極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

環境半導体のラ・クンパルシータ

2012年07月26日 | 環境学・環境思想

 

 

【バイオマス事業新段階へ】

この間『木質食器革命の行方』で、バイオマス事業の新段階に触れたが、「全量買取制度」が7月1日より
導入され再生可能エネルギー事業への民間、民営、公営の参入が俄然活発化している。例えば、廃棄物を燃
料に利用するバイオマス発電所「豪力」が佐世保市宮津町に完成。7月の営業運転開始を目指し試運転を続
けている。尚、電出力は2750
キロワットで、約5千世帯分の年間消費電力の供給が可能だ。建設廃材などの
産業廃棄物を環境に負荷をかけず地域内で処理する狙いで、同市の廃棄物処理会社「縣北衛生社」(外間広
志社長)など11社が出資して2007年に設立した運営会社「環境リサイクルエネルギー(ERE)」(同)が
10
年に着工していた。約9万平方メートルの敷地に、発電所のほか廃棄物の選別・破砕施設、下水汚泥など
の乾燥処理施設を整備。建設廃材や汚泥などを処理、焼却し発電。総事業費は約50
億円。環境省が約3億7500
万円を補助。3月から試運転しており6月中旬に完工式を開く。営業運転後は、県内の建設会社や廃棄物収
集・処理会社など約60社が廃棄物を搬入。廃棄物処理料と余剰電力の売却で年間13億円程度の収入を見込ん
でいるが、バイオマス発電は、昨年成立した再生エネルギー特別措置法に基づき普及が図られているという。

なるほどと思いながら、知恵を絞り、汗を流す新しい段階に入っていることを確認する。 



【環境とシリサイドの半導体】

筑波大学の末益崇教授らの研究グループは、バリウムシリサイドという半導体材料で、p型不純物を高濃度
にドープ
した「p層」を製膜することに成功。高い変換効率を持つ次世代の薄膜太陽電池として期待され
る「バリウムシリサ
イド太陽電池」を構成する全ての層を作れることになったという。2013年4月までに電
池を試作し、太陽電池性能を確
認する。分子線エピタキシャル成長(MBE)という結晶成長法を使って、
ホウ素を高濃度にドープしたバリウムシリサ
イドのp層を製膜。すでに、アンチモンを高濃度にドープし
たn層などもMBEにより製膜できることが分かっており
バリウムシリサイド太陽電池を構成する層を全
て製膜できる。今後、p型層の活性化率など基礎的な物性を調べた上
太陽電池を試作する。

バリウムシリサイド太陽電池は、資源量が豊富にあるバリウムとシリコンで作れるほか、既存の結晶性シリ
コン太陽
電池と比べ、光の吸収のしやすさが50倍で薄膜化できる。通常、光を吸収しやすい半導体材料は
、光を当てたとき発生するキャリアの寿命が短いことが多い。それに対し、バリウムシリサイドは光吸収が
高い上にキャリアの寿命が長く、光によって生じる電流が大きくなりやすい。また、量子ドット太陽電池の
ようにナノ(ナノは10億分の1)構造を形成しなくても、シンプルな膜の形状で25%以上の高い変換効率
が実現できるという。研究グループは、実用化に向けMBEより工業化しやすいスパッタリングによる製膜
法の検討を、東ソーと共同で進めている。



ところで、環境半導体とは、従来のエネルギーデバイスの材料開発では、効率や性能面だけを考慮し、環境
リスクや、人体への影響が研究主軸とならなかった背景があり、化合物半導体のなかでは、シリコン( 25.8)
アルミニウム( 7.6),鉄(4.7),カルシウム(3.4)といったクラーク数の上位元素だけを用いて、多様な
機能を持つ2元系半導体が制作されるようになった。このような半導体材料元素は、地殻中に豊富な元素で
生命誕生以来、生体に接し多くの場合は生体に積極的に取り込まれてきたため生理学的には概ね無害な物質
であり、化学的に安定で自然酸化や燃焼によって毒性が拡散しない構造や機能をとる。このように、低環境
負荷元素を使用し、今までとは異なる新しい半導体材料により、今日のデバイス産業が抱える資源問題やデ
バイス製作・廃棄時の環境負荷を考慮することを目的としたエネルギーデバイスを「環境半導体」と定義し
ているようだ。薄い、シンプル、廉価、高変換率に環境配慮と5拍子そろっているのでこの研究開発には注
目だ。

【ラ・クンパルシータ】

 

   Si supieras que aún dentro de mi alma
   conservo aquel cariño
   que tuve para ti....!

   Quién sabe, si supieras
   que nunca te he olvidado....!
   volviendo a tu pasado
   te acordarás de mi ....

   Los amigos ya no vienen
   ni siquiera a visitarme;
   nadie quiere consolarme
   en mi aflicción;

   desde el día que te fuiste
   siento angustias en mi pecho;
   decí, percanta, ¿qué has hecho
   de mi pobre corazón ?

   Sin embargo
   yo siempre te recuerdo
   con el cariño santo
   que tuve para ti;
   y estás dentro de mi alma,
   pedazo de mi vida,
   en la ilusión querida
   que nunca olvidaré.

  

 

   おまえに知って欲しい 
   私の魂には まだおまえのために抱いていたあの愛情が
   生き続けていることを
   きっとおまえは知りはしないだろう
   ただの一度もわたしがおまえを忘れたことがなかったことを
   過去を振り返れば おまえもわたしのことを思い出してくれるだろうに

   友達はもう ただの挨拶にも訪ねてこない
   つらいわたしの悩みを だれも慰めてくれようとはしない
   おまえが去っていった日から わたしの胸は痛むばかり
   おんなよ 言っておくれ わたしの哀れな心におまえは何をしたのだ

                                        高場将美対訳 フリオ・イグレシアス 歌 

   カミニート 菅原洋一 


   去りにし面影よ
   今宵もまた胸にせまりて
   悩ましくくるえる
   わが骸はてなく
   さまよい歩みゆく
   たのみなき心に我は泣きぬ

   君よ今いずこ
   町の酒場の灯に
   涙してたたずむ
   あヽひと時
   今はうつろなる
   恋し君しのび
   せめて今宵 踊り明かし
   悩み忘れん

   涙を隠して
   ほほえみ踊れば
   いとしの面影
   わが胸にかえる
   赤きバラの酒
   飲みほし歌えば
   甘き恋の日ぞ
   しのばる

                                               加茂六郎訳詩 菅原洋一 歌

 

「ラ・クンパルシータ(La cumparsita)」は純粋なスペイン語ではなく、ルンファルドというイタリア語
やポルトガル語や各地の言語が織り混ぜになった南米の現地語で、意味はカーニバルなどの「仮装行列」の
ことだが、特に菅原洋一の日本語歌詞のうたが好きで、このブログでも取り上げた記憶がある。声楽を基礎
から学んできた彼の歌唱力はフリオ・イグレシアスと比べ見劣り、いや聴き劣りはない。今夜はたっぷりと
聴き、今朝の睡眠不足を癒すことにしよう。

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