【唯英米金融主義 vs. Someone】
The Little Currency That Couldn’t
動乱の気配は収まりそうもない雰囲気だ。その1つとしてのユーロ金融危機問題
は「金融世界大戦」に転戦しそうという記事が送られてきた。しかしながら、こ
んなことで、多くの勤労国民の生命と財産が賭けられてはたまったものじゃない
という感想がわだかまりとして残る。
金融はイメージ(信用)が大事なので、誇張策がうまくいけば、ユーロ圏の
金融界を経営難に陥らせたり、周縁諸国のユーロ離脱を引き起こしたりして、
ユーロ崩壊を誘発できる(ユーロ圏の金融界が崩壊すると、そこに巨額の投
資をしている米英の金融界も連鎖して崩壊する可能性が大きいが)。ドルが
自滅を免れ、米英覇権が延命するかどうかという、金融世界大戦が続いてい
る(中略)今年3月をすぎてユーロが延命できると、ユーロ危機の対策とし
てのEU財政統合が効果を持ち始め、ユーロが優勢に、米英が劣勢に転じる
かもしれない。この金融世界大戦は、今年の1-3月が一つの山場になりそ
うだ。新年に入って「いよいよユーロ崩壊だ」とはやし立てる国際マスコミ
の記事が目につくことからも、それが感じられる。先月のEUサミットで英
国が、自国を孤立させてまで財政統合策に拒否権を発動したのは、ユーロつ
ぶしの激化を事前に予測し、それに国運を賭けることにしたからかもしれな
い。
田中宇『正念場にきたユーロつぶし』2012.1.8
ユーロ経済圏構想(あるいは社会実験)に対するわたし(たち)の見解は明確だ。
二度の世界大戦を経験してきた経験から立ち上がったこの構想は世界中の範たる
ものだが、米国の外交問題評議会(CFR)の雑誌「フォーリン・アフェアーズ」
の新年号は、ユーロの崩壊を不可避と見る論文「ユーロの失敗(The Failure of
the Euro)」を掲載。ユーロ圏のような多様な諸国の経済や通貨を統合すること
に、もともと無理があったと指摘しているという。無理?!無理を承知で努力し
ているのではないか、あのケインズが反対したのにもかかわらず膨大な国家賠償
を負わせハイパーインフレーを独国に惹起させ「ニヒリズム運動」を誘発させナ
チス党の台頭を許したのは他ならぬ英国を中心とした戦勝国側にあったのだ。戦
勝国で「戦争の代償は少なすぎる」と国民を煽るのはたやすく、その罪は大なり
とは司馬遼太郎の『坂の上の雲』(NHKドラマ)を鑑れば理解できることだ。
City-crushing Tobin tax will be in place by end of this year, says French minister,2012.1.4
しかし、議題は昨年末に決まったEU財政統合案の一部で、独仏が合意し切れて
いない金融取引課税(トービン税)の導入であり、実現できれば、現在の自由放
任状態の投機筋を撃退する力となる。この意味は(1)世界経済秩序安定時代を
切り拓く礎となり(2)ユーロ崩壊→アジア崩壊(中国)の負の連鎖阻止の試金
石になるもと考えている。わたし(たち)はそれを支持する立場で、不安を煽る
無責任な態度とは無縁にある。
China Is Expected to Resist Oil Shift, 2012.1.10
【イランは頭痛の種】
オバマ大統領にとってイラン問題は頭痛の種だ。事の起こりは、イランが行おう
としているウラン濃縮は、ガン治療用の放射性同位体を製造用なのだが、医療用
の同位体が払底したので売ってくれと欧米などに頼んだが拒否された自国での製
造に踏み切ったというのだが、英米寄りのマスコミが「イランがウラン濃縮を進
めている」と騒いでだためだという(田中宇『イラン制裁の裏の構図』2011.1.10)。
米国が制裁を決断すれば世界第三次大戦の遠因になるだけでなく、自国の景気低
迷→「世界金融大戦」の敗者に繋がり、なによりも大統領選挙の二選は絶望的に
なるため及び腰にならざるをえない。これは賢明な選択かも知れないが、韓信の
股くぐりにも似た行為には、二丁拳銃のカーボウイには耐えられない公算が大だ。
何よりも、共和党支持者だけでなく、ユダヤ系民主党支持者からの離反も大きい
だろう。
国際的にはここにきて中国はイラン全面擁護を鮮明にしつつある。米国も財務長
官ティモシーガイトナーが、イランの石油輸出制限の説明に火曜日と水曜日に北
京で折衝をもつ予定だが、中国の外務副大臣崔天凱は問題は経済制裁では解決で
きないと一蹴している。その背景にはイランからの中国の原油輸入は前年同期か
ら約30%増。中国は、イラン、サウジアラビアやアンゴラの後、その3号サプライ
ヤー作り、イランからの原油の約11%を輸入していることが挙げられる。中露が
制裁に反対し、欧米が賛成に回り、それで貧乏くじを引かされるのが日韓だとい
うのが田中宇の見解だがそうなる公算は充分にある。蓋し、もっと解かれた国際
関係の構築をと願うばかりだ。
Pasta alla potentina
【イタリア版食いしん坊万歳:パスタ料理、ポテンツァ風】
具材:トウモロコシの粉500g、ラード大さじ1杯、スーゴ用トマト800g、オリー
ブ油80cc、バジリコ、塩、コショウ、ペコリーノおろしチーズ
Pecorino
作り方:トウモロコシの粉にラード,塩ひとつまみ,水を混ぜ合わせてよく練り
込み、艶と弾力性のある練り粉を作る。それを幅1.5cmの細長いリボン状にのばし
て、2cm程度の長さに切り分け、ほぼ正方形に形どる。手打ちパスタを作ってい
る間に、ソースの準備にかかる。オリーブ油、トマトの果肉、塩、コショウでト
マトソースを作る。゛アル・デンテ″にゆでたパスタの水気をよく切ってトマトソ
ースと和える。ペコリーノおろしチーズを別添えにして供する。
尚、ポテンツァはイタリア南部,バジリカータ州の州部名。