制度が始まる。経産省は今後
今回の試算も参考に買い取り価格を決める予定だという。
これまで電力会社は原発コストを「5.3円」と説明してきたが、04年試算では
稼働率80%と好条件だった。今回は稼働率70%が代表的な試算値に選ぱれた。
また、稼働率10%では50円以上という試算もだされている。委員会で議論して
きた大島堅一立命館大教授は「原子力は安いと言われてきたが、社会的な費用
を入れればそうは言えない」と指摘。一方、山名元京大原子炉実験所教授は「
これまで原子力発電は国として支えてきた。これからは国民全体で負担すると
いう意味の試算なのでは」と話したという(2011.12.14 朝日)。
しかしながら、福島原発の損害額はいまだ不明のなかにありあくまでも試算前
提条件が崩れるとさらにリスクコスト額の嵩高は避けられない見通しである。
また、火力以外の中で地熱・風力という自然エネルギーが再評価されるなか、
太陽光発電の「30年には半分から3分の1程度まで発電コストが下がる」との
試算は不本意にわたし(たち)の眼には映る。なぜならば、わたし(たち)は
10分の1の程度、つまりキロ当たり4円程度まで引き下げることが可能だと確
信しているのだが、その前提は国策として集中して、自由放任な市場競争のリ
スクを排除し実現するということを一貫して主張してきたことだ(国内メーカ
の再編を視野に入れ)。個人的には具体的なコスト逓減方法の研究にとりかか
る予定だ。
【こんなのあったらいいのにな】
やっぱりでてきました。マイクロレンズ(「アクティブ省エネ→流れをつくれ
」)。ラバーバンドと凸レンズだけで構成されたマクロレンズ。虫めがねとし
て使えるし、携帯電話やカメラなどに使用することが出来て、近距離でさまざ
まなアイテムを撮影することに便利。価格は15ドルだから1250円程度なら妥当
な値段だ。