極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

ヤマイモの秘力

2012年07月28日 | 医療健康術

 





 

   雲の切れ目がある。山々の青い
   稜線がある。
   野原の暗い黄色。
   黒い河。僕はここで何してるのか?
   孤独で、悔恨の情に満ちて。

   僕は無心に、鉢からラズベリーを
   食べつづける。もし僕が死んでいたら、と
   僕はふと思う-今頃こんなもの食べては
   いないよな。そんなに単純なことではなくて、
   それくらい単純なことなんだ。



                           レイモンド・カーヴァー Simple ’   
                                                                    
                                 村上春樹 訳 『単純』

 

ビルトンゴールド

【ニンニクとヤマノイモ】

好きだよ、ブロ。』『大蒜のネックレス』で掲載した通り、眼精疲労は緩和されてきたので一安心。もっとも
作業時間の短縮やジム通いの励行の複合効果があってのことだが、ニンニクが効くのであれば「にんにく注射」
の静脈注射すれば良いわけで、このにんにくの注射の起源はネットで掲載されている。なんといっても最初に考
え出したひとは偉いということになるが、大発明かというそれは一寸違うだろう。さて、ヤマイモがアルツハイ
マー病の病状改善効果があるというニュースが流れている。もっともこれはネズミでの実験結果の話だが。富山
大学の和漢医薬学総合研究所の東田千尋准教授(46)らの研究チームが、山芋などに含まれる「ジオスゲニン」
という成分がアルツハイマー病の病状改善に効果的であることを発見。東田准教授らは、アルツハイマー病を発
症させたマウスに「ジオスゲニン」を20日間注射。マウスの脳に蓄積していたアルツハイマー病の原因となるタ
ンパク質が7割ほど低下し、記憶力が回復したという。ただし「(人の食べる量に換算すると)一日あたり約10
キロほどを食べなければいけない。将来的には、医薬品としてアルツハイマー病の患者さんに届ける研究につな
げていきたい」ということだ。

このジオスゲニンのステロイドサポゲニンは、塊茎のヤマイモ、ヤム芋、こころなどを強酸、強塩基、または、
酵素による加水分解・抽出されたサポニン。ジオスゲニンは、商業的にはコルチゾン、プレグネノロン、プロゲ
ステロン、および他のステロイドの合成に使用される。また、ジオスゲニンはプロゲステロンとして体内合成さ
れ、カルシウムの細胞内の取り込みを増やす働きがあると考えられている。また、ジオスゲニンの1部は体内で
デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)に変化し、抗老化ホルモンとしてストレス耐性を強化し低エネルギ
ー条件への耐性を作るともいわれている。尚、骨粗しょう症対策としヤム芋の必要摂取量は、抽出物の形で1日
当たり6グラムとされている。このように、ヤムイモは昔から滋養強壮など健康によい食べ物として知られてお
り、漢方では山薬と称され、ナガイモ、ツクネイモ、イチョウイモ、ダイジョ、ジネンジョなどとして良く知ら
れている。

 

このうち上図の沖縄などで生育するヤムイモの一種のトゲドコロ(Dioscorea esculenta)は、濃厚なコクと甘味のあ
るとてもおいしいイモで、寒さに弱くまた手間がかかることから栽培量は非常にわずかで、現地でも知る人の少
ない、まさに幻のヤムイモとして知られている。タカラバイオは、このトゲドコロの機能性研究を行い、トゲド
コロが他の食用ヤムイモには見られない“ヤムスゲニン®(ジオスゲニン配糖体)”という成分を多く含んでい
ることを確認し、トゲドコロが抗疲労作用を有することを明らかにしている。また、数多くの食用ヤムイモを対
象にジオスゲニン量を測定した結果、沖縄の一部の地域でのみ栽培されているトゲドコロがジオスゲニンを多く
含んでいることを確認。前述したように、ジオスゲニンは性ホルモンの中間体、DHEA (Dehydroepiandrosterone)
と類似した構造をもち、近年、滋養強壮作用との関連が研究され始めている成分。トゲドコロ中では、ジオスゲ
ニンは糖が結合した状態で存在するという。さらに、マウスに7日間トゲドコロを飼料に混ぜて与え、おもりを
負荷した強制水泳実験を行い、トゲドコロによって水泳時間の延長が認められたという。なお、このような作用
はジネンジョでは認められなかったという。

                     


 

ヤマノイモの薬剤・サプリメントとして、ジオスゲニンが米国では販売されているらしいから、専門家によるこの手の薬剤や
補助薬品、補助栄養剤による研究開発のフォローとして今回のニュースは影響していくだろうし、 アルツハイマー病で苦し
んでいる患者、家族をある程度解放していくだろうと、昨日の今日ではないが、そんな、ホープフルモンスターの思いに駆
られた。 

 

コメント
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